面会と事情聴取
こんにちは、ててです。いつも読んでくれて、ありがとうございます。初めての方は、こちらから。前回は檻の中での生活を簡単に紹介しました。檻の中にいる人は意外と良い人たちでした。今回は檻の中の生活ではなくて、檻の中に入ってから起きたことを紹介していきます。2010年9月某日とにかく檻の中は退屈です。当たり前だけど何もすることがありません。あるとしたら、刑事さんによる事情聴取。検察局に行って検察官による事情聴取。検察局に連れて行かれる時は、手錠をされて護送車に乗せられて移動します。護送車の中から見る風景がいつも見る風景のはずなのに、悲しくて涙が出そうでした。自由が奪われてから初めて、自由って本当に大切なことなんだ…そう実感しました。あとは面会です。面会したのは、結果的には両親と弁護士さんだけでした。檻の中で許されていることは、新聞を読むことと置いてある本を読むことぐらいです。私も檻の中で本は読みました。気を紛らわすためにはそんなことしかできないからです。とにかく檻の中では、いつになったらここから出してもらえるのか・・・そればかりを考えていました。檻の中に入れられた私は、最初の夜を迎えました。与えられた布団の中で、娘たちのことを考えながら声を殺して涙を流していました。何でこんなことになったのだろうか・・・娘たちはパパのことを心配しているだろう・・・元妻は娘たちに何と説明しているのだろうか・・・両親が四国から来ると言っていた。また心配をかけてしまう・・・仕事はどうなっただろうか・・・無断欠勤となってどうなるだろう・・・いろんなことが頭の中で駆け巡りました。時系列では詳しくは覚えていませんが、たしか翌日には面会がありました。まずは両親が四国から駆けつけてくれました。ドラマでよく見るガラス張りの部屋で面会するシーン・・・まさにあれです。両親はあえて笑顔でした。私が落ち込んでいるだろうと、気を使ってくれたのでしょう。そんな気持ちが伝わるからこそ、私はまともに両親の顔を見ることができませんでした。私『ごめん。』父親『まぁ、これからどうするか考えよう。』私『娘たちはどうしてる?』母親『◯◯(元妻)に連絡をしてみたけど、娘たちを私達に会わせる気はない、と言ってたよ。』この時すでに元妻は完全に私達との決別を覚悟していたのです。その反面、私はまだ娘達のことを考えて離婚などと言うことは頭の中になかったのです。私『職場に連絡をして欲しい。』父親『分かった。』職場への連絡を両親に託しました。両親は終始笑顔で面会してくれました。私を安心させるためであることが、痛いほど伝わっていました。その後、もう一人面会をした人がいます。弁護士さんです。私に顧問弁護士などはおらず、無料で付いてくれる国選弁護士さんにお願いしました。しかし国選弁護士には当たり外れがあります。間違いなくハズレでした。全くと言っていいほど頼りにならない弁護士でした。ただ事務的に事を運ぶことしか考えていないのが分かります。親身になって話を聞いてくれる、そんな弁護士さんって本当にいるの??って思いました。弁護士さんには元妻とのコンタクトをしっかり取るようにお願いしました。しかし結局は会ってもらえなかった、そんな報告ばかりでした。手続きの話がメインで、弁護士との面会はストレスしかありませんでした。希望の光は弁護士から感じることができなかったのです。ダメな弁護士に当たってしまった・・・運が悪かった、と後悔しかありませんでした。事件を担当する刑事さんが付きます。私の傷害事件を担当してくれた刑事さんは、とても話を聞いてくれる人でした。その刑事さんのやり方なのかもしれません。被疑者の話を聞いて心を開かせて真実の話を聞き出す。これも刑事さんの仕事だから。でも私は初めから真実しか言わないし、嘘や隠し事は大嫌いな性格です。嘘を付くのは絶対にしたくないと思っていました。それは娘たちを育てる上でもいつも言っていました。嘘を付く人はいつか人から嘘を付かれて困ることになる。勉強なんてやらなくてもいい、友達と好きなだけ遊べばいい、元気であればいい、人に迷惑をかけないように、嘘を付かない人になってくれたらそれでいい。それが私の子育て方針でした。だから事情聴取ではどんなに自分に不利なことでも嘘は言わなかったのです。真実しか言わないし、真実を言うことが、自分を救うことだと信じていました。つづく目次へ戻る