【東洋医学における腎】
東洋医学における腎は生殖・成長・発育を司り、骨・脳・耳・髪などと関連し生命エネルギーを貯蔵する臓腑。

□腎精
先天の精ともよばれ、両親から授けられた生まれながらに持っている生命エネルギーを指す。
これは病気により大幅に体力が低下したり、年齢を重ねて老化することにより弱まるとされている。

《腎が弱まった際の症状》
・足腰のだるさ ・耳鳴り、難聴 ・めまい
・頻尿、失禁 ・疲れやすい ・手足の冷え
・白髪や脱毛が増える ・むくみ
・皮膚の乾燥による痒み                        etc.

《腎を補う漢方薬》
六味地黄丸、八味地黄丸、牛車腎気丸、杞菊地黄丸、海馬補腎丸 etc.





《五行色体表》
➡️ 身体の特徴や変調を表す指標となるもの
 
 五臓➡️肝 心 脾  肺 腎
 五季➡️春 夏 長夏 秋 冬
 五悪➡️風 暑 湿  燥 寒
 五味➡️酸 苦 甘  辛 鹹(※塩辛い)
 五色➡️青 赤 黄  白 黒
 五官➡️目 舌 口  鼻 耳





 🔘身体の特徴や変調を表す五行色体表や腎の特徴を加味すると、以下のこと意識することで腎の機能を保つことができる

・腎が弱い場合には特に冬に注意する

・身体を冷やさない(特に腰や耳)

・薄い塩味で調理する

・カルシウム、マグネシウムなどのミネラルの補給

・甘いもの、水分を摂り過ぎない

・黒い食材(黒豆、黒ごま、黒米、ひじき、黒きくらげ、海苔、わかめ、昆布 etc.)を摂る

・ネバネバ食材(山芋類、オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、もずく、めかぶ、なめこ、納豆 etc.)を摂る





《耳の硬さはエネルギー不足のサイン?》

耳の形が腎臓の形に類似していることに加え、耳も腎臓も2つあるという点で共通しています。
東洋医学において腎は生命エネルギーを蓄えるところで、耳と腎との関連は密接です。
腎の状態が耳に表れ、耳が硬くなっている場合には疲労やストレスから腎が弱まっていると捉えます。





《硬い耳をほぐす耳周りのマッサージ》

・親指と人差し指で挟んで上から下へ位置をずらしながら耳のふちを押していく

・親指と人差し指で挟んだまま、上➡️下➡️横➡️斜めと引っ張る

・ 耳を〝ギョウザ〟にする
(耳の後ろに指を当て根元から前に倒す)

・耳を〝シュウマイ〟にする
(耳の上の部分と耳たぶがつくように耳を上下に折る)

・耳全体を手のひらで包んでくるくると回す





今回は東洋医学における〝腎〟について、そしてそれに通じる〝耳〟との関連についてご紹介しました。
現在〝腎〟にまつわる自覚症状がある方も、自覚症状はないものの養生として取り入れたいと思っている方も、今回ご紹介した注意点や耳マッサージを参考にして冬季のケアをしてみてはいかがでしょうか?