侍タイムスリッパー
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
(映画.com)
笑いの部分は、あんまり笑えなかったけど、
時代劇に対する愛と気合いはすごく伝わった!
最後は、もう一つのパターンで終わったら
かなりシリアスで忘れられない作品になったかも。
日本の明治維新からの今までの流れを考えると最後まで戦った会津藩士は意味深い。
普段は結婚式の撮影などで生計を立ててた
監督。今は家継いで米農家だそう。
資金集めも大変だったけど、
シナリオの面白さでここまで完成できたそう。
本当、その思いが至る所に感じられた。
主演の山口馬木也さんが良かった。
中島貞夫のドキュメンタリーでも
時代劇に対する思いが語られていた。
消滅させてはならない。
このように、今の人たちにも受け入れられる
作品を作ることができるのだなと
そう意味で感心した。
阪妻みたいなのが個人的には好きだけど、
またそんなかっこいい時代劇もできたらいいな。
サウンド・オブ・フリーダム
性犯罪組織に誘拐された少年少女の追跡捜査を進めていたアメリカ国土安全保障省の捜査官ティムは、上司から特別な捜査の許可をもらい、事件の温床となっている南米コロンビアに単身潜入する。そこで彼は、いわくつきの前科者や捜査の資金提供を申し出た資産家、地元の警察などと手を組み、大規模なおとり作戦を計画する。ティムの少年少女たちの命を救う捜査は、やがて自身の命をもかけたものになっていく。
アメリカでも5年公開できなかったこの作品。日本でもとうとう公開。
実話を基にしている。
かなり、しんどくなることを覚悟しつつ鑑賞。想像してたより、ちゃんとドラマ仕立てだし、直接的な表現はそれほどなく、
目を逸らすことなく観れた。
それでも何度となく、泣きそうになる。
こんな自分の欲望のために、
子供を犠牲にするなんて
どうしてできるのだろう。
小児性愛だけは、どうしたって
許せない。
それで金儲けする奴らも。
船に乗せられて、知らない国に連れてかれ、
餌食になる。
日本だって、からゆきさんという存在がいたことをきちんと今の人たちにも知ってほしいと改めて思った。同じことが行われていたし、現在だって行方不明なったり
大人の餌食になってる子供がたくさんいる。
ベビーライフ事件も闇の中。
この作品では、コロンビアのジャングルの無法地帯まで、ティム警官が助けに来てくれたけど、誰にも救われず、
今現在苦しんでいる子供、
亡くなった子供達がたくさんいる。
主演の人からエンドロールの前にメッセージがついていた。こんなの初めて。
ただ演じること以上の覚悟と熱意を感じた。
映画館は満席。高齢の人が多かった。
ピナ・バウシュ「春の祭典」
ピナ・バウシュ版「春の祭典」の日本での上演は18年ぶり。初演の振付・演出をそのままに、本プロジェクトのために選ばれた精鋭ダンサーたちが新たな息吹を吹き込みます。ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団のメンバーが、リハーサルを指導し、ピナ・バウシュ・ファンデーション(ドイツ)、エコール・デ・サーブル(セネガル)、サドラーズ・ウェルズ・シアター(イギリス)が共同製作した本作は、これまで世界各国の著名劇場で上演を重ね、最高度の評価を獲得してきました。「春の祭典」は、複雑なリズムや不協和音を多用したその革新性から、20世紀近代音楽の代表曲に数えられ、なかでも、豊穣を願うための生贄に選ばれた女性が踊り続ける様を鮮烈に描き出すピナ・バウシュ版「春の祭典」は、最高傑作のひとつとして知られます。
さらに今回の来日公演では、生前ピナ・バウシュが、コレオグラファーとしての最初期に創作、自らが踊った貴重なソロ作品「PHILIPS 836 887 DSY」(出演: エヴァ・パジェ)と、ピナ・バウシュ・フェローシップを通じて、ともに後進ダンサーの育成にもあたるなど、ピナと深い親交を持った”アフリカン・コンテンポラリーダンスの母”ジェルメーヌ・アコニー振付・出演「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」も同時上演。(この2作品は、いずれも日本初演)
(PARCO STAGE)
大好きすぎるピナ・バウシュ!
しかも春の祭典。久しぶり!
関西でも公演してほしいところだけど、
東京まで行くしかない。
3つのプログラムがあり、
最初は、
「PHILIPS 836 887 DSY」
(出演: エヴァ・パジェ)
体を極限まで低くして、動くダンス。
春の祭典が重力に抗うように跳ぶ動きが多いが、
こちらはあえて重力を味方にしているみたい。
次に「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」
こちらはなんかの儀式みたいで、
正直もっと踊ってー!と思ってしまった。
そして、最後に春の祭典。
本物の土を舞台に。
土埃も舞う。
そして始まる。
以前は白人のダンサーたちだったが、
今回はアフリカ系のダンサーたち。
土の上で繰り広げられるダンスは圧巻。
よりプリミティブで呪術的な感じ。
テーマにもなっている犠牲的なものが
リアルに伝わってくる。
その肉体も生々しい。
バレエなどの経験のないダンサーがほとんど。
それでも躍動感が半端ない。
やっぱり凄いな。
他の演目もまだ再演してほしいな。