北海道の夜。
東京の夜 のその後。
dunhillの彼に逢うのが、三回目になる日だった。
彼が仕事で北海道に来ていたのは知っていたけど、スケジュールがいっぱいで、今回は逢わずに帰る。
時間が出来たという連絡がなかったから、そう、思ってたら。
北海道は、その彼が帰る日。
―猛吹雪の大雪になりました。
まさかの飛行機が全便欠航で、北海道に強制的に残留決定。
彼から、帰れなくなったメールをもらって、アタシは喜んでしまった。
奇跡的に、神様が逢う時間をくれた。
アタシは、その時、コドモじゃないのに、ホントに神様が仕組んだんだって、思えた。
チャンスのように、思えた。
ここで伝えなかったら、次はいつ逢えるかわからないし、いつ言うんだろうって、思った。
でも、また、あの夜のように、言えなくなってもいい、逢えるなら。
そう思いながら、いざ、逢うと・・・
やっぱり、それだけでなぜか満ち足りてしまう。
控えめに、ドアをノックする時とか、隣に座る時とか、
何をするにも、緊張する。
夜に逢ったのだけど、その日彼は、この後これから付き合いで飲みに行かなきゃいけないかも、と言っていた。
大事な付き合いだから、外せないって。
そっか、連絡が来たら、いなくなってしまうのか、って寂しくなってたら、ここでもまた奇跡が起きた。
待てど、その仕事がらみの方から、連絡は来ないし、遅い時間で、寝不足&お疲れの彼は、外出したくないなぁ、と言い出した。
疲れをほぐしてあげる、とマッサージをしていたら、彼はリラックスし始めて、何か理由を適当につぶやきながら、付き合いに参加するのを、やめることにしてしまった。
いいのかなぁ、と思いつつ、内心、また喜んでた。
少ない時間でも、一緒にいたい・・・
背中を押してあげながら、ゆっくりと、少しずつ、自分の思ってる気持ちを話し始めた。
アタシはストレートに言えなくて、遠まわしに、色々話した。
出逢えて良かったと思ってることとか、前逢った時は、こう思ってたんだよ、とか。
途中、途中、言葉を捜しながら、ゆっくりと。
このままでもいいって、やっぱりこの時も、思った。
今日告白しようなんて、ココロの準備も、想像もしてなかったけど、自分の気持ちを素直に話しはじめた。
アタシが感じる気持ちを話すと、その一つ一つに、『わかってるよ』と、うなずきながら、聞いてくれた。
『ちゃんと、わかってる』
ドキドキと痛むように高鳴る胸を感じながら、彼の顔もまともに見れなかった。
シーツの端っこを握り締めて、うまく息も出来ずに、浅い呼吸をしながら。
渇くように、うまく言葉が出てこない唇で、自分の気持ちを確かめるように。
最終的に、最後の一言は、最後の最後になったけど。
彼がベッドの上で、果てる時。
ギュッっと強く抱きしめた時に、自然と言葉が出た。
『×××が、好き。』
彼は頷くだけだった。
アタシは、
―まだ彼と出逢ってから、そんなに間もないから、お互いまだ知らないことが多いから、これからいろんなこと知りたいことと、告白したら、関係が続けられなくなるのが嫌だから言わないほうがいいのかなって思ったこと、彼も今の仕事が忙しいから、それどころじゃないだろうなって思ってるということや、今のまま返事を聞くのが怖いから、答えは聞かないでおく―
・・・ということを、何とか自分の言葉に付け足して、告白した。
一応、告白した言葉に対して、彼は、
―今、一番仕事が大事なときだから、今年一年が勝負の年だと思ってることや、そんな時期に仕事以外は・・・でも、なんとも思ってなかったら、ここには呼んでないし、いないから。迷惑だと思ってたら、俺ははっきり言うほうだ―
というような内容の返事をくれた。
だいたい、そんな言葉で、結果は見えてるような気もするけど、いい。
こうして、気持ちを伝えられたのなら。
伝えなきゃ、そこから何も始まらなければ、終わらないのだし。
前回逢ったときは、何も言えなかったアタシの背中を押したのは、重なった奇跡もあるけど、相談に乗ってくれた友達の言葉があったからだって、アタシは思ってる。
今、気持ちを伝えたことに後悔していないし、言えて良かったって、ホントに思ってる。
東京に戻った彼とは、距離があるから、どんどん見えなくなってくるけれど・・・。
頭の中で、勝手にしてしまう想像と、戦ってる。
これから、どうなってくんだろうなぁ・・・。
あれから怖くて、メールが出せずにいた。
リアルな大人の、よく在る現実。 4
アタシは友達に誘われて、久しぶりにクラブに来ていた。
音と、
光と、
たくさんの人の波に
揉まれるのは好きなのだけど、ずっとここを避けていた理由があったのに・・・。
友達はというと、お気に入りのDJ君が回してるから、と目が離せないようで、一人、ブースがよく見える辺りへ
アタシを放って行ってしまっていた。
手持ち無沙汰になったアタシは、いつになく目を輝かせている友達を横目に、適当に楽しむことにした。
お酒を片手に、音楽にノっていても、ここに来ると、思い出してしまう・・・。
一昨年別れた、元彼のことを。
少し痛み、けど甘い回想に浸るのが嫌で、アタシはいつもより、お酒のペースが速かったんだと思う。
気が付いたら、友達の姿を見失ってしまうし、
ちょっと酔っちゃったかな?
