北斎富嶽三十六景 / 日野原健司 編(岩波文庫)
2019年文庫第1刷
お気にいりレベル★★★☆☆
葛飾北斎の富嶽三十六景を、
カラーで文庫版見開き2ページと編者による解説文2ページで、46点それぞれを紹介、
そして最後に編者の解説という構成です。
「富嶽三十六景」が46点から成ることも知らずにいたので、
それだけで10コおまけしてもらったような気分です。
それでなくても、通常の岩波文庫より白さが際立つ上質な紙で、
文庫版1000円+税という文庫本での仕立ては、
私のような文化音痴をぐっと文化に近づけてくれます。
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各作品に付された解説には、
どこから見た風景か(中には特定できない作品も)、
特徴やみどころ、
文化・時代背景
北斎の狙い、
北斎の作品としての位置づけ etc.、
が簡潔に記されています。
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大波が遠くに臨む富士を飲みこみそうな大胆な構図で描かれた、
表紙にもある、あの「神奈川沖浪裏」だけ読んだところで、
本を紹介することにしました。
想像力豊かにデフォルメされた構図、
微妙な色合い、
じっくり眺めているうちに見えてくる人々と時代と富士 etc.
文庫版で小さいながらも、
目を凝らすほどに愉しみがみつかりそうです。
2ページの解説文も語りすぎず、読み手の想像力を湧かせる
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酒でもちびちびやりながら、
一点一点、時には行きつ戻りつしながら、のんびり観ていくこととしましょう。
晩酌のおともにうってつけの、春の愉しみを見つけました。
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