木管楽器工房Anchesのブログ -4ページ目

グリーンゴールドメッキ

本日納品分のイングリッシュホルンです。

 

今回のメッキはグリーンゴールド。

 

 

 

余り木管楽器では見掛けないかと思いますがちょっとグリーン掛った色合いでなかなか綺麗です。

 

 

 

 

処理自体は普通のメッキと同じです。

ちょっと他とは違うメッキに興味の有る方はお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

Fgジョイント修理

久しぶりにファゴットのジョイント折れ修理です。

 

今回の依頼は以前に折れてジョイントを修理して使用したのが再発し折れたジョイントがダブるジョイント側に残ってしまったと言う物。

再発し困っていたところ当工房のお客様に紹介して貰ってご連絡を頂いたそうです。

 

 

 

破損した部分を抜き出して見ると・・・

 

 

 

 

どうやら以前の修理は折れた部分をそのまま接着(灰色のパテの様な接着剤が見えます)した様子。

 

 

・・・・・・

 

正直これは修理とは言えません。

黒いインナーの部分は通常の接着では付かないケースがほとんど。

特殊な接着剤で溶かして接着すれば付くかも知れませんがそれでは奇麗に繋がらず、もちろん強度も保てません。

 

以前Ebクラリネットのジョイント修理などでもご紹介した通り、折れ残った部分はカットしインナーを含めて彫り込んで木とインナーを新しく接込みます。

接いだ部分で塞がったトーンホールを開け直し、エンドキャップの金属も被せたら糸巻き(またはコルク巻き)部分を彫り込んで新しい糸を巻いて完成。

 

 

これで見た目も強度も元通りです。

 

楽器の修理では素材に合わせた的確な方法で作業しないと形が戻った様に見えても実際には治ってないケースが数多く有ります。

修理の際には依頼される楽器屋の技術者さんとしっかり話をして、どの様な作業をするのか、それが的確なのかを確認される事をお薦めします。

 

久しぶりの更新です。

ブログの更新が3ヶ月以上ぶりになってしまい申し訳ございません。

 

今回は最近作業をしたメッキ楽器のご紹介です。

 

 

クラリネットの金メッキですが、今回はお客様のご希望が24kメッキ。

黒い管体に24kと言うのは結構難しいもので、処理が上手くいかないと黒と金の色対比がキツイ物になってしまいます。

 

 

 

 

今回の楽器は綺麗に仕上がり、モデルプレートの色入れもバッチリ。

 

 

非常にまとまった色合いにお客様もご満足頂けた様です。

Alto Cl 用木製ネック製作

Basset Hr や Alto Cl のネック部分は基本金属製ですが一部のメーカー(セゲルケやヴーリッツアー等)はBasset Hrに木製ネックも採用しています。

その試奏感や鳴りの違いは劇的と言っても良いかも知れない程効果が実感出来ると思います。

 

Anchesでも何度か製作しておりますが、今回はAlto Cl のお客様のご依頼での製作になりました。

当初は特定の音の鳴りの不具合を調整して欲しいと言う依頼でしたが調整では中々思う様に改善されず、調整を試す過程で工房に残っていた試作の木製ネック(こちらは本来Basset Hr 用に製作した物でしたが)を試してみた所改善の方向性が見えた為に木製ネックを製作するご依頼となった次第でした。

 

 

ネックの部分はカーブしていますが木製では当然曲げる加工が出来ませんので曲がった継手部分と樽部分の分割と言う形になります。

 

 

 

継手部分の加工は先ずブロックの木取りから開始します。

正確に木取と下穴を開ける必要が有るのでブロックの各面もミリングで精度を出しておき、そこに木取りのラインを入れます。

 

 

 

そして下穴開け。

両端から開けた下穴がズレてしまったらそのブロックは使えません。

下穴は穴同士が出会い、貫通する点までで抑え深く開け過ぎない様に注意します。

 

 

 

仕上がり内径より少しだけ細く仕上げた下穴を中心に両端の外形を削り丸く加工します。

 

 

 

この後各種リーマーなどを使って下穴を仕上げサイズまで広げます。

リーマーは穴を広げる為の物や、両端からの穴の接続部をスムーズに仕上げる為に先端がカーブした物等加工に合わせて自作となります。

 

 

 

