木管楽器工房Anchesのブログ -3ページ目

最近のメッキ色の組合せ例

その後もコンスタントにメッキ処理のご依頼を頂いています。

やはり多いのはゴールド系のご依頼。

 

最近納品させていただいた楽器2例をご紹介します。

 

 

1本はピンクゴールドキーとシルバーポストの組合せ(上)

もう1本がシャンパンゴールドキーとピンクゴールドポストの組合せ(下)になります。

 

 

 

同じゴールド系の処理ですがかなり印象は違って見えますね。

 

 

 

下の楽器の方はベルの金属リングを取り外し木製リング加工をしてあります。

楽器の冬対策

この冬は11月末辺りまで暖かく、その後12月に入ってから急激に温度が下がると同時に湿度も低い状態が続いています。

その為、12月半ば位から寒さと低湿度によるトラブルが多くなっています。

 

割れ、キーの動きの不具合、タンポの変化等・・・・

 

 

多くの方が寒くなると楽器の吹き始めに冷たく冷えた楽器を急激に温めない様に気を使われていると思います。

 

ところが楽器が急に冷える事を意識されている方は余りいらっしゃらないのでは無いでしょうか?

練習後や暖かい部屋で保管されていた楽器を外に持ち出す際に何か対策はされていますか?

ケースもカバー一体型のセミハードやソフトケースを使われていらっしゃる方が増えました。

確かに軽くて便利だと思いますがケースの機密性を考えると決して有効とも言えません。

寒い外に持ち出した瞬間にケースの隙間(ファスナーの隙間もそうです)から冷たい乾燥した冷気が一気に入ってきて楽器を冷やしてしまいます。

そうすると楽器は急激な変化を余儀なくされてしまう訳です。

 

少しでも楽器への影響を少なくする為に何か対策を取って頂くと良いでしょう。

具体的にはケースごと別な鞄に入れる,または楽器自体を薄い袋に入れ(便利なのが雨の日に店舗などで使用する薄いビニールの使い捨て傘袋など)てケースにしまい少しでも温度と湿度を保ち、急激に入って来る冷気に直接当たらない様にするなどが有効です。

ケースとケースカバーが別体の場合はケース毎袋に入れてからケースカバーをかけるのも良いでしょう。

冷気に直接晒されて楽器に急激な温度変化が及ばない、または少しでも温度変化の時間を遅らせることが大切です。

 

まだまだ寒くて乾燥した時期が続きそうです。

人間の身体にも厳しい時期ですが、同時に楽器にも厳しい環境で有ると言う事をちょっと意識して頂ければと思います。

 

 

 

木管楽器工房Anchesは2月1日〜5日まで不在の為にお休みを頂いております。

お急ぎの調整やトラブルの方にはご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

ハーフカバード加工

以前から腕や指の傷みや動きの問題で楽器を続けられるか悩まれている相談を何度か受けました.

多いのは腱鞘炎やジストニア等の症状でうまくキーを操作出来ないと言う内容です。

 

過去には小指の動きに問題を抱えた方(クラリネットとオーボエ両方有りました)の小指キーの操作を親指に振り分ける等の改造を行った事が有ります。

 

今回はクラリネットの右手リングキーを正しく押さえきれずに音が並ばないと言う事で、最初お客様からはカバードに加工出来ないかと言う相談でした。

しかしながら完全カバードにしてしまうと通気が確保出来ず、その通気を補う為の機能を考えると改造が大掛かりになってしまう為に、お客様の指の動かせる状態をお聞きした上でハーフカバードと言う選択をしました。

 

ご自分の指で押さえる事には変わり有りませんが抑える穴が小さくなり、また指でリングキーと内側のエントツ状のホールを確実に押さえなければならない負担が無くなりますのでだいぶ楽になる筈です。

 

 

今回はリングキーの上に小さめに設定したホールを開けたカバープレートを被せ、その裏側に内側のエントツ状ホールとの密着を得る為の素材を貼る方法を取りました。

最初は若干小さめに開けたホールを、音程と鳴りを確認しながら最低限広げてホール径を設定します。

今回のお客様の場合はこれ位なら操作出来ると判断したギリギリの境目を探ります。

大き過ぎれば操作に支障が発生しますし、小さすぎれば音程や鳴りに問題が残ります。

 

