シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その292〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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世界は、間もなく大団円を迎えるようにみえますが、まだアメリカがウクライナとNATOを使って抵抗を続けているようで、安心はできません。
先に日本を片付けないとダメかもしれません。

今回はホツマツタヱ24アヤの解説Part11をやりましょう。(今回で終わりです)

まずは本文へ。

●一行訳21

24-109 すがたヒめ きみにもふさく スガタヒメ キミニモフサク 【スガ、菅・タ、田・ヒ〔人〕メ、姫、スガタヒメは】、 【キミ、君・ニ・モフサ、申・ク(詳細)】、
24-109 これわろし むかしくしヒこ コレワロシ ムカシクシヒコ 【コレ、此・ワロ、悪・シ(断定)、これは良くありません】。【ムカシ、昔・クシ、櫛・ヒ〔人〕コ、彦、以前クシヒコが】、
24-109 いさめしお あざけるけがれ イサメシオ アザケルケガレ 【イサメ、諌・シ(完了)・オ(逆接)お諌めしたのに】、【アザケル、嘲・ケガレ、穢、恥知らずにも】、
24-109 みそぎなす これおすつれハ ミソギナス コレオスツレハ 【ミ、身・ソギ、添・ナス、為、身添をしたのです】、【コレ、此・オ・スツ、捨・レ(結果)・ハ、これを放置して】、
24-110 またけがれ なにかみありと マタケガレ ナニカミアリト 【マタ、再・ケガレ、穢、さらに為すとは】、【ナニ、何・カミ、上・アリ、在・ト(詰問)、いったいどういう理由なのでしょうか】?
24-110 いさむれハ かぐやまをきみ イサムレハ カグヤマヲキミ 【イサム、諌・レ(結果)ハ(逆接)】、【カ、夏・グ、具・ヤ、家・マ、間・ヲ〔敬〕キミ、君、(夏の末裔の僕である)カグヤマヲキミは】、
24-110 これきかず おうなのまつり コレキカズ オウナノマツリ 【コレ、此・キカ、聞・ズ(否定)、これを聞かず】、【オウナ、媼・ノ・マツリ、奉、女の仕事である】、
24-110 いつこある なんちハこのタ イツコアル ナンチハコノタ 【イ、何・ツ、時・コ、子・ア、有・ル(詰問)】、【ナンチ、汝・ハ・コ、子・ノ・タ〔田〕汝は子を生む田ではなかったのか】、
24-111 こハおえず つまにならぬと コハオエズ ツマニナラヌト 【コ、子・ハ・オ、生・エ、得・ズ(否定)、子は産むこともできずに】、【ツマ、妻・ニ・ナラ、成・ヌ(否定)ト】、
24-111 けふさりて とよまとがめの ケフサリテ トヨマトガメノ 【ケ、今・フ、日・サリ、去・テ、今日去って】、【トヨ、豊・マ、間・ト、人・ガ・メ、女・ノ、御大尽(ここではオオヤマスミ)の娘の】、
24-111 はつせヒめ つまとめさるゝ ハツセヒメ ツマトメサルル 【ハツ、初・セ、瀬・ヒ〔人〕メ、姫、ハツセヒメを】、【ツマ、妻・ト・メサ、召・ル(受身)・ル(状況)、妻としてお召しになった】、
24-111 あすかゝハ おゝやますみハ アスカカハ オオヤマスミハ 【アス、飛・カ、鳥・カハ、(反語・婉曲)、アスカ(ヲキミ)だったのでしょうか】。【オオヤマスミハ、(スガタヒメの父)オオヤマスミは】、


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●連続訳21
スガタヒメは、キミに申します。
これは良くありません。
以前クシヒコが、お諌めしたのに、恥知らずにも、身添をしたのです、これを放置して、さらに為すとは、いったいどういう理由なのでしょうか?
と、いさめましたが、夏の末裔の僕であるカグヤマヲキミは、これを聞かず、女の仕事である、いつ子ができるというのだ!汝は子を生む田ではなかったのか、子は産むこともできずに、妻ではないと、スガタヒメは(オオヤマスミの娘)今日去って、御大尽(ここではオオヤマスミ)の娘の、ハツセヒメを妻としてお召しになった、アスカ(ヲキミ)だったのでしょうか。

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●解説21
「トヨマト」というのを御大尽(おだいじん)と訳しましたが、豊・間・人ですから、豊かな家来の人、でキミからみると御大尽でよいと思われます。
なにしろ、キミに対して、ほとんど無制限に妃を供給できるのですから。
しかも、その妃は極めて大きな生産性の保障(=穂つ間、子でありミヤのタミ)になるのです。
その生産性は、この地域では全てオオヤマスミの手の中にあるのです。
オオヤマスミの御大尽振りについては、次のパラグラフに描写されています。
肝心なのは、トヨマド・ワカマドなどという言葉がニハリノミヤ付近で出ていたので、オコロの兄弟のような抜擢された人事と考えてしまうと、矮小なイメージにとらわれてしまうのです。
キミが恵みを垂れた、というよりはトヨケやカナサキ、オオヤマスミといった御大尽の余剰物でキミは自由に振る舞うことができるのです。
でも、最後の行で婉曲表現をとっているのは、なにを意味しているのでしょうか。


