シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その502〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回は、ホツマツタヱ17アヤの解説、そのPart4をやります。

まず、すこしだけ図解しましょう。


あらかじめ、アナリズグラマチカル(旧来の文法解析)をしておかなければベクトルを求めることもできません。
私は、けっして、旧来の方法が間違いだと言っているのではなく、不備があると言っているだけなのです。


さて、では本文にかかりましょう

●一行訳7

17-31 わたかまる ヒともたきゞに ワタカマル ヒトモタキギニ 【ワタカ、蟠・マ(自発)ル(分詞素)、問題を起こす(のです)】。【ヒ〔人〕ト・モ(例)・タキ、焚・ギ、木・ニ(造格)、人も薪のように】、
17-31 きることく おしまでしむの キルコトク オシマデシムノ 【キ、切・ル(分詞素)コト、如・ク(分詞素)、切ってしまうように】、【オシ、惜・マ(分詞素)・デ(逆接)・シ、染・ム(分詞素)・ノ(生格)、惜しまなければ・一族の】、
17-32 ゐたみかな こおひたすのり ヰタミカナ コオヒタスノリ 【ヰタ、痛・ミ(分詞素)・カナ(詠嘆)、損失でしょう】。【コ、子・オ(対格)・ヒ、肥・タ、足・ス(分詞素)・ノリ、則、子を育てる基本は】、
17-32 くせまつお ひきうゑあらこ クセマツオ ヒキウヱアラコ 【クセ、曲・マツ、松・オ(対格)、曲がった松を】、【ヒ、引・キ(分詞素)・ウ、植・ヱ(分詞素)・アラ、新・コ、処、新たな状態で】、
17-32 つちかえバ なおきとなるぞ ツチカエバ ナオキトナルゾ 【ツチ、土・カ、替・エ(分詞素)・バ(逆接)、新しい土壌で養育するなら】、【ナオ、直・キ、木・ト(造格)・ナ、成・ル(分詞素)・ゾ(強調)、真っ直ぐな木になります】。
17-32 をやこゝろ こまこまあつき ヲヤココロ コマコマアツキ 【オヤ、親・ココロ、心、親心とは】、【コマ、細・コマ、細・アツ、篤・キ(分詞素)、細々とした篤い】、
17-33 トのヲしゑ こハをさのねぞ トノヲシヱ コハヲサのネゾ 【ト〔整〕・ノ(生格)・ヲ〔尊〕シ、教・ヱ(分詞素)、成長の為の教えなのです】。【コ、子・ハ(属格)・ヲ〔敬〕サ、長・ノ(生格)・ネ、根・ゾ(強調)、子は長の根なのです】。
17-33 おさなごに あらこヲしゑて オサナゴニ アラコヲシヱテ 【オサ、長・ナ、無・ゴ、子・ニ(造格)、(長じた所の無い)未熟な子に】、【アラ、粗・コ、処・ヲシ、教・ヱ(分詞素)・テ(態)、粗ましを教えて】、
17-33 つちかえハ なおきをさとぞ ツチカエハ ナオキヲサトゾ 【ツチカ、培・エ(分詞素)・ハ(順接)、培うなら】、【ナオ、直・キ(分詞素)、ヲ〔敬〕サ、長・ト(態)・ゾ(強調)、真っ直ぐな長と】、
17-33 なるこゝろ めくみおしらバ ナルココロ メクミオシラバ 【ナ、成・ル(分詞素)・ココロ、成る真意の】、【メク、恵・ミ(分詞素)オ(対格)・シ、知・ラ(分詞素)バ(逆接)、恵みを知ったなら】、
17-34 こだからの むねうつばりと コダカラノ ムネウツバリト 【コ、子・ダカラ、宝・ノ(生格)、子宝の】【ムネ、棟・ウ、央・ツ(生格)バリ、梁・ト(造格)、棟と内梁に】、
17-34 なるごとく ヒとのすまゐの ナルゴトク ヒトノスマヰノ 【ナ、成・ル(分詞素)・ゴト、如・ク(態)、(構造的に)なるように】、【ヒ(仁)ト、人・ノ(生格)ス、住・マ(分詞)ヰ、居・ノ(生格)、貴人の住まいの】、
17-34 うえにあり あらだけこゝろ ウエニアリ アラダケココロ 【ウエ、上・ニ(前置格)・ア、在・リ(分詞素)、上にかぶさり】、【ア、在・ラ(分詞素)・ダケ(限定)・ココロ、心、ありったけの(恵みを持って)・心を】、
17-34 こにもとめ きゝすぎねぢけ コニモトメ キキスギネヂケ 【コ、子・ニ(与格)・モト、求・メ(分詞素)、子に求めます】。【キ、効・キ(分詞素)・ス、過・ギ(分詞素)・ネ、捻・ヂ(分詞素)・ケ(態)、(しかし)効きすぎて捻じれて】、
17-35 よこしまの はたれとなるぞ ヨコシマノ ハタレトナルゾ 【ヨコ、邪・シマ、道・ノ(生格)、邪道となり】、【ハ、破・タ、綻・レ(分詞素)・ト(造格)・ナ、成・ル(分詞素)・ゾ(強調)、反逆者となるのです】。
17-35 ますヒとら おさなのときハ マスヒトラ オサナノトキハ 【マ、坐・ス(分詞素)・ヒ〔仁〕ト、人・ラ、等、貴族達よ】、【オサ、幼・ナ(分詞素)・ノ(生格)・トキ、時・ハ(属格)、幼い時は】、
17-35 ねちけのめ はやあらためよ ネチケノメ ハヤアラタメヨ 【ネ、捻・チ(分詞素)・ケ(様)・ノ(生格)・メ、芽、捻じれの芽は】、【ハヤ、早・アラタ、改・メ(分詞素)・ヨ(当然)、早く改めるべきです】。
17-35 すてにまえ のりおあやまる ステニマエ ノリオアヤマル 【ステ、既・ニ(前置格)・マエ、前、既に以前】、【ノリ、矩・オ(対格)・アヤ、誤・マ(分詞素)・ル(完了)、基本を誤った】、
17-36 ますヒとの ほめすぎねぢけ マスヒトノ ホメスギネヂケ 【マ、坐・ス(分詞素)・ヒ〔仁〕ト、人・ノ(生格)、マスヒトが】、【ホメ、褒・ス、過・ギ(分詞素)・ネ、捻・ヂ(分詞素)・ケ(態)、褒めすぎた捻じれによって】
17-36 よこしまが たておもぢけて ヨコシマガ タテオモヂケテ 【ヨコ、邪・シマ、島・ガ(主格)、邪道に走った一族が】、【タ、建・テ(分詞素)・オ(対格)・モ、捩・ヂ(分詞素)・ケ(態)・テ(造格)、御家の建付けを傾けるところでした】。
17-36 とこやみの なんだやわして トコヤミノ ナンダヤワシテ 【トコ、常・ヤミ、闇・ノ(生格)、(尽きることの無い)常闇の(枕)】【ナンダ、涙・ヤワ、和・シ(分詞素)・テ(態)、(無念の)涙を和して】、
17-36 やゝしづむ これもみくさの ヤヤシヅム コレモミクサノ 【ヤヤ、稍・シ静、ヅ(自発)・ム(分詞素)、やっと治まったのです】。【コ、此・レ(分詞素)・モ(例示)ミ(寧)・クサ、種・ノ(生格)、これも御・種々の】、