―と、壁にもたれようと、動くアタシの肩を、叩く人がいた。
片手をあげる、その人は。
懐かしい顔。
当時はブリーチで少し痛んでいた髪が、落ち着いたブラウンになっていた。
久しぶり、
と、ごく普通に声をかけて来たのは、元彼だった。
こんな人ごみの中で、アタシを簡単に見つけ出せる。
なぜか、いつも、そうだった。
そして、今日も・・・。
ニコニコと笑う彼を前に、アタシは何をどうしゃべっていたか、さっぱり覚えていない。
きっと、音楽がガンガン耳に響いてて、聞き取れてなかった、そういうことにしておく。
ただいくつか、はっきりと覚えてるのは、
アイツに彼女が出来たって事と、
言葉がよく聞こえなくて、聞き返した時に、接近した顔と顔の距離。
ドクン、と跳ねた、心臓。
それと。
ふいに香った、香水の匂い。
すぐ、気が付いた。
香水、変えたんだなァ・・・。
別れてからはしばらく、アイツの愛用していた香水の匂いは、街で誰かがつけてるのを嗅ぐと、振り返ってしまうぐらいだった。
好きだったんだけどな。
悔しいから、アイツには聞かなかった。
アタシは、まだ、覚えてたんだ。
言葉のかけら
言葉には強い力があって
ただ一言で
誰かを喜ばせたり
誰かを悲しませたりする
アタシは
正直、自分の気持ちを言葉にするのは
苦手な方だけど
だけど、言葉に力があるなら
ポジティブな言葉を発していたい
誰かを元気つけてあげられるように
そして自分自身も、強くなれるように。
ネガティブな言葉は
重ねていくとココロの中が黒く曇っていってしまうから
マイナスを吐き出して、すっきりしたら
次からは上を向いて立ち上がるように
身体が楽になったら、いっぱい歩けるよね
輝くオーラ
だって、悔しいじゃない?
好きな人に出逢って
自分が以前と、何っにも変わらなかったら。
せっかくのきっかけを、活かすも無くすも、自分だよね?
だったら、輝いていたい。
出逢えたおかげで、今の自分がいるんだって。
出逢ったから、変われたんだって
影響も受けずに、ただ単調に生きていくか、もしもマイナスになんてなってたら…
情けなくない?
周りにいる人たちには、負けたくないし
アタシはアタシなりのペースで、成長していたい
普段は見せないけど、
実は意地っ張りだし、ホントは負けず嫌いなんだよね
焦ったり、悩んだり、つまずいたり…
たくさんの弱音を吐くときもある。
アタシなんか…
アタシはこうだから…
どうせアタシは…
こうかもしれない…って
常に最悪なケースを、ダメになった場合を考えておくことで
自分自身を守ってたけど
当たり前に、負けるのは悔しいし
やっぱり、格好良いトコ見せたいじゃん!!
負けたくない。
今度逢った時は、正面向き合えるぐらい
強い自分になっていたい
アタシは逃げない。
ガンバろ!
想い思う。
好きな人を想うと
切なくなったり
苦しいから
逃げ出したくなって、
知らなければ良かったのかなとか
忘れてしまえれば・・・
出逢わなければ、
こんなに辛いこともないのにって・・・
つい、思ってしまうけど
知らなかったら、こんな風に想うことも
悩むこともナイ。
いろんな想いを感じたりすることもないって思ったら
辛いことも、モヤモヤする気持ちも
今しか感じられないコトなんだって思ったら
少しだけ好きになれる気がした。
切なさも、貴方への好きな気持ちがあるからこそ、生まれる気持ちなんだから
嫌なことだけ消してしまうのは、ズルイいいんだなって
キレイなことばかりじゃなくて
苦しいことも、悲しいことも
こうして恋してるから、今までもしていたから、
想いの分だけいろんな気持ちがあるってこと
忘れずにいよう
貴方のことを想うと
前向きな気分になれるから
アタシを動かす力になる。