新創世紀(19話)ライブラリー・library | anemone-baronのブログ

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落書き小説根底にあるもの!
私の人生は、「存在しなければ、何を言っても正しい」という数学の存在問題の定義みたいなもの。小説なんか、存在しないキャラクターが何を言っても、それはその世界での真実なのだ。

  ゼックスファミリーが神話の粘土板を作り、それを大量に持ってきてくれる。

 住民たちは最初は「おお、すげぇな!」と喜んでいたが、次第に「え、また?」という顔に。

 

ゼックスファミリーは調子に乗ってどんどん粘土板を持ってきてくれるので、倉庫がパンパンになってしまった。

 結局、倉庫が一杯になってしまい、「もう置くとこないしゃぁ!」と困り果てている。

 

これからは、新しい粘土板が来るたびに「も~かんべんせぃや!」と困り顔が見られていた。
 
それでも、グランパ・モルフ が更に追加で新たな粘土板を持ってくる。


 「皆のために、重力と運動の秘密を解き明かす物語を持ってきたぞ!」と。
 


 「ニュートンのリンゴ戦争」の神話
昔々、重力の国と加速の国がありました。「リンゴ戦争」と呼ばれる大競争を始めました。……

 「加速度の妖精フリクション」の神話
加速度の国には、フリクションといういたずら好きの妖精がいました。フリクションは物体が滑らかに動くのを邪魔する力を持っており、常に物事を遅くしようと企んでいました。……

「 ニュートンと重力の逆襲」の神話
重力が統治する世界では、すべての物体が地面に引き寄せられるのが常でした。しかし、ニュートンという若き科学者が、……
 
 住民A「あっあ~ 面白そうですねハハは……これどこに置くよ。おめんち、まだ空きがあるべ」


 住民B「え~!おれんとこ、粘土板積み上げたのベットになっとるぞ~これ以上積んだら、寝る空間がなくなるべ……」


 
 オンタは自分が夢中になって読んだ古典から抜粋した、数学と確率の神秘を解き明かす物語を書いてきた。

 「このピタゴラスの話はね、数学の美しさを教えてくれるんだ。そして、ゼロの概念は、我々の考え方そのものを変える力がある。さらに、確率の神様は、未来は予測できても意味が無いことを教えてくれるんだ」と。
 
「ピタゴラスの逆襲」の神話
昔々、数学界の守護神ピタゴラスがいました。彼は三平方の定理で知られ……
 
「ゼロのゼロス」の神話
数学の神々の中でも、ゼロを守護するゼロスがいました。ゼロスはゼロの概念が……
 
 「確率の女神フォーチュナの賭け」の神話
確率を司る女神フォーチュナは、人々が確率を甘く見ていることにいつも不満を……特に、ギャンブル……
 
 アルトとエリダも次々と話を作って持ってきてくれる。
 
「失われた公式の冒険」の神話
 
……関孝和は伝説の公式を発見した。しかし、この公式はあまりにも強力で、未来を予知できるほどだったため、「この公式は天の秘密をも漏らす危険なもの。人間界には早すぎる」……
 
