さ会社勤めを辞め、在宅で週数時間仕事する暮らしに変えて3年。
そんな暮らしなら、と読書に一日中浸る姿を思い描いていました。
ところが、本を読む時間や量はそれほど増えませんでした。
平均すれば時間にして2~3時間/日、量にして80~90/日ページといったところ。
読書時間は会社勤めの頃の1.5倍に、量は2割ほど減りました。
だからといって今の読書状況に大きな不満はなく、おおむね満足しています。
強いていえば、もう少し量を増やしたいという欲がありますが、無尽蔵の欲をだしていたらきりがありません。
***◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆
想定とちがった理由のひとつは、健康維持にまつわる時間が増えたことです。
まず睡眠。好きな時刻に起きればいいので、いくらか長くなりました。そして昼食後の午睡です。あわせて1日平均7.5時間です。 食事については、食材の買い出し、朝食・昼食づくり、食事そのもの。特に朝食は準備から食後のコーヒーまで2~3時間かけています。
運動は、週2、3回の筋トレ。
いずれも、体調と気分のおもむくままで、私の最優先事項です。現状維持。
***◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆
想定ちがいのもうひとつの理由、読書そのものについて。
勤めていた時分は通勤電車のなかが主な読書の場所だったことを考えれば、
飲み物をよこにおいて、居間や自室で読む今の読書時間は、
時間が増えただけでなく環境が質的に向上しました。
だからでしょう、読書時間が増えたにもかかわらず読書量は減りました。
通勤途上の読書のときは、集中して文字を追おうとするだけで注意力は枯渇しました。
それが今は、
本の内容に「ハテ?」と止まって考えたり、
関連することを調べたり、
意味や前の記述との関係を確認するために部分的に読み返したり etc.
といった具合に、なにかにつけて止まることが増えたのです。
***◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆
こんな状態で、読書の面白さは増しました。
一旦停止したり、行きつ戻りつしたり、時に蛇行するいまの読書スタイルは、
教養や感情の土壌がやせている私にとっては、
収穫をあせるより、まず土壌づくりからといったところでしょうか。
ポッドキャストを週5時間ほど聞くようになったのも、
読書時間が増えない理由のひとつですが、
同時に読書をより面白くするための豊かな土壌づくりの一貫です。
***◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆**◆
私には、いまの自分に合った読書の速度というものがあるようです。
「タイパ」を掲げ、時間効率より時間短縮が主眼にみえる営みも、
仕事・学業・家事・育児・介護・遊び etc.とやりたいことがひしめく人たちには必要となることがあるでしょう。
幸いなことに、そうした人たちに比べたら、いまの私には時間は十分あります。
老いて衰える前に、時間をかけて自分の教養や感情に低温でも醗酵を促し、人として熟成できればと目論んでいます。
そう、いまさら、ですが。
[end]
*****************************
作家別本の紹介の目次なら
日本人著者はこちら
海外の著者はこちら
i-ちひろの本棚(読書メーター)はここをクリック
*****************************