これは菅田比売神社、佐保川から水を引いているようです。

菅田比売神社(すがたひめじんじゃ)
奈良県大和郡山市筒井町
34.621890,135.783999

祭神
伊豆能売神(いずのめのかみ)

利用河川
佐保川

伊豆というのはオオヤマスミ、その娘だから伊豆の女(め)ですね。


これは菅田比売神社の本殿、神紋は六曜紋です。



この神社はスガタヒメが住んでいた頃のミヤを、長い年月の後、姫の没後にミニチュア化した「タマツミヤ」なのですね。
今の形になったのはオオヤマスミも神上がって八幡神(やわたかみ)になっていると思われます。
どうやらスガタヒメは貴人の血を引いているようです。
高良神(こうらかみ)というのはアマテルの妃のひとり、トヨヒメのことだと考えられるのです。
そして、さらに言えば、オオヤマスミは官名ではなく、「山住の司」ということなので、アマテルとトヨヒメの子、クマノクスヒである可能性が高いのです。
後世の感覚で言う、通字はトヨケなどと同じ「豊」ということになります。
20アヤで出てきた「ヤトヨハタ」というのがこの六曜紋ということになり、また一つ歴史の真相に近づいているようです。
これでわかるように、「オマエいらねー」と言って放り出したわけではないのです。
アシツヒメのときは、イワナガとその母が讒言をしたので処分せざるを得なかったと思いますが(ふつに叛逆ですね)、スガタヒメは子ができなかっただけなので、伊勢の道に反してもいないのです。
それゆえ、ステータスもそのままで、別居状態にすぎないようです。
オオヤマスミは別の娘を与えるだけでよかったのですね。


●一行訳22

24-111 あすかゝハ おゝやますみハ アスカカハ オオヤマスミハ 【アス、飛・カ、鳥・カハ、(反語・婉曲)、アスカ(ヲキミ)だったのでしょうか】。【オオヤマスミハ、(スガタヒメの父)オオヤマスミは】、
24-112 これうつし さかむのおノに コレウツシ サカムノオノニ 【コレ、此・ウツシ、写、(大和路の開発を終え)これらの成果を写し】、【サカ、相・ム、模・ノ・オ、小・ノ〔野〕ニ、相模のとある野に】、
24-112 あらたなし かぐのきうえて アラタナシ カグノキウエテ 【アラ、新・タ、処・ナシ、成、新ミヤ(現神奈川県平塚市浅間町1-6平塚八幡宮)を開き】、【カ、夏・グ、具・ノ・キ、木・ウエ、植・テ、カグの木(唐橘)を植えて】、
24-112 まうらかみ よゝたちはなの マウラカミ ヨヨタチハナノ 【マ、間・ウラ、占・カミ、上、マウラを専門とする】、【ヨ、代・ヨ、々・タチ、立・ハナ、花ノ、代々受け継ぐ唐橘の】、
24-112 きみとなる きみさかおりの キミトナル キミサカオリノ 【キミ、君・ト・ナル、成、キミとなりました】。【キミ(ここではオオヤマスミ)はサカオリノ(ミヤに因んで)】、
24-113 つくるなも はらあさまみや ツクルナモ ハラアサマミヤ 【ツク、付・ル(結果)・ナ、名・モ、付けた名も】、【ハラ、原・アサ、浅マ、間・ミヤ、ミヤ(父としてアシツを偲んで付けた)相模原の浅間ミヤでした】。
24-113 よそおひハ こかねおかざり ヨソオヒハ コカネオカザリ 【ヨソオヒ、装・ハ、その姿は】、【コ、黄・カネ、金・オ・カザリ、金箔を張り】、
24-113 たまうてな うるしいろとり タマウテナ ウルシイロトリ 【タマ、珠・ウテナ、台、珠のような高殿】、【ウルシ、漆・イロトリ、彩、漆で彩色した】、
24-113 かけはしの すへれバゆうの カケハシノ スヘレバユウノ 【カケ、掛・ハシ、端・ノ、縁結びの】、【スヘレ、据・バ、ユウ、夕・ノ、夕べに集い】、
24-114 たびつけて かけはししたふ タビツケテ カケハシシタフ 【タ、手・ビ、火・ツケ、点・テ、松明を灯して】【カケ、掛・ハシ、端・シタフ、慕、縁結びを願う】、
24-114 たびすがた なおゆたかにて タビスガタ ナオユタカニテ 【タビ、旅・スガタ、姿、旅人が(遠方から来るほどでした)】【ナ、名・オ・ユタカ、豊・ニ・テ、その一門はトヨケの流れを引き】、
24-114 ソヨろとし みづホのぼれハ ソヨロトシ ミヅホノボレバ 【ソ〔十〕ヨ〔百〕ロ、万・トシ、歳、10年〈5年〉経ち】、【ミヅホノボレバ、税収も上がって】、
24-114 たみやすく にわにすむつる タミヤスク ニワニスムツル 【タミヤスク、タミは安定しました】。【ニ、柔・ワ、土・ニ・スム、住・ツル(伝聞)、庭に住んでいると云う鶴】、
24-115 ちよみくさ そゝきねおはむ チヨミクサ ソソキネオハム 【チヨミクサ、(栽培しているニンジンで)千の世を見たといい】、【ソソキ、濯・ネ、根・オ・ハム、喰、泳ぎまわって根を食べる】
24-115 いけのかめ ハおはむヨろの イケノカメ ハオハムヨロノ 【イケノカメ、(万年を)生きてきた亀のように】【ハ〔衣〕、果・オ・ハム、喰・ヨ〔百〕ロ、万・ノ、成果の禄を喰む縁者の】
24-115 うらかたハ あふとはなると ウラカタハ アフトハナルト 【ウラ、占・カタ、方・ハ、占方として】【アフ、相・ト・ハナル、離・ト、縁の有る無しを】
24-115 かめうらハ みつわくわかぬ カメウラハ ミツワクワカヌ 【カメ、亀・ウラ、卜・ハ、亀卜は】、【ミ、見・ツ・ワク、分・ワカ、分・ヌ(反語)、(吉凶を)見て判断する】、
24-116 みこゝろお つくすみまこの ミココロオ ツクスミマコノ 【ミ(寧)ココロ、心・オ、思慮を】、【ツクス、尽・ミ(寧)マコ、孫・ノ、尽くす御孫(ニニキネ・アスカ)の】、
24-116 ほつまなるかな ホツマナルカナ 【ホ、穂・ツ・マ、間・ナル、也・カナ、哉、(縁結びを為した)岳父なのでした】。