「重力の織りなす恋物語」の神話
 
……ゼウスは自分の重力でアポロニアを引き寄せようとしましたが、相対性理論によると、彼女の光は重力の影響を受けにくいため、……

「黒い穴(ブラックホール)の秘密」の神話
 
昔、宇宙の果てに住む古代の賢者が、相対性理論を用いて黒い穴の謎を解明しようと試みました。賢者は、黒い穴を通じて異なる宇宙にアクセス……
 
「平方根の探求者」の神話
 
……知恵のおかげで、若者はついに「虚数」という新たな概念を発見した。これにより、負の数にも平方根が存在することが……
 
 住民A「ハハはこれまた沢山……これどこに置くよ。おめんち、空きどうだ。」


 住民C「勘弁してけろや、壁も床も粘土板だらけで家に入ると頭がグルグルしとるわ~」
 


 続くセレナも止まること無く。
  
「希望の光を紡ぐ者」の神話
エリエルという天使は、暗闇を恐れる子供たちに夢と希望を与えるために…… 

「時を超える旅人の星座」の神話
アズラエルという天使は、時間を旅することができました。彼は過去と未来を行き来し……


 フロブも「負けていられない」と酒と宴の神話を誇らしげに住民たちに披露する準備をしていた。


彼の手には、「バッカスの忘れられた醸造所」と「ティプシーと月の宴」の粘土板と酒が……。「ほら、みんな!これぞ生きる喜びだ!」とフロブは語りかけていた。


 
「バッカスの忘れられた醸造所」の神話
昔々、酔っ払いの神バッカスが、天界と地上を結ぶ秘密の醸造所を持っていま……

「ティプシーと月の宴」の神話
ティプシーは、酒を司る神々の中でも特に愉快な性格で知られていまし……
 
 住民D「酒は好きだんげど、粘土板はもういらんがな……」


 住民C「粘土板くっつけて酒樽にするか~」
 


ゾーランは馬車に粘土板を積んで姿を表した。

 

ゾーランは住民たちの前に立ち「私を忘れてはいけません」と哲学に関する様々な神話が記された粘土板を大量に持ってきて「私たちの世界観を豊かにするのは、思考の冒険だ」


 「そしてそれがどのように私たちの世界観を形成しているかについての深い洞察が含まれているのです。」など……
 
「ソクラテスの迷子探し」の神話
……アテナイの市場で、「知っていることは何も知らない」と言い続けるうちに、彼は自分が何を探していたのかさえ忘れてしまい……

「プラトンの理想国家ビルダーズ」の神話
……彼は哲学者王を探しに行きましたが、全員が「哲学の授業が忙しい」と言って断られてしまいます……

「ソクラテスとプラトンの哲学対決」の神話
ある日、ソクラテスとプラトンは「真の知識とは何か」について議論し……

「デカルトの思考停止マシーン」の神話
デカルトは、人々が自分の存在を疑うことの重要性を理解してもらうために、"思考停止マシーン"を発明しまし……

「ウィトゲンシュタインの言語迷宮」の神話
ウィトゲンシュタインは、言語の限界について考えるあまり、文字通りの迷宮に迷い込んでしまいました……
 
「ウィトゲンシュタインの哲学的ゲームショー」の神話
……私たちが使う言葉はゲームのようなもの。ルールに従って使うけれど、その意味は私たちが共有する遊びの中でしか成立しないのだ……

 住民D「な~ぁこれ読んだら、砕いて溶かして家の補強に使うか~」


 住民C「こっそり~粘土掘ったどごにぃ~戻すんのは~どうだぁ~」……
  ︙ 
 ゼックスファミリーが熱心に持ち込んだ多くの神話粘土板は、その熱意に反して、地域Dの住民たちにとっては次第に重荷となっていった。

 神話の数が増えるにつれて、それぞれに関心を持つ時間や空間が住民たちには足りなく、供給が需要を大幅に上回ってしまう例となり、

 

親切心から始めた行為が予期せぬ形で住民たちに負担をもたらす結果となった。
 
 新しい神話が次々と追加されることで、彼らが本当に関心を持つ内容に深く没入する機会が減ってしまうことを何とかしようと、

 

ゼックスは地域Dの住民たちと、「ねんどばん館」(図書館)を立ち上げた!

