【南瓜(かぼちゃ)】
東洋医学的特徴 ①甘味 ②温性
旬は7~12月
日本のスーパーなどで売られているものはほとんど西洋かぼちゃ(別名:栗かぼちゃ)。甘味が強くホクホクしたものが多い。
夏野菜は寒性・涼性といった身体を冷やす性質を持つ食材が多い中、かぼちゃは瓜類の中で唯一温性で身体を温める食材。
身体を温めて胃腸の消化吸収を促す働きがあり、体力を回復させたい時に摂りたいところ。

《薬膳的効能》
・お腹を温める 
・胃腸に元気を補う
・粘膜を保護する 
・健康な皮膚、髪、爪をつくる
・咳を止める
・痰を除く 
・風邪やがんの予防





①気の虚弱を補益する
息切れ・疲労感・発汗(安静時にも)・めまい・活動すると症状が悪化する・舌の色が淡く苔が白い・脈弱などの症状に対して臓腑の働きを補強し改善する。

②弱っている脾(消化系)の働きを正常にする
脾気虚が原因で起こる、疲労感・めまい・食欲不振・お腹の張り・むくみ・下痢などの症状に対して効果が期待できる。 

[応用]
消化器の虚弱、自律神経失調症の悪心・嘔吐、潰瘍、便秘 etc.





《かぼちゃの栄養素》
🔘抗酸化作用のあるビタミンA・C・E
(ビタミンエース)
・ビタミンA
粘膜を保護し風邪を予防。夏の間の暑さで弱った喉や鼻の粘膜を回復するために秋の初めから冬にかけて積極的に摂ると良い。

・ビタミンC
免疫力を強化するとともにウイルスを撃退する。

・β-カロテン
皮の部分に多く、果肉の2倍以上含まれる。
脂で調理するとより身体に吸収されやすくなるため油で炒めたり揚げたりすると良い。

・コバルト
インシュリンの分泌を高める作用があり、糖尿病の食事療法にも適している。

※種の周りのワタ
果肉の5倍の食物繊維。
調理法としてはワタがついたままの果肉を電子レンジで加熱してからスムージーにしたり、煮物にするのがオススメ。煮物をする際にはワタを取らずに煮るとワタの部分に味が良くしみてとろみが出て美味しくなる。



 

☑かぼちゃの種(南瓜子=なんかし)
東洋医学的特徴 ①甘味 ②温性 
1日10~15粒程度摂るのがオススメ。

・水分代謝を正常にする作用によりむくみや咳を解消
・産後のむくみを解消したり母乳の出を良くしたりする 
・駆虫薬として用いられ条虫や回虫の殺虫に効果あり
・鉄分、亜鉛に関してはナッツの中でも最高レベルの含有量
・体内で合成できない貴重な栄養素であるリノール酸やオレイン酸を含むが、摂り過ぎると免疫細胞が働きにくくなりアレルギー性炎症疾患であるアトピー性皮膚炎や花粉症などを引き起こす 可能性もあるため要注意。





《中国の民間療法》
・種の周りの柔らかい部分を生のまますり潰して用いる➡️火傷の治療薬
・種の周りの柔らかい部分と大根おろしを一緒に摂る➡️食あたり
・炒った種を食べる➡️前立腺疾患の予防
・炒った種+はちみつ➡️虫下し
・炒った種をお茶請けにする➡️肝臓を強化





今回は【南瓜(かぼちゃ)】についてご紹介しました。
かぼちゃは果肉・皮・種・ワタとそれぞれ様々な効能があり余すことなく食べることができる上、食事にもお菓子にも用いることができる万能食材です。
ご自身のお好みの摂り方で召し上がってみてはいかがでしょうか?





《かぼちゃのレシピの例》
・かぼちゃの煮物 ・かぼちゃのサラダ
・かぼちゃの天ぷら ・かぼちゃのポタージュ
・かぼちゃのきんぴら ・かぼちゃのグラタン
・お味噌汁の具として ・かぼちゃのプリン
・かぼちゃのクッキー         etc.