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●連続訳22
スガタヒメの父、オオヤマスミは、大和路の開発を終え、これらの成果を写し、相模のとある野に、新ミヤ(現神奈川県平塚市浅間町1-6平塚八幡宮)を開き、カグの木(唐橘)を植えて、マウラを専門とする、代々受け継ぐ唐橘の、キミとなりました。
キミ(ここではオオヤマスミ)はサカオリノミヤに因んで、付けた名も、ハラアサマミヤ(父としてアシツを偲んで付けた)相模原の浅間ミヤでした。
その姿は、金箔を張った、珠のような高殿で、漆で彩色してありました。
縁結びの夕べを据えれば、大勢が集い、松明を灯して、縁結びを願う、旅人が、遠方から来るほどでした。
その一門はトヨケの流れを引いており、10年〈5年〉経ち、税収も上がって、タミは安定しました。
庭に住んでいると云う鶴は、栽培しているニンジンで千の世を見たといい、泳ぎまわって根を食べる、万年を生きてきた亀のように、成果の禄を喰む縁者の、占方として、縁の有る無しを、亀卜では、吉凶を見て判断する、思慮を尽くす御孫(ニニキネ・アスカ)の、縁結びを為した、岳父なのでした。

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●解説22
と、まあ、これが弥生時代の御大尽のミヤコなのです。
漆を塗って光沢のあるカケハシが滑るから足袋をはいた、とか、クシミカタマの迷彩には、とても多くの人が騙されたと思います。
相性占いをベースに縁結びの夕べをやるなど、なんとも微笑ましい風景ではありませんか。

以前、私は、このミヤを寒川神社だと思っていたのですが、川の反対側、平塚八幡宮がその縁結びのミヤのようです。

また、「ヤハタ」も、二通りの見方ができることも解りました。
ひとつは、これまで通り、簒奪者、誉田別命(ほんだわけのみこと)、もう一つはBC220に始まる日本列島開発の最初から居た山住の守護が八幡(やはた)だったということになります。
つまり、後世の人からみれば、どちらも「はちまん」であり、「やはた」なのですが、どうやらこの間には関連は無さそうです。
八幡神社を調べて、神名に「誉田別命」が無いなら、弥生時代のミヤであった可能性が高いのです。

そういえば、アメ族の古来からの祭礼である「七夕祭り」が平塚にもあり、これは戦後に始まったと言われていますが、その下地はあったのかもしれません。

また、平塚八幡の古名を鶴峰(つるみね)といっていたようで、「長命の鶴」とも関連します。
よく調べると、変なカルト信者で知られる「さゆふらっとまうんど」の言う「平塚」と同様に、盛り上げて無い墳墓があるのかもしれません。
世の中には、21世紀なってからもさまざまなカルトが満ち溢れており、歴史を紐解く者にとっては、宝の山のようです。

24アヤはこれで終わりになります(やっとだ)。
すこし、文法的なまとめをやろうかと考えており、その後で25アヤに掛かったほうが良いと思われます。



さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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