 でも、これがただの倉庫じゃない。せっかく作るのだから、粘土板に文字を書くための道具も完備されていて、まるで古代のスクライブのアトリエのようだ。
 
 そこで、ゼックスは「ねんどばん館」の管理体制を整えるため、地域Dの住民たちと協議を重ね、選出方法や雇用条件、雇用期間などのシステムを決定した。
 
 その結果、文字のテストや司書の試験など、館の運営に必要な様々なテストを実施することが予定された。
 
 ゼックスは「ねんどばん館」の前に住民たちを集めて、募集要項や雇用内容を記述した粘土板を持ってきた。それを、住民たちは一斉にそれを見つめた。

「ん~だ、これは?」という声が聞こえて、住民の一人が粘土板の内容を読み上げると場の空気が一変した。

 「えぇ、60日間ばけぇ雇うとるげてぇ、まじじゃらのけ!」
 
 「15日分の有給もあっげと聞いたげな、信じらまっか?」という声がも、そして「生活に必要げもんは、みんげでげ出し合うっちゅーげな。これじゃ大変じゃっけげな」という声も。
 
 内容を要約すると「合格すれば、60日間雇用、後15日有給で、その間の生活必需品とその家の農作業や狩猟任務は、他住民たち全員で負担する。テストは30日に一回行う……」等など。
 
 「その間は、農作業や狩猟に行かなくてもええんだな~」
 
 「あんな、60日も働いたらんけ、15日の休みっちゅうても、わしらの日常かえってきっちゃうで。農作業や狩りも手抜きできんで。」
 
 「たしかに、その間には休耕地増えそうだな~、15日の休みもろてるってのは魅力的だべ。うーん、うだどもその時間で何すっか~。」
 

 「っんだな。もし今度うまくいかなくても、30日後にまたチャレンジでけるってのは、すっぱい(失敗)を恐れずに挑戦できるってことだぁ。」

 「15日の休暇があれば、前から気になってた嫁探しの旅にでるべさ。このせいだ、村の外の女も視野に入れてみるかのう。」
 
 「あ~んだな~、ついでにぃ~。おらの逃げたかーちゃんも探してけろやっ」
 
 「あん?おめんとこの嫁っ子、他に男作って出ていったんだんべ。諦めろや。」
 
 「おっと、その前に、どっかに行っちまったうちのばあちゃんを探しに行かにゃならん。最後に見たのは、炭焼き場のあの大きな木の下だったかのう?」
 
などなど……好き勝手に話していた。
 
 このように、住民たちはそれぞれの思いや計画を語り合い、新たな始まりに胸を躍らせていた。
 慣れない文字学習には戸惑いもあるが、その中には新しい可能性や楽しみを見出そうとする前向きな気持ちが溢れてるようだ。
 
 ねんど館では、住民たちが新たに学んだ文字を使って自分たちの神話や日記を書き留めるのに夢中になった。

 もちろん、最初は「あれ、こん字どげぇん書くげとっけ?」とか「あらぁ、また文じぃを間違げちゃうたないの!」といった失敗も多発。

 ある日は「今日、ヤギが逃げ出しちゃって大騒ぎだった話」を粘土板に刻むおばあちゃんがいたり、別の日には「空に見える雲の形を粘土板に記録してみた」(これは文字じゃないです!)なんて若者がいたり。

男達は発酵酒や蒸留酒の作り方を記録したり、特に子どもたちは、新しい遊び場を見つけたかのように、ねんど館に集まり、自分たちで話を作り出すワークショップに興じている。

 そこでは、「羽の生えたカエルの神様」や、「いたずら好きの風の精霊」の話が生まれ、そのたびに笑いの渦が巻き起こる。
 
 でもね、管理人さんは、毎日が大忙し。

 

「皆しゃん、粘土板は丁寧に扱ってくんろ。あと、話の内容があん「まりに奇想天外すぎっと、後世の人が混乱しっちゃうかもしれんよ」

 

と優しく注意しながらも、住民たちの創造力の花が咲くのを楽しんでいた。

 こうして、地域Dには新たなコミュニティスペースが誕生し、人類初の公共施設と共有負担の仕組みが始り、共有の責任と楽しみを分かち合う文化が根付き始めた。
 
 ゼックスファミリーがもたらした粘土板の神話は、住民たちの手によってさらに色鮮やかな物語へと育っていき、「ねんど館」はただの建物ではなく、共同体を一つにする絆となり、未来へと続く大切な遺産となり得るのでした~。(ほんとかよ!)