「至聖所」まで行き着くと、混雑していたので、先に周りの見学になりました。
「至聖所」の周りを取り囲むように、細い通路があるんですが、その壁のレリーフが、これがまた、見事なんですよ。
この通路の両サイドの壁には上から下まで、びっしりレリーフが。
人物のレリーフは削られちゃったりしてますけど、それでもキレイ!
ぐるっと1周回って、元の場所に戻ると、「至聖所」の中が見えました。
ここに置かれているのが、「レバノン杉」でできた船型の神輿(復元されたモノ)。
そう、これがツルッツルの神官たちがかついでいた神輿ですよ。
神輿の奥にあるのは、灰色花崗岩製の祠です。
そして、今まで見ていた所のさらに外側に、回廊のようにぐるっと通路があります。
これらの通路も、右も左もみんなレリーフ、レリーフ、レリーフ。
上から下まで、ずーっとレリーフ。見渡す限り、ずーっとレリーフ、なんです。
しかも、内部に比べると、とてもキレイに残っているんですよ。
一部だけ、切り取るように写真を撮って、額に入れて飾ってもいいかも。
西側にある通路には、こんなレリーフがあります。
船に乗った「ホルス」ちゃんが、下に描かれた動物にモリを突き刺すレリーフ。
この下に描かれた動物は、アフリカ最強の草食動物「カバ」。
実は、この「カバ」というのは、「セト神」という、「混乱、災厄の神」。
どうして、こういういきさつになったのかは、話すとちょっと長いんですが、これから、古代エジプトの神話をちょっとだけ、ご紹介。
今までによく出てきた、夫婦である「オシリス神」と「イシス神」。
実際には、兄妹でもあるわけです。古代エジプトでは、近親婚が多かったですし。
そして、この2人は、他に兄弟がいるんです。
それが、「セト神」という弟。つまりは、この「カバ」ってことですね。
長男である「オシリス神」は、当然のようにエジプトの王となって、人気者に。
それが気に入らない弟の「セト神」は、「オシリス神」を殺してバラバラに!
それを知った妻である「イシス神」は、バラバラになった「オシリス神」を見つけに行くわけです。
そして、苦労の末、見つけたバラバラの「オシリス神」をつなぎ合わせるんですよ。
その時に、包帯でグルグル巻きにしたことから、ミイラ作りが始まったんですね~。
このミイラ作りを担当したのが、「アヌビス神」。そう、ジャッカル頭の、ね。
その後、ミイラとなった「オシリス神」を、「イシス神」が魔法で復活させるんです。
この辺りが、まさに、いいかげんな神話作りなんですが・・・。
で、その復活した「オシリス神」と「イシス神」の間に生まれたのが「ホルス」ちゃん。
ところが、「オシリス神」はつなぎ合わされた体じゃ、やっていけない、とあっさり、死者の世界に行ってしまうんです。
なので、「オシリス神」は「冥界の神」ってことに。
ミイラが、「オシリス神」のポーズなのも、こういうことなんですね~。
そして、成人した「ホルス」ちゃんは王の座を、叔父である「セト神」と争うわけ。
そこで、「セト神」がなぜか、お互い「カバ」に変身して、どちらが長く水に潜っていられるか勝負しよう、と言い出すんですよ。
で、お互い「カバ」になって、潜水競争みたいなことをするわけですが、本来の話だと、ここでは勝負がつかないんです。
その後も、いろんな争いをして、結局、80年後に「ホルス」ちゃんが王の座に・・・、というのが大体の流れ。
この「ホルス神殿」にあるレリーフは、ちょっと解釈が違うようで、「カバ」になるのは「セト神」だけ。
それを、船の上から「ホルス」ちゃんが、モリでやっつける、という構図なんです。
この「カバ」レリーフは、たくさんバージョンがあるんですよ。
これらの「カバ」は、割と小さいレリーフですが、大きいタイプもいます。
争いの途中で、「ホルス」ちゃんは「セト神」に目をくり抜かれたりもします。
それを治してあげるのが、愛と美の女神「ハトホル」ちゃん。
くり抜かれた目、というのは、「ウジャトの目」という、古代エジプトのお守りに。
「安全と保護の象徴」で、「悪」を退けるそうですが、「悪」ってのはやっぱり「セト神」かしら?