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●連続訳7
人も薪のように、切ってしまうように、惜しまなければ、一族の、損失でしょう。
子を育てる基本は、曲がった松を、植え替え、新たな状態で、新しい土壌で養育するなら、真っ直ぐな木になります。
親心とは、細々とした篤い、成長の為の教えなのです。
子は長の根なのです。
長じた所の無い未熟な子に、粗ましを教えて、培うなら、真っ直ぐな長と、成る真意の、恵みを知ったなら、子宝の、棟と内梁に、構造的になるように、貴人の住まいの、上にかぶさり、ありったけの恵みを持って心を、子に求めます。
しかし効きすぎて捻じれて、邪道となり、反逆者となるのです。
貴族達よ、幼い時は、捻じれの芽は、早く改めるべきです。
既に以前、基本を誤った、マスヒトが、褒めすぎた捻じれによって邪道に走った一族が、御家の建付けを傾けるところでした。
尽きることの無い常闇の(枕)無念の涙を和して、やっと治まったのです。

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●解説7

ここで、「タテオモヂケテ」を「建付けを傾ける」と訳しましたが、以前は舘(たち)と考えていたところです。
丁度、安芸高田市議会で、山本数博議員が「たてり」という言葉を使ったときに、私は理解できませんでしたが、その場の(石丸市長を含め)全員が理解していたようでした。
これは「建てり」だったのですね。
つまり、「制度の建付け」という意味の古語が、「建てり」として広島地方に残っていたのだと気がついたのです。



●一行訳8

17-36 やゝしづむ これもみくさの ヤヤシヅム コレモミクサノ 【ヤヤ、稍・シ、静・ヅ(自発)・ム(分詞素)、やっと治まったのです】。【コ、此・レ(分詞素)・モ(例示)ミ(寧)・クサ、種・ノ(生格)、これも御・種々の】、
17-37 うつわのり あらでいかんぞ ウツワノリ アラデイカンゾ 【ウツワ、器・ノ、宣・リ(分詞素)、貴重なな指導の言葉が】、【ア、在・ラ(分詞素)・デ(逆接)・イ、如・カン、何・ゾ(強調)、無かったらどうして】、
17-37 ゑざらんや かねておもえバ ヱザランヤ カネテオモエバ 【ヱ、得・ザ(否定)・ラ(分詞素)・ン(可能)・ヤ(反語推量)、得ることができたろうか】。【カ、兼・ネ(分詞素)・テ(造格)・オモ、思・エ(分詞素)・バ(逆接)、これまでを考えると】、
17-37 たすかがみ あおヒとくさも タスカガミ アオヒトクサモ 【タ、治・ス(分詞素)・カガ、鑑・ミ(分詞素)、治めるという考え方は】、【アオ、大・ヒ〔仁〕ト、人・クサ、種・モ(例示)、多種に渡る配下も】、
17-37 すくとなる ヒとにおけらハ スクトナル ヒトニオケラハ 【スク、直・ト(造格)・ナ、成・ル(分詞素)、真直になります】、【ヒ〔人〕ト・ニ・オケ、置・ラ、等・ハ、貴人も下働きも】、
17-38 かきりなし ながくつちかふ カキリナシ ナガクツチカフ 【カキリ、限・ナシ、無、垣根は無いのです】。【(これは)ナガク、永・ツチカフ、培、永遠に育てて行く】
17-38 ヲしゑなすべき ヲシヱナスベキ 【ヲ〔尊〕シ、教・ヱ(分詞素)・ナ、為・ス(分詞素)・ベキ(当然)、教えを為すべきなのです】。
