私が経験したなかの極上の(激安)旅行プランはこれです。
仏教に興味があり、足に自信のある方には、最高の旅になることと思います。
『激安』にこだわる方、費用はあなたの覚悟と信仰心しだいでどこまでも安くなりますが、私としてはここで安さのみを追い求めるのはお勧めではありません。
四国では弘法大師に対する信仰がとても厚く、歩きの遍路に対しては「お接待」という、それはもうひとかたならぬ援助が頂けますが、仏道修行ではなく旅行をするというのであれば、それを安上がりの手段として考えるのはあまりに失礼というものでしょう。
私は2002年の9月~10月、39日間で四国一周八十八ヶ所を歩きました。
旅程を深く考えずに寝袋持参で暗くなるまで歩き、適当な公園や無人駅、道の駅、小さな祠などで野宿する日々でした。
3、4日に一度民宿に泊まり、風呂にありつき洗濯をしてました。
食事は主に、コンビ二とうどん屋のお世話になりました。
四国、とくに香川のうどんはどこで食べても絶品です。
うどん屋のオヤジさんに「お接待」を受ける事も度々ありましたし、夜の公園で出会ったホームレスの方に、彼らが独自の方法で手に入れる賞味期限切れのコンビ二おにぎりを差し入れてもらったりもしました。
美しい四国の風景の中、ひたすらに歩き食べ眠る日々は素晴らしいものです。
もちろん肉体的に楽勝の旅ではありませんし、ほとんどの時間自分ひとりで過ごすため、いやが応でも己自身と向き合う事になり、精神的にもかなり煮詰まります。
オレは何故こんなとこを独りで歩いているのだろう。
何故まわりの人々と同じ平凡で幸せな生活が出来ないのだろう。
という思いにとらえられ、涙を流し、歯を食いしばって足を前に出さなければならない日々もありました。
それでも、札所のお寺で般若心経をとなえ、人々からお茶、食べ物、寝る場所、風呂、ある時は現金のお接待を受けるうちに、ああ、自分が歩いているのではなく、皆に歩かせてもらっているのだな という想いが湧いてきます。
遍路は、人々から受けるお接待を断る権利を有しません。
人々は遍路を弘法大師その人として接待をし、お布施をしているのだといいます。
私も、小銭を握らせこの私に対して合掌するおばあさんを前に、涙の出る思いを何度もしました。
歩く道のりは、『へんろみち』として整備されています。
なるべく昔からの道を保存し、田や山を抜ける自然あふれる道です。
江戸や明治の頃に建てられた古い道しるべも残っています。
もちろん、最近立てられた 『(次のお寺)まで〇〇.〇キロ』 の表示も程よくあるので、まず迷う事はないと思います。
道を間違えると出会う人々が注意してくれます。
費用ですが、私の場合四国への往復の交通費を別に、39日間で約7万円でした。
歩いた距離は、1日25~40kmといったところです。
毎年、約1,000人のひとが、歩き通しているそうです。
さて、あなたもいかがですか?
最後にこの場を借りて、お世話になった四国の方々にご挨拶申し上げます。
あの時は本当にお世話になりました。
頂いたご好意とお接待は一生忘れません。
本当に、本当にありがとうございました。