2023年1月1日。
東洋の小国には干支というものがあって、今年はウサギ年らしい。
「ア、アンドレ~。いつまでこの格好、してればいいんだよ。」
バニーガールの格好をしているオスカルは、アンドレを恨めしそうに見る。
一方アンドレは、年末に買っておいたバニーちゃんの衣装があんまりにも似合っているので、先ほどから彼女の方を正視できない。
もう…正視したら最後、俺はまた過ちを犯しそうで。
・・・・てもう、恋人同士だから「犯す」じゃなくて、「愛しあう」でいいんだけど、
まだ、早いよな。もう少し夜が更けないとね。
なんでこんなことになったかというと、クリスマスにチェスで大負けしたオスカルがドレスを着る
事になって、その夜はアンドレから指輪を贈られた。
オスカルはとっても喜んだのだが、生来の負けず嫌いで、大晦日には
「今度はトランプで勝負だ。私が買ったらピンクドンペリな。負けたら・・・・そのお。」
「負けたら、俺の言う事何でも聞いてくれる?」
「う・・・・・ドレスはもうごめんだぞ。」
ところが、午前中にジャルジェ家を訪問してきた姉夫婦をもてなして、大酒を飲んだオスカルはまたも
トランプで大負けした。
・・・・それで今、バニーガールのコスプレでオスカルはもじもじしている。
「卑怯だぞ、アンドレ。」
「何故さ、ドレスじゃないじゃん。でもすっごく似合ってるぞ~。それに後でピンクドンペリ飲ませてやろうと思ってるけど。やめる?」
「え!!!ピンクドンペリ?ううう~~~。」
結局酒の誘惑には勝てそうにないオスカルお嬢さまと、
彼女の扱いはプロ中のプロのアンドレは
今年もあーだこーだと言いつつ、素敵な恋人同士です。
新年早々、アホ話で失礼いたしました。よい年でありますように。