17-38 をやこゝろ とけぬミほつめ ヲヤココロ トケヌミホツメ 【オヤ、親・ココロ、心、親心(でも)】、【ト、解・ケ(可能)・ヌ(否定)・ミ〔三〕ホ、穂・ツ(生格)・メ、女、解けない三人の娘達(タケコ・タキコ・タナコの故事)】、
17-38 こもりたら そのこにもとむ コモリタラ ソノコニモトム 【コ、子・モ、守・リ(分詞素)・タ、手・ラ、等、子守衆が】、【ソ、其・ノ(生格)、コ、子・ニ(与格)・モト、求・ム(分詞素)、その子に求める】、
17-39 あらたけの こゝろもがなと アラタケノ ココロモガナト 【ア、在・ラ(分詞素)・タケ、丈・ノ(生格)、ありったけの】、【ココロ、心・モ・ガナ、欲・ト(態)、心も欲しいと】、
17-39 こひけれバ かみのみつげに コヒケレバ カミノミツゲニ 【コ、請・ヒ(分詞素)・ケ、着・レ(仮定)・バ(逆接)、願ったならば】、【カミ、上・ノ(生格)ミ(寧)・ツ、告・ゲ(分詞素)・ニ(造格)、御上の御言葉に】、
17-39 あらだけハ かぜはけしくて アラダケハ カゼハケシクテ 【アラ、荒・ダケ、岳・ハ(属格)、荒岳は】、【カゼ、風・ハケ、激・シ(分詞素)・ク(態)・テ(造格)、風が激しいので】、
17-39 にわかぶり まつふしこぶと ニワカブリ マツフシコブト 【ニワ、俄・カ(分詞素)・ブ、振・リ(分詞素)、俄に(身を)振り】、【マ、待・ツ(分詞素)・フ、伏・シ(分詞素)・コ、媚・ブ(分詞素)・ト(態)、(松、節、瘤を掛けた)忍従の態度で】、
17-40 わだかまり チよおふるとも ワダカマリ チヨオフルトモ 【ワダカマ、蟠・リ(分詞素)、(解決できない)障害を与え】、【チ〔千〕ヨ、代・オ、帯・フ(分詞素)・ル(仮定)、ト(造格)モ(例示)、どれだけ耐えて背負っても】、
17-40 ましならず をやのこゝろも マシナラズ ヲヤノココロモ 【マ、増・シ(分詞素)・ナ、也・ラ(分詞素)・ズ(否定)、より良くはなりません】。【ヲ〔敬〕ヤ、親・ノ(生格)・ココロ、心・モ(例示)、親の立場でも】、
17-40 としはげし あえしのばずて トシハゲシ アエシノバズテ 【ト、速・シ(分詞素)・ハゲ、激・シ(分詞素)、(俄には)対応できないでしょう】、【ア、敢、エ(分詞素)・シノ、忍・バ(分詞素)・ズ(否定)・テ(造格)、能く忍ぶこともできなけ・れば】、
17-40 にハかかぜ おろかにくらく ニハカカゼ オロカニクラク 【ニワ、俄・カ(分詞素)・カゼ、風、突風のようなものです】。【オロ、愚・カ(分詞素)・ニ(造格)・クラ、暗・ク、知恵が無く覚えが悪く】、
17-41 にぶきこハ そのあらかぜに ニブキコハ ソノアラカゼニ 【ニブ、鈍・キ、聞・コ(分詞素)・ハ(属格)、聞き分けの無い者は】【ソ、其・ノ(生格)・アラ、荒・カゼ、風・ニ(造格)、その逆風に】、
17-41 ふきうたれ いたみしのへバ フキウタレ イタミシノヘバ 【フ、吹・キ(分詞素)・ウ・打・タ(受動)・レ(分詞素)、翻弄されて】、【イタ、痛・ミ(分詞素)・シノ、忍・ベ(条件)、忍・バ(仮定)、痛みに耐えているなら】、
17-41 なおからず むちおのがるゝ ナオカラズ ムチオノガルル 【ナオ、直・カ(可能)・ラ(分詞素)・ズ(否定)、素直では無くなります】。【ムチ、鞭・オ(対格)・ノ、逃・ガ(可能)ル(仮定)・ル(態)、罰を恐れて】、


