病気記事について
ここまでの経緯はこちら👇
入籍とほぼ同時期に、
姉と私に、兄から連絡があった
"親父に手紙を書くから、
伝えたいことがあったら言ってほしい。
こちら(兄妹)の気持ちを伝えるだけで、
連絡先や近況は、教えないつもりだから安心して。
あとは親父の出方次第ではあるけど、
俺は縁切りのつもりで手紙を出すよ"
兄がこう言うのも、無理はなかった。
この一ヶ月ほど前
父から兄に、連絡があった。
特に用事があるわけではなく、
父の気が向いたときや寂しくなったときに
かかってくる、中身のない兄への連絡。
その際、兄は迷いなからも
父に母の病状を伝えた。
父は驚き、そして
お見舞いに顔を出したい
と言った。
兄は迷いながらも、
父に母の病院を伝えた。
"親父に言うべきか、正直迷った。
おかんは知られたくないだろうなとも思った。
お前達(姉と私)にも、悪いと思った。
勝手におかんの事伝えて、悪かった。
だけど生死がかかったこの状況で、
おかんに対して、親父の口から
謝罪や労いの一言でもかけてほしいと思った。
親父にもう一度だけ、父親として期待したい。
息子として、父親に頼りたいという俺の弱さもほんの少しあった"
姉も私も、兄の気持ちを理解できたので
決して責めたりはしなかった。
例え自分達の現状を父に知られたとしても
もう一度母に、家族に向き合ってくれるなら
それはそれで構わないと覚悟をした。
父がお見舞いにくる予定の日
兄妹は病院へは行かなかった。
だけど結局、父は現れなかった。
その数日後、父は再度兄と連絡をとりあい
お見舞いに行かなかった理由を述べた。
"天気が悪かったから"
そんな言い訳をされ、
兄も呆れ返ったという。
そして父は、話の流れから不機嫌になり
電話越しの兄に、激昂した。
それっきり、音信不通になった。
結局、母に会わせる顔がないと
気がひけてしまったんだと思う。
プライドの高い父が素直にそう言えないのを
誰もが容易に想像できた。
離婚後の父の言動を見る限り、
父には未練があった。
"家族"という存在への執着
そして"母"個人への未練
本心は、父本人にしかわからないけれど
少なくとも私達兄妹にはそう見えていた。
なのに結局、音信不通。
だから兄は、母が亡くなったとき
すぐには父に連絡しなかった。
"生死がかかった状況で、
音信不通になるような人間だ。
今までの家族への執着や未練は
家族への申し訳ないという思いからではなく
ただ自分の寂しさを埋めたかっただけなのかもしれない。
なんにしてももう、親父が立場を全うする機会は今後やってこない"
兄は悔しそうに、姉と私に言ったあと
母が亡くなったことの報告と、
兄妹それぞれの気持ちを綴り
父宛に手紙を送った事を報告してくれた。
(母が亡くなってからは、約２週間後の事)
"自分達にとって、
親子の血の繋がりは消せない。
でもそれ以上の繋がりは、
父との間に存在しない。
今回の事でよくわかった。
僅かでも期待した、自分達がバカだった。
そして気持ちに、踏ん切りがついた。
自分達には、父親はいない。
そういう覚悟と、
母への誇り、感謝をもって
この先も兄妹で、助け合って生きていきます"
この手紙は決して、
父への当て付けではない。
どんな仕打ちを受けようと
子供は親から、愛されたいと願う。
皆が大人になってからもそれぞれ、
父からは何度もひどい仕打ちをうけた。
それでも心のどこかで、
父の子供の立場として、
父から愛されている
そう思いたかった。
父が今まで家族に執着してきたのは
兄妹への愛情があっての事
だと思いたかった。
だから誰一人、心の中から
父の存在を消したりしなかった。
そして皆、今回の兄の手紙を受けて
父がどうリアクションするのか
期待と不安が入り交じる複雑な気持ちで
ただその時を待った。
入籍の前後あたりの入籍
あわ
