半年前の春彼岸の頃、飼い主が行政に持ち込み殺処分寸前で保護した老猫のキキが静かに眠るように息を引き取りました。
亡くなる1ヶ月前です、好きなご飯を少しだけ食べ気ままに過ごしていました。
想い起こせば飼い主に捨てられ殺処分の為のガス室のドアの前まで行ったキキです、引き取っては見たものの心を閉ざしたまま何日もご飯を食べずに死を決意しているようにも見えました。
このままでは死んでしまう、そう思い経管栄養に切り換えました、自力でご飯を食べ表情が出るまでに3ヶ月以上も掛かりました。
一日中好きな場所で気ままに過ごしていました、ゆっくりと穏やかな時間がキキの周りを過ぎているようでした。
保護して半年が過ぎた頃から寝てばかりになりました、もう何を与えても口にしませんでした、まさに老衰状態でした。
亡くなる前日のキキです、昏々と眠り続けているのに自力でトイレには行ってました。
彼岸の朝、キキは静かに息を引き取りました、彼岸花が咲いた日でした。
キキは人を恨むことも媚びることもありませんでした、ただひたすら生きてそして死んでいきました、孤高という言葉が猫にも当てはまるのであれば、まさに孤高の猫だったと思います。
キキの魂が安らかに眠れますように、、。