説明のさなか、ピラミッドの入口と思われる場所を見ていると、次々と中に観光客が飲み込まれていきます。
右下にある黒い部分が現在の入口、その斜め上にあるのが本来の入口です。
内部へは、添乗員さんもゴマちゃんも入場することがなく、あくまで個人行動。
指定された集合時間までに、中に入って出てくる、という流れらしい。
残念なのが、外はいくらでも撮れるのに、内部はカメラの持ち込み自体が禁止。
よって、添乗員さん持参の大きなビニール袋にみんなのカメラが集められました。
そして、どうぞ、行ってらっしゃい!の掛け声とともに、配られた入場チケットを手にピラミッドの入口に向かいました。
みんなの後をついて行くと、ちゃんと入口までに通路ができていました。
ただ、手すりとかがあるわけではないので、ある程度、高くなるとちょっと怖い。
入口でチケットを切るおっさんがタバコを片手に座っていて、ちょっとダラけた感じがエジプトらしい。
入口を入ってすぐは平らで、ちょっと歩くと左手に本来の入口とつながる穴がありました。
そのすぐ先に、数段の石段があって、それがけっこう急階段。
上り切ると、腰をかがめないと入り込めない口が開いていて、そこから地獄の斜め上昇通路が始まるんです。
この上昇通路の高さは約1m。横幅も約1m。どんだけ狭いか、わかるでしょ?
しかも、傾斜角度が相当キツくて、上まで一直線に続く閉塞感たっぷりの通路。
足元は板を張った上に、滑り止めの横棒板が渡されただけの簡単仕様。
両サイドには、鉄錆の浮いた鉄の手すりがあるだけ。
照明は所々にしかなく、足元が真っ暗で全然見えない場所も。
こんな時に効果を発揮したのが、エジプト旅行の必携、懐中電灯。
かばんにつけてあったLEDライトで、足元を照らしながらの上昇です。
さらに恐ろしいのは、狭い狭い通路なのに、下から上がる人だけじゃなく、上から見終えた人が下りてくるんですよ。
ちょっと大柄な人が上から来たら、止まって除けないと通れないぐらい狭い。
まだ、上から下りてくるかな~、と上を見上げながら上ると、天井で頭を強打。
所々、でっぱりが出たりしているので、足元しか見てはいけないんです。
途中で行き違った人なんか、下りる時の方が頭を打つ、というので後ろ向きで下りてきてましたよ。
いや、それの方が辛いんじゃ・・・。
そして、ゴマちゃんの言う通り、湿気があって、ものすごく蒸し暑い。
まぁ、換気装置がついているわけもないので、空気が澱んでいるんですね。
そんな、いつまで続くんだ?というような、恐ろしくも長い通路をひたすらヒーヒー言いながら、上っていきました。
上りながら、そうだ!マイ・マザーは平気なのか?と振り返ると、後から来る人が大渋滞になるほど、ノソノソと上っていました。
これはまずい!と思いながらも、途中で引き返すわけにもいかず、「あと、少しだよ~」とちょっとウソをついて、元気づけて何とか上らせました。
それにしても、幾分若い私でも、この上昇通路は恐ろしく長かったし、辛かった。
こんななら、トルコの「カイマクル地下都市」の方が楽だったよ、と後でマイ・マザーに言ったぐらい。
ものすごい閉塞感のある上昇通路を抜けると、そこに現れるのが「大回廊」。
誰が、「大回廊」とつけたのかは知りませんが、まさにその名にピッタリの場所。
天井がものすごく高く(高さは8.7m)、上にいくに従ってすぼまっていくような造りの横壁。
ピラミッドを造る時に、一体どうやって中にこんなモノを造れたんだろう?と、当時のエジプト人のスゴさにただただ感心。
感心するのもつかの間、ここだけは上りと下りで通路が違うんです。
上りは左側、下りは右側の数段高くなった通路を通るようになっていました。
その数段高くなる通路に上がるのが、これがまた!コの字に曲げた鉄の棒が3段ぐらい、石に打ち込まれているだけ。
私は平気だけど、これをマイ・マザーが上がるのか?
でも、せっかくここまで来たんだ、無理だ、とは言わせねー、とばかり、マイ・マザーのでかい尻を押し上げて、何とか上らせました。
数メートル先で再び通路が合流して、緩やかな板張りを上っていくと、その先にまたしても垂直な段差(約90cm)が!
しかも、そこにはまた6段ぐらいの鉄の棒ハシゴが!
今度こそ、断念か?と思っていたら、この日のマイ・マザー、やる気マンマン。
周りのみんなの「あと少しだよ!」の声援もあって、何とか登頂成功。
上り切ると、また!腰をかがめないと通れない通路が(ここは高さ1.1m)。
この通路の辺りは「控えの間」といわれていて、侵入者を防ぐための石落とし装置があったと思われている場所。
よ~く見ると、確かに、通路の合間に溝がついていたりするんですよ。
そして、ついに高さ1.1mの通路をくぐり抜けると、そこに現れるのが「王の間」。
このピラミッドの終着地点です。
今までが狭い通路ばかりだったので、そんなに広くもないけれど、ちょっと解放感のあるお部屋。
そこにあるのは、フタもない、一部のかけた石棺がただ1つ。それだけ。
ゴマちゃんの話では、この石棺は入口より大きいので、ピラミッドを造っている過程で、上からこの部屋に入れられたんだとか。
部屋の両サイドには小さな穴が開いていて、共に外までつながっているらしい。
「換気口」じゃないか、ともいわれているそうですが、全然換気できてないっすよ?
そんな穴に、みんな、懐中電灯を当てて、中を覗き込んでましたけど・・・。
「王の間」の上には、「重量軽減の間」という、王の間にかかる重圧を軽減させるために造られたと思われる五層の空間があるそう。
その一番上の空間に、「クフ」という名前があったことから、このピラミッドは「クフ王」のピラミッドだ、ということになったんですね~。
この「王の間」でも、湿気による蒸し暑さは変わらず、そんなに長居をする気にもなれず、元来た道を戻っていくことに。
しか~し、上りよりもキツいのが、下りなんですね~。
鉄棒階段を前向きに下りるの、メチャ怖いし。板張り床が、メチャ滑るし。
上りでは余裕がなかったので気づかなかったんですけど、大回廊の2手に分かれている場所には、まっすぐに延びる通路がありました。
ちょっと入りこんでみると、すぐ先に金網があって先に進むことはできませんでしたけど、その先に「女王の間」ってのがあるそうです。
塞がっているってことは、今は見られないんですね。
そして、再びの斜め(今度は)下降通路をひたすら、黙々と下り、やっと外に出られた時には、汗ビッショリ・・・。
悲しいことに、もうすでに足がガクガク。こんなで、旅を続けられるんだろうか?