外形を仕上げたらジョイント部の長さを適切に加工し別途削り出した樽部分との接合部を仕上げて行きます。

 

 

 

元々金属ネックで製作されている楽器の為、木製ネックでは接合部(特に楽器に接続するジョイント部)の木の厚みが非常に薄くなりますのでジョイント部のサイズの設定や加工に気をつかいます。

 

 

 

ジョイント部分のコルク溝を掘る際にも深さを間違えるとジョイント部の強度が落ちてしまうので注意が必要です。

コルク溝を掘ったらコルクを張って仕上がりです。

 

 

 

 

 

今回はお客様の方に発送し試奏して頂いた上で、工房の方で微調整と言う形を取りましたが御試奏の反応は非常に良く基本問題無しと言う結果が得られました。

元々の金属ネックで試奏した後に付け替えて木製ネックを試奏されたそうなのですが、その違いに驚かれ「もう元の金属ネックに戻れない」とさえ言って頂けました。

 

 

木製ネックは金属ネックに比べて強度は落ちますが「普通に」丁寧に扱って頂けば大丈夫ですし、今まで製作したネックで破損の例も有りません。

 

 

Bass Cl の木製ネックや総木製ベルのアイディアも有り、材料も用意はして有るのですが加工が更に難しくなりますし、未だ解決しなければならない点も有り加工に進めないでおります。

今後、実際に加工に入れた際には改めてご紹介したいと思っています。

 

 

楽器の割れ

今年は12月に入ってから割れ修理が増えています。

気温の低下も有りますが大きな要因に湿度の変化が有ります。

 

1日の中でも湿度の振れ幅が大きく楽器に大きな影響を与えています。

 

 

日本の場合特にクラリネットをお使いの方は非常にスワブを多用します。

一部には楽器が濡れていると湿気を吸って割れると思われている方もいらっしゃる様ですがその様な事は有りません。

楽器のキーなど金属部品を全て外した状態で内外径/トーンホールの位置やサイズ/重量など全てを計測して水に一週間ジョイントを沈めて確認した事もありますが、何も変化はありません。

そもそもクラリネットなどに使われるグラナディラは密度が高く水に沈みますし、変化が起きるほど水を吸い込む事も有りません。

 

 

楽器に悪影響を及ぼすのはむしろ乾燥の方です。

乾燥した状態で大きな温度変化が起きると割れなどの症状が発生します。

楽器や木製パーツ製作用に用意している木材は全て端にワックスが添付されており乾燥し過ぎる事を防ぐ様になっています。

 

楽器店でも展示しているショーケースなどは大抵加湿しているのです。

(店によっても異なるでしょうが50%後半〜60%程度を保っている筈です。

ですから楽器はある程度の湿度を保っておいてあげるのがベストです。

勿論濡れた状態で放置するのはパッドなどに悪影響を与えますし、衛生面でも良くないので必要の範囲で水分を拭き取って掃除する事も必要です。

しかし必要以上にスワブを通し過ぎる事も有りませんし、スワブを通し過ぎるとジョイント内部を擦る為にジョイントエッジを傷める等のマイナスもあります。

 

無駄な水分を拭き取った後はケースに仕舞うのですが、楽器ケースは余り機密性の高くない物が多いのが現状です。

特に今の時期は練習/演奏後、まだ楽器が暖かい時にケースに仕舞っても外に出ると急に冷たい乾燥した空気がケースの隙間から入って来て楽器が外冷気に晒される事になります。

これは決して良い事ではありません。

 

お客様にお勧めしている簡単な方法は、雨の日に店舗の入り口で提供される傘袋です。

ビニールの薄い袋ですね。

これをジョイントより少しだけ長く切って、掃除をした楽器をこの袋に入れて端を折り返してケースに収めます。

 

こうすると若干残った湿度と温度を楽器と一緒に袋に閉じ込めてケースに収める事になりケースの隙間から入る冷気に直接楽器を晒すリスクを減らす事が出来ます。

湿度温度供に下がりはしますが、その変化を少しでも遅く、ゆっくりにする事も出来ますので楽器には良い事でしょう。

 

楽器の割れ、乾燥をご心配の方はお試しになっては如何でしょうか?

 

 

当工房は本日29日が今年最後の営業となります。

年始は4日から通常営業の予定です。