この記事は2001年3月に書いたものです。
その2 面接パートI
一社目の面接は、連絡をもらったすぐ翌日のアポ。
当日の朝、もう一度別の人から電話が来たので何だろうと思ったら
“お車でいらっしゃいますか?駐車場をご用意いたしますので車種とナンバーを教えてください”
とのこと。すごいねー 私は社長でもお客様でもないのに・・・
でもお言葉に甘えて駐車場をご用意していただくことにして
“どの車で行くかわかりませんのでナンバーは後ほどご連絡いたします”
などともったいぶったあげく、結局は面接に行くのにはかなりふさわしくない、海や山に行く用の四輪駆動のでっかい車で運転手(ボーイフレンド)とともに参上したら、すごい すごい 外に無線機を持ったガードマンがドアに2人と角角に1人ずつ。それが見渡せるほどけして広い敷地ではないのに。さらに
“セニョリータアンドレア お待ちしておりました”
ときた。まだ名前も言ってないのにね。
ガードマンといっても映画の“ボディーガード”みたいなんじゃなくて、日本でいうところの警備員。おまわりさんのような制服を着ていてけっこう怖い。無線機で中に連絡を取った上でさらに高―い塀を鍵で開けて中に入れてくれようとしているので、めんどくさいので彼には後で迎えにきてもらうことにして私だけ下車。駐車場入り口から敷地内に入り、10メートルくらいしかない通用口までそのガードマンが連れて行ってくれて、次のガードマンにパス。そこでパスポートを見せて受付に入り、受付嬢に“こんにちは 私は・・・”と名前を言おうと思ったと同時に中からお迎えが来てお部屋に通される・・・といった素晴らしい連携プレー、バケツリレーのような見事な段取り。
この会社の面接は、日本人社長、彼のアシスタントと思われる駐在の人、日系人のベテラン秘書の3名。秘書の人はスキルや何か、いっしょに働くと仮定したかなりいい感じの質問をしてきたんだけど、それに比べてあとの日本人2人はとにかく私の身上調査。
しかし、2ヶ月ぶりに日本語を話すという状況だったので、日本語が出ない出ない。“共感をおぼえる”というフレーズがでるのに30秒近くかかってしまいました。
ペルーに来た理由はペルーが好きだから。
でも何度言っても納得してくれない。
たぶん、この人たちはペルーが嫌いなんだろう。
あるいは私が日本語が流暢でないと思われスパイの疑いをかけられたのかも?とにかく面接っていうより取り調べって感じで、日本語が出ない一方で“人を見たら泥棒と思え”という諺を思い出したりなんかしてました。
社長じゃないほうの駐在員の人がノーネクタイにYシャツ腕まくり状態。おまけに角刈り風だったんで、よけいに刑事ドラマチック。
アンタ、面接の間くらいきちんとしろよこっちだって2ヶ月ぶりにストッキングと、サンダルやスニーカーじゃない靴をはいて、ペルー仕様になりつつある体を無理やりスーツにおしこめて暑い中やってきたんだかんねー
ペルーの男の人は、Tシャツはもちろんのこと、ジーンズや下着のパンツにまでアイロンをかけて、ゴキブリでも殺してるの?と思うほどシュ――――――――――――――――ってコロンをふりかけてからお出かけするので、この刑事のような日本人のマナーの悪さはびっくりでしょうね。
総理大臣がサミットとかに行くと、なんか同国人として恥ずかしい感じがするでしょ。あの感じ、ひさしぶりに受けた。相手は面接官なのにね・・・。この刑事の取調べの途中からだんだんムカつきを通り越して、どうでもよくなってきて日本語をしばらく話さない状態とは・・・と、戦地から帰ったきた小野田さんや横井さんのことを思い出したりしていました。
役所の建物内などは、たいていどこへ行っても、受付に身分証明書を置いて帰るときにもらってはい、さようならというパターンが多いのですが、この会社は、面接が終わったので外で彼のお迎えを待っていようとしたらガードマンに
“セニョリータ、中でお待ちください。お迎えが来たらご連絡いたしますので”
と言われてしまいました。
以前になんかあったのかなと思うほど異常な緊迫感。学習院に通っていたときも宮様のおつきの人々がいつもいたけど、そんなにピリピリしていなかったのに・・・逆に怖くなっちゃうよ。おもしろいから今度車で通ったときに爆竹でも投げてみようかな・・・いやいや本当に取調べを受けることになるのでやめておこう。
その3 面接パートII
履歴書を送ってから1ヶ月近くがたったのでもうダメかなー
日曜日の何でも欄を趣味でなく読まなければいけないかなー
と思っていた矢先に二社目の面接のご連絡がきました。今度のところはオフィスビルの中。1F受付のガードマンも受け付け嬢男性版、といったところで、けっこうおしゃれな茶系のグラデーションのスーツとシャツ。身分証明書のパスポートのコピーを見せると、ちゃんとアポがあるか確認してからそれでは5階へどーぞ。
またもや日系人のベテランセクレタリーに迎えられ、しかし今回は“早実経由早稲田大学出身ラガーマン”(単なる私の想像)といった感じのダンディな社長が出てきて、政治経済の話から始まって2時間いろいろお話ししたあと、じゃ、明日からきてもらいましょうか、と話がすんなり決まったところで、ちゃんとネクタイをしたおとなしそうだけど頭のよさそうな駐在の人に紹介されてさらに30分。かわいそうな私のボーイフレンドは1階受付で2時間半の間ずーっと待っていた。
現在そこで働いています。経費削減のため駐在の人はもうすぐ帰ってしまうので、現地人と同じお給料でokのとってもお得な私がそこで社長のアシスタントをすることになりました。
現在スペイン語から日本語への翻訳書類と格闘中。
この会社は去年、164人から40人!という大幅なリストラをやったせいで、現在社長はすべての部の本部長を兼任。そのおかげで月初には、財務資料から販売データやら何から何までが大量に私のところにメールが来て、それをすべて日本語に翻訳して日本にレポートする・・・というのが私の使命。
実は今日やっと終わったんですねー そのレポートが。
実はまだアルバイトの身で正式な契約が済んでいないので詳しくは次回のお楽しみ。
ひな祭り、過ぎてから気づきました。
日本はこれから美しい桜の季節ですね。 日本人のわびさびを忘れないようにしなければ・・・
続く