老化の原因➡身体の錆び(さび)と焦げ(こげ)

◎身体の錆びとは【酸化】
酸化は体内の活性酸素が原因で起こります。呼吸によって体内に取り入れられた酸素の一部が〝活性酸素〟に変化。活性酸素が増えると身体がダメージを受けて老化につながります。
活性酸素を発生させる原因として呼吸のほか、強いストレス・紫外線・睡眠不足・大気汚染・喫煙などが挙げられます。


◎身体の焦げとは【糖化】
糖化とは血液中の余分な糖分と体内のたんぱく質とが結びついて〝AGE(最終糖化産物)〟が産生されることを指します。このAGEの蓄積が悪さをして老化を引き起こします。
そのほか、加齢によるホルモン分泌の低下や代謝の低下も老化の原因になり得ます。





《老化につながる食品》
➡糖化の原因になるAGEを多く含むもの

代表的なものとして果物や清涼飲料水などに含まれる〝果糖〟
果糖(※a)はブドウ糖(※b)に比べ多くのAGEを産生するといわれています。特に〝果糖ブドウ糖液糖(※c)〟と呼ばれる甘味料が大量に含まれる清涼飲料水・炭酸飲料・スポーツドリンク・缶コーヒー・ガムシロップ・ドレッシング・焼肉のたれなどは糖化を急速に進める恐れがあるといいます。
果物にも果糖は含まれますが、ほかにビタミン・ミネラル・食物繊維も含まれることから、目安として1日手のひら程度の量であれば毎日摂っても問題ないとのこと。
また、ソーセージやベーコンなどの加工肉・唐揚げやとんかつなどの揚げ物もAGEを多く含む食品。
糖質(※d)やたんぱく質を高温調理することでAGEが増加するといわれています。

※a 果糖
果物やはちみつなどに含まれ、甘みが強い単糖類。過剰に摂ると中性脂肪の増大や肥満を引き起こす恐れがある。

※b ブドウ糖
果物や穀類・はちみつなどに含まれる単糖類。脳の唯一のエネルギー源であり、身体のエネルギー源として重要なもの。

※c 果糖ブドウ糖液糖
穀物などを原料とする甘味料。果糖とブドウ糖を主成分とする液状糖〝糖異性化糖〟の中で果糖含有率が50%以上90%未満のものを指す。
果糖含有率が高く、様々な食品に配合されていてブドウ糖と比較して酸化リスクが高い。

※d 糖質
炭水化物から食物繊維を除いたもの。





《若々しい身体をキープするために摂っておきたいもの》
酸化や糖化を回避するためには抗酸化作用のある食材を摂るのがオススメ。
抗酸化作用のある栄養素
➡ビタミンC・E、ポリフェノール類、ミネラル類

☑ブロッコリー
抗酸化作用のあるビタミンCのほか〝スルフォラファン(※)〟というAGEの産生を低下させる働きを持った成分を含有。

※スルフォラファン
ファイトケミカル(植物に含まれる天然の化学物質の総称)の一種。ピリッとした辛味を持ち、解毒力や抗酸化力を高める作用がある。

☑サーモン
身体の錆びを除去する抗酸化成分〝アスタキサンチン〟を多く含有する。

☑ナッツ類
ビタミンEが豊富。ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、脂質の酸化を防ぐ。動脈硬化・血栓予防・血圧を下げる・悪玉コレステロール値を下げる・細胞膜を健全に保つなど加齢に伴う疾患の予防に役立つことから〝若返りビタミン〟とも呼ばれる。

☑ブルーベリー
アントシアニン(#1)やビタミンA(#2)を豊富に含み肌代謝を促進する。

#1 アントシアニン
アントシアニンの抗酸化作用により血管拡張・毛細血管保護・血液凝固抑制作用などがあり、動脈硬化や血栓が原因で起こる虚血性心疾患や脳血管障害などを予防する効果が。

#2 ビタミンA
ビタミンAの主成分であるレチノールには目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがある。





食材ですべて賄うのが難しい場合には〝サプリメント〟を活用するのも1つの方法です。
但し、運動やストレッチを取り入れたり、食生活を改善したりすることが基本になるためサプリメントはあくまでも補助的に摂るようにしましょう。
過剰に摂ることで副作用を引き起こす恐れもあるとのこと。その中でも水に溶けにくい脂溶性のサプリメントは要注意で、水溶性とは異なり尿から排出されにくく体内に蓄積しやすい特徴を持っています。
サプリメントは便利なものですが、日頃の食生活との兼ね合いもありますので適正量をチェックして上手に利用しましょう。





《糖化予防のための食事の摂り方》
若々しい身体でいるために重要なのは。。。糖化を予防すること。
糖化を予防してAGE(最終糖化産物)を産生させない食べ方・調理法があるといいます。

Ex)
⚠血糖値を急上昇させない
血糖値の関連でいうと〝糖質〟が思い浮かぶかもしれませんが、糖質の摂取制限よりもまず行えることは〝早食いをせずゆっくり食べること〟が大切。
早食いすると糖が腸から急速に吸収されて血糖値が急上昇して、その後急降下します。この状態は食後の〝血糖値スパイク〟と呼ばれ動脈硬化の原因になるといわれています。
出来る限り30分程度時間をかけて、よく噛んで摂るようにしましょう。


⚠〝茹でるか蒸すか〟でAGEを産生させない
本来AGEを産生させないようにするのであれば〝生食〟が理想だとされていますが、短時間での低温調理でもAGEは発生しにくいとされています。
もし揚げ物を食べる際には千切りキャベツなどの付け合わせで食物繊維を一緒に摂ったり、抗酸化作用のあるレモンをかけて中和させるのがオススメとのこと。
加工品であるソーセージなどを食べる場合には焼かずに茹でることでAGEの産生を若干抑えることができるかもしれません。
とはいえ、基本は炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランス良く撮ることを意識することも若々しさキープに繋がります。





今回は老化の原因やその対処法について食の観点からご紹介しました。
若々しさ・痩身について考えた時に〝糖質制限〟という言葉をよく耳にしますが、それにとらわれ過ぎて炭水化物を摂らないという極端な選択は逆効果をなりかねません。健康を害する恐れもあります。
生活していく上で大切な栄養素の1つなので、糖質過多だけは避けるようにして食事を意識していただければと思います。
これまでの食事をいま一度振り返って若々しさと心身の健康を保っていきましょう。