冬は日照時間が短いこともあり、太陽光を浴びることで産生されるホルモン〝セロトニン〟の分泌量が減ることがわかっているのだそうです。
このセロトニンは〝幸せホルモン〟と呼ばれ、精神の安定や幸福感と密接で、不足することで気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、不眠、過眠といった症状があらわれるように。
これが〝冬季うつ〟のメカニズムです。





この冬季うつの対策として、まずできることは朝日を浴びること。
そして、オススメの食べ物として生薬では〝大棗(たいそう)〟と呼ばれるナツメ。中国では古くから重宝されてきた生薬で、漢方ではパニック発作や精神疲労を抱えている際に用いられるそうです。ナツメが手に入りにくい場合にはプルーンで代用できるとのこと。
脳内で幸せホルモン〝セロトニン〟を産生するために欠かせないビタミンやミネラルが豊富に含有している上、スーパーなどで手軽に購入できるのも嬉しいところです。

※ナツメ
生薬の大棗(タイソウ)はナツメの実を乾燥させたもの。
《作用》
緊張の緩和、鎮静、滋養強壮、利尿
筋肉の急な緊張による疼痛を和らげて、神経過敏を鎮める、咳・腹痛などの痛みを抑える。
神経症、神経衰弱に応用される





そのほか、漢方では柑橘類の香りは〝気の巡りを良くする〟とされていて、心や身体のリフレッシュやリラックスに用いられるのだそう。
冬至の際に入ると良いとされている柚子湯はこういった点でも効果的なのですね。





加えて、冬は寒冷だけでなく乾燥によるトラブルも起こりやすくなる時季です。肌の乾燥だけでなく髪や爪の潤いも不足しがちになります。
そういったトラブルに対してアプローチする際にオススメなのが〝松の実〟〝黒豆〟だといいます。
松の実は漢方において生薬〝海松子(かいしょうし)〟と呼ばれ、血を補ったり活力UPに作用するものです。





また、黒豆は東洋医学における〝腎(じん)〟を補う食材として、特にこの時季に摂るのがオススメです。
身体の特徴や変調をあらわす東洋医学における〝五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)〟を参考にすると、〝冬〟〝腎〟〝黒〟は関連があり〝腎〟の不調が出てくることで老化につながることから、〝腎〟を補うために〝黒い食材〟(黒豆、黒米、黒ごま、黒きくらげ、ひじきなどの海藻類、しいたけetc.) を意識して摂るようにすると良いでしょう。





年始からしばらく経ち、生活環境の変化や寒冷などの影響で心身ともに疲労が出てくる頃かもしれません。
生活習慣の見直しや食養生で不調や疲労を癒して、残りの冬シーズンをお過ごしになってはいかがでしょうか?