後漢末の漢詩など紹介 | 呉下の凡愚の住処

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春秋戦国の楚国、三国志の孫呉にすべてを捧げて生きています。
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久々にPCから書いた長文の日記なのでお暇すぎるときにでもどうぞ!!


昨日、加藤徹先生の論文を読んでいたのですが、
序盤で漢詩(叙事詩)の題名が出てきて、
たまたまものすごく興味がわいたのでその場で検索して読みました。

↓論文はこちらで読めます
宗教から初期演劇へ 中国演劇を中心に|KATOU's article "From Religion To Former Theatres"
http://www.geocities.jp/cato1963/SHOKI1.html

読んだ詩は
『艶歌羅敷行』『孔雀東南飛』『木蘭辞』『長恨歌』
です。


勝手に直リンクしてしまって申し訳ないのですが
ありがたく訳を読ませていただいたサイトを紹介させていただきます。

『艶歌羅敷行』
陌上桑行 古詩・漢の無名氏 漢詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2806 - 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩・唐詩・詩詞 解釈
http://kanshi100x100.blog.fc2.com/blog-entry-811.html

『孔雀東南飛』 ↓後編はReturn先にあります
孔雀東南飛(前)
http://sakou8kikai.jpn.cx/book/kujyaku_tounannitobu/kujyaku.htm

『木蘭辞』
「木蘭詩」
http://www.geocities.jp/iwa_kaz/mulan.htm

『長恨歌』
長恨歌 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%81%A8%E6%AD%8C


せっかく開き直って趣味に時間を使ってるので、
感想や、分かったことでも書いておこうかなと。

まず、
『艶歌羅敷行』が最初に収録されているのは『宋書』楽志。
『孔雀東南飛』は南朝・陳の『玉台新詠』、
『木蘭辞』も南朝・陳の『古今楽録』、
『長恨歌』は中唐の詩人白楽天の詩です。

『宋書』の宋で書かれているのは南朝の宋の劉宋のことであって
南宋について書かれた『宋史』とは違います(ゲシュタルト崩壊)

『艶歌羅敷行』と『孔雀東南飛』はどちらも
後漢末~三国時代に作られた詩で、
三国志もので扱われているあの例の後漢末とほぼ同期のようです。
しかも『孔雀東南飛』のほうは建安年間の作なんだって!
建安って……まじか……まじか……
『孔雀東南飛』と『木蘭辞』は“楽府”の双璧作品らしい。
いや~漢詩をまったく読んでいないことが今ばれてしまいましたね……


『艶歌羅敷行』
は邯郸が舞台らしい。
美人の羅敷さんが太守にナンパされるけど、
「私の夫はあなたの何千倍も優れてます」
って言って太守を追い返す詩。
へえ~後漢末にこんな詩が作られたんですねえ……

百度の“羅敷”の項目によると彼女の最期は悲惨なんですが、
この詩だけ見ると特に悲惨な感じはなく、むしろ明るくて健全な詩に見えます。
まあ私は詩の理解力に乏しいのでアレなんですけど……
舞台が邯鄲っていうのも百度百科の情報です。


『孔雀東南飛』は大長編で、悲惨な結末が描かれているのが涙を誘う。
こんな詩が建安年間に作られていたとは!
しかも、この詩のかわいそうなお嫁さん・劉蘭芝は安徽廬江郡の人らしい。
現在の潜江市に二人のお墓があるらしいです。
潜江は、建安年間には皖城があったあたりじゃないですかね……?
と思うと胸が熱くなってくる……

皖城の場所はいつものこの地図見てください(手前味噌)
http://ameblo.jp/ancyon/image-11141201603-11746457854.html


夫の焦仲卿さんは小吏(小役人)だったらしいのですが、
孫権様の下の下の下の下の下の下の(中略)下の下の下の下ぐらいの組織に
お仕えしてる人だったのかなー?
この夫婦が、戦争のせいで離れ離れになる展開だったら
「民は戦に巻き込まれるだけなんだよな……悲しい……」って思ったんですけど、
主にぜんぶ何もかも120%劉蘭芝を追い出した姑が悪いですからね……
どの時代も、こんな1800年前でも、姑は息子の嫁をいびる生き物なのか……


木蘭ってご存知ですか? ムーランです。
私は迪斯尼(Disney)の『ムーラン』という映画のタイトルは知っていたのですが、
木蘭ムーランであることはかなり後から知りました。
木蘭の読み方がどう見てもムーランであることを知ってからもずっと疑ってました。
武漢市にムーランの出身地があるということを知ってから
やっと同一人物である事実を受け入れました。
(ただし我こそが出身地と叫ぶ地区が全土にある模様)

木蘭って、女性が男装して北方の異民族(柔然)と戦いに行く話だったんですね。
迪斯尼に疎いのでぜんぜん知りませんでした……
もとは叙事詩だったなんて驚いた……民間伝承だと思ってた。
これで漢詩をまったく読んでないことがさらにばれてしまいましたね……


『長恨歌』は白居易の詩で、題名はすごく有名です。
私も題名だけは知ってました。作者は知らなかった。
しかも玄宗と楊貴妃の恋を詠った詩だなんてご存知でしたか……?
私は……知りませんでした……何年中国史やってるんですかね……
しかも白楽天の代表作らしい……何も知らなくてすまない……すまない……
でももうぜんぶ読んだから! これで安心!!
もっと言うと杜甫の詩は『春望』、孟浩然の詩は『春暁』しか知りません……

楊貴妃がお風呂に入ると(ふくよかだったため)水があふれていたらしいです。
お風呂に入って水があふれるのを見るたびに
「楊貴妃と一緒だーと思う」って武漢の同学様がおっしゃってました。
長恨歌に何も関係なくてすまない。
詩の感想はね、楊貴妃の最期は悲惨だったけど、
死後そんな綺麗なところで過ごしてるなら十分じゃん……って思いました。
やっぱ李白以外の唐詩は難しくてダメみたいですね。(率直な感想)


そんなわけでたくさん漢詩を読みました。
『孔雀東南飛』が特に印象深かったです。
後漢の民間の詩であれだけ長いのが残ってることに驚いたし、
建安年間の廬江の物語という超絶ご近所っぷりにも親近感がわきました。

『木蘭辞』も『長恨歌』もとても有名だから、この機会に読めてよかった。
普段本当に読まないですからね。漢詩……
ちょっと『楚辞』が優れすぎているのと、プラス李白の詩で十分かなと思って……
でも、絶対人生損してるんだろうな……老後に読みきれるんだろうか……


後漢末の詩って、曹操の『短歌行』とかは(三国志好きには)有名ですけど、
民間の詩が普通に残っていることはあまり知られていないと思います。
私は、詩を読み解くセンスが皆無なので
現代語訳も日本語じゃないと理解できないし、
解釈まで書いてくれてないと何の詩なのかぜんぜん分からないんですが、
こうして当時の人の感情などを垣間見られるのはありがたいことですね。

また機会があったら漢詩を読みたいです。