《三国的世界》第五集 江南北真豪杰を見た | 呉下の凡愚の住処

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三国志(孫呉)・春秋戦国(楚)および古代中国史絡みの雑記、妄想、感想をおいてます。
文物や史跡など、誰もが実際に見に行けるものを布教していきたいな。
他、中国旅行記や中国語学習記も。

CCTVの《三国的世界》第五集 江南北真豪杰を見ました。

三国志の史跡を映しながら、三国志をダイジェストで見ていこう……

という番組。やっつけ感はまったくなく、丁寧な作りでした。

いきなり孫呉の回だけ見ましたが、結構おもしろかったです。


私が一番感動したのは番組内で紹介されていた金庸先生の言葉。
池田大作先生との対談書の中でおっしゃっていたそうです。

 

罗贯中对蜀汉的偏袒实在是过了分。
罗贯中因为是山西太原人,所以特别偏袒他的同乡山西关公。
痛贬曹操那也罢了,连东吴人物也一并贬低。
在我年纪大了之后常常感到不服。
孙坚,孙策,孙权那些人是我的浙江同乡富阳人。
我甚至想过要写一部以东吴为主题的《三国演义》,
主角自然是周瑜和陆逊。

 

(羅貫中の蜀漢に対する偏愛は度を越している。
 羅貫中は山西省太原の出身だったため、

 同郷の山西省出身の関公を特に慕っていた。
 曹操を批判するのは仕方がないが、東呉の人物をも貶めている。

 大人になってからそのことにいつも不満を感じるようになった。
 孫堅、孫策、孫権は私の同郷の浙江省富陽の人物だ。
 東呉を題材にした『三国演義』を書こうかとさえ考えた。
 主役は当然周瑜と陸遜である。)


これを見て涙が止まらず……
涙を流しながら部屋をうろうろしてました。キモオタ特有の徘徊……
そっかー、金庸先生そうだったんだ……
金庸先生にそうおっしゃっていただけていたなら、
私たち孫呉の遺臣も浮かばれます……

周瑜様と陸公が主役の金庸小説があったら
2024年現在ではもう20回以上映像化されてただろうな……
もうやることなくなって性転換したりしてただろうな。
スピンオフ作品も大量に作られ……
はあ……

まあ、ね、いいんですけどね。我々は強く生きていきましょう。
金庸先生からこの金言を賜っただけでも私は救われました。
池田先生もこのやり取りに導いてくださってありがとうございます……
(去年の大シルクロード展も見に行きました!)

 

ほか、心に響いた言葉たち

 

南京大学文学院苗怀明教授のお言葉

但是很遗憾的是《三国演义》里面为了衬托曹操,为了衬托刘备,诸葛亮,实际上牺牲了孙权,牺牲了周瑜,牺牲了鲁肃,实际上它牺牲了东吴。

曹操、劉備、諸葛亮を引き立てるために孫権、周瑜、魯粛を犠牲にし、
孫呉を犠牲にしたのが『三国演義』の残念な点だ。

 

復旦大学歴史系朱子彦教授のお言葉
朱老師、語気が強くて大変頼もしかったです。

苏东坡有词
‘羽扇纶巾 谈笑间 樯橹灰飞烟灭
 人道是 三国周郎赤壁’
没有讲诸葛亮!
打赢这一仗的不是诸葛亮,

打赢这一仗的赤壁之战的功劳主要是周瑜。
‘人道是 三国周郎赤壁’


蘇東坡の詩(『念奴嬌・赤壁懐古』)にこうある。(詩は略)
諸葛亮のことは言っていない!
この戦いに勝ったのは諸葛亮ではない、
この戦い、赤壁の戦いに勝ったメインの功労者は周瑜なのだ。
「人は言う、あれが三国の周郎赤壁なのだ と。」

 

研究者の先生方がこういう風におっしゃってくださるの、

本当に救われるんですよね……。

「なんで孫呉の人間はこんなに我慢しなきゃいけないんだろう?」

って年に5回は涙を流してますからね。

これ嘘じゃなくて、実際に電車の中とかで泣いてますからね。

遊びで孫呉ファンやってないですからね……。

 

 

ナレーション

遗憾的是,赤壁之战九年后刚刚四十六岁的鲁肃不幸辞世。
他的死是孙刘两家的一大损失。
假如坚持联刘抗曹的鲁肃不死,
吕蒙背盟弃义袭杀关羽的悲剧就不太可能发生。

(訳はもう……訳すのもバカバカしくて……)


この番組何を急に蜀の側みたいな態度出してんだ……?
と声に出して言ってしまった。
え、ここまで順調に孫呉の味方な構成で来てたのに
関羽の件は背盟弃义だと見なしてるってこと……?この番組も敵か?
……とまた部屋をうろうろ……(鑑賞中、計5回以上うろうろした)
 

番組中盤からの自分は

ブツブツ感想を喋るスポーツ観戦のおじさんになっていました……


背景として使われる映像も孫呉の関連史跡がメインで、
9割が訪れたことのある場所でとても懐かしかったです。
孫呉関連で行ったことがないのは黄州赤壁、赤壁陸遜営寨だけでした。

陸遜営寨の名前は知っていたのですが物が残っているのか確証がなく、
ただでさえ赤壁方面は史跡が多くて、再訪したい場所も多く、
確証がない場所に行く余力はなくて未訪問でした……
が!かなり大きな陸公像が立っているということが
この番組のおかげで分かったので、次回(いつ?)行きたいですね!

我が故郷武漢亀山の映像も2回使われて大満足。

 

ゆーちゅーぶで検索して見られた(記事公開時時点)ので

ご興味のある方はぜひご覧ください。番組は全6回です。

 

 

最近全然孫呉について言及していませんが……

と言うかブログ自体を更新しておりませんが、

まあいろいろ、いろいろ、本当にいろいろありまして、

「文字にすると重いし、実際重い事情だし、別に今

 こうして更新してるんだから詳細を述べる必要はないんじゃない?」

という感じで、更新が少ない理由については黙秘しておきます……

 

いや、それより孫呉のことなのですが、

私は孫呉への熱意を失ったことはこれまで一度もなく、

自分による「孫呉は自分にとっての現在」という洗脳により

むしろ完全にこじらせたオタになっています。

歴史上の出来事・既にない国だと認識できていない悲惨さがある。

ただ、孫呉ファンになって10年以上……

自分と同じほどの熱量を持った孫呉オタは稀少(異常)

ということに気付き、

「もうブログで恥を晒すのはやめよう……国に迷惑がかかる……」

となって、あまり物を言わなくなったというだけです。

それに三国志は人気ジャンルですし……

 

そう、楚と違って人気ジャンルなので、

私が恥を晒して孫呉に泥を塗る必要もないかなと……

しかし楚に関しては……

楚を本格的に調べる方々はこの先もしばらく

(元)学生さんや学者さんしか現れないだろうなと思っています。

私は貴重な一般人枠として、これからも楚国に対して

恥のないように生きていきたいと思います。

 

楚国と言えば

端午节安康!

ではまた〜