この前の週末、妻のサマンサと一緒に外出しっぱなしで、二人とも少々疲れ気味でした。
帰り道、車での中で夕飯の相談が始まりました。
前日の夕飯が外だったこともあり、この日は家で食べたいという点で意見は一致しました。
帰りがけに近所のスーパーで買い物をして帰ることになりました。
◆ ◆ ◆
「何食べたい?」
「さっぱりしたものがいいなぁ」
「えっ、かんたんだからステーキにしようかと思ってた」
たしかにステーキなら下ごしらえなく焼くだけなので簡単です。
しかも、うちで買う肉の厚みなら、サマンサのウェルダン気味の肉でも、さほど時間を要しません。
熟成を待って食べる訳でもありません。食べる当人が充分熟成済です。
「いいじゃんステーキなら」
「ステーキがさっぱりした夕ごはん?」
はい、私の食物群書類従ではステーキは「さっぱり」に分類されます。
◆ ◆ ◆
私の好みはサシの入っていない赤身です。
それを少々の塩とコショウで、グリルでさっと焼いたものが好き。
ランプやミスジをミディアムレアでムシャムシャ食べる感じ。
一方、サマンサは少しサシの入った柔らかなものに火を通して、しっかりしたソースで食べるのが好みです。
火を通したヒレにしっかりしたソースを絡めたものとか。
二人それぞれでステーキという言葉から連想する姿が異なります。
食事のタイプの分類に違いがあっても不思議ではありません。
「ほら、ステーキと焼き魚は仲間だから」
「あ、そうか」
サマンサも二人の好みの違いにすぐ気づきました。
◆ ◆ ◆
という訳で、夕飯は肉を焼くことに。
「じゃあ、ジャガイモを買わなくちゃ」
後片付けの負担を減らすために、私の分もサマンサの肉と同じフライパンで焼くことにしましょう。
サラダの好みも材料にしろ味付けにしろ違いが大きいので、私は自分の分を用意しましょう。
「玉ねぎと人参がない。それからチーズとビネガーが切れそう」
二人で買わなければならないものを口に出して共有します。
それぞれ一人の記憶だと頼りないですから。
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