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●連続訳8
これも御種々の、貴重な指導の言葉が無かったら、どうして得ることができたでしょうか。
これまでを考えると、治めるという考え方は、多種に渡る配下も、真直になります、貴人も下働きも、垣根は無いのです。
永遠に育てて行く教えを為すべきなのです。
親心でも解けぬ、三人の娘達(タケコ・タキコ・タナコの故事)、子守衆が、その子に求める、ありったけの心も欲しいと、願ったならば、御上の御言葉に、荒岳は、風が激しいので、俄に身を振り、(松、節、瘤を掛けた)忍従の態度で、解決できない障害を与え、どれだけ耐えて背負っても、より良くはなりません。
親の立場でも、俄には対応できないでしょう、能く忍ぶこともできなければ、突風のようなものです。
暗愚で、知恵が無く覚えが悪く、聞き分けの無い者は、その逆風に、翻弄されて、痛みに耐えているなら、素直では無くなります。

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●解説8

ここは、「ウツワノリ」だけでも、非常に大きな褒め言葉なのですが、さらに、二重否定に反語推量という高度な表現になっていますので、充分に鑑賞していただきたいと思います。
つまり、キミやヲシエドは存在だけで尊敬されるように生きる責任があるということなのです。
ペスタロッチも裸足で逃げ出すような努力が要求されているのです。
現代の、学校に甘えた教員は、自己批判しなくてはなりません。

もっと図解しようと思っていたのですが、プー様がVietや北と軍事同盟をするといっていたので、期待でワクワクテカテカして、手につきません。
やはり世界は平和に向かっているのでしょうか、ね。
できればアメリカだけでも石器時代にして欲しいところですが。



さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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