妥協点(元々オープンリングで設計されて居る楽器ですからハーフカバードと言っても音程と鳴りへの影響をゼロにするのは無理です)を見付けた所で裏側に貼る素材の選定に入ります。

 

厚さはプレートとエントツ状ホールの高さで決まってしまいます。

後は素材の堅さですが堅過ぎれば息漏れの可能性が高くなり、柔か過ぎればキータッチが非常に悪くなってしまいます。

また素材に依っては張り付き等の症状が生じかねません。

今回は数種類を試した上で、適度な厚さと堅さの革素材としました。

 

 

 

最終的にもう一度操作性と音程・鳴りを確認してお客様へお届けです。

 

御試奏になられたお客様からご連絡が有りました。

指に負担を感じず音が並ぶ事に感動され、非常に喜んで頂く事が出来ました。

音程や鳴りも特に気になる様な違和感は感じられなかった様です。

 

暫く使って頂いた上で問題が無ければ再度お預かりしてメッキ処理する予定となります。

 

 

楽器はお使いになる方ご本人に勝手の良い道具でなければなりません。

もし不都合を感じながら無理をされていたり、それが原因で楽器を続ける事に悩まれていらっしゃる方がいらっしゃりましたら楽器を自分に合わせられないか一度検討されてみる事をお薦め致します。

新しい楽器との付き合いが得られるかも知れません。

クラリネットのピンクゴールド処理・リニューアル

時間が経ってしまいましたが前回のブログ記事でご紹介したメッキの傷んだ楽器のレストア。

その後同じ様に年数の経ったクラリネットのメッキ処理リニューアルの依頼がありましたのでその処理前後の画像をご紹介します。

 

 

先ずは処理前の楽器。

 

全体にメッキの傷みが見られ、経年によるくたびれが見受けられます。

 

 

メッキ処理で重要なのは下地処理です。

このようにメッキが傷み地金が見えてしまっていたり、腐食が見られる場合はその部分を綺麗に整えて研磨する必要があります。

多少の傷みなら研磨や場合に因ってはヤスリがけで整えます。

 

状態が悪い場合は研磨やヤスリがけの範囲を超えていますので金属を盛ったりする必要性も出て来ます。

 

綺麗に研磨して脱脂した状態でメッキ業者へ送り、その間に木部のトリートメント等を行っておきます。

 

 

そしてメッキ処理から戻って来たパーツを組み付ければ。

 

 

 

 

この様に輝きを取り戻し、木部の処理も含めて印象がリニューアルされます。

 

 

お手元の楽器が経年でくたびれた感じでお悩みの方。

勿論、新しい楽器で心機一転も良いですが愛着の有る楽器を使い続けたいと思われていらっしゃる方にはお薦めの処理です。

再メッキ修理で楽器のレストア

残念ながら今回は画像は有りません。

 

以前何度かメッキ修理作業をご紹介させて頂きました。

その後も再メッキのご依頼を何度か受けております。

 

最近ではクラリネットのシャンパンゴールドやピンクゴールド+24金ポストなど比較的ゴールド系のメッキのご依頼が多いです。

基本最近の楽器は銀メッキの楽器が多く、余程腐食が進んで地金に影響が出てしまっていない限り非常に綺麗に仕上がります。

 

 

今回のご依頼は30年程前の楽器でそれなりの腐食やメッキの浮きなど確認出来る状態でした。

何年も楽器から離れていらっしゃったお客さまですが,最近再開する事になられたとのお話。

学生の時にお使いになられていた楽器で思い入れも有り、また新しい楽器の購入にも踏み出せず当工房のブログをご覧になってお問い合わせ頂いた様です。

 

ご依頼の有った楽器は元のメッキがニッケルメッキ。

ニッケルメッキの場合メッキが傷みだすと部分的な剥がれや荒れ・浮きが顕著になる傾向があります。

また元メッキの厚みも比較的有るのでメッキの剥がれた部分と残った部分に段差が生じ易く再メッキ後にそれが気になるケースも起き得ます。

 

楽器を分解し、木部は丹念な掃除とオイル処理を施します。

メッキ部分は傷みは確認出来る物の、地金までの腐食は見られないのでメッキの傷みや浮きの有る部分はヤスリで削り落とし更に細かい研磨で下地を作ります。

その後はいつも通りポストを銅線に通し、研磨したキーと一緒にメッキ業者へ送ります。

メッキ業者さんともニッケルメッキの楽器への再メッキと言う事で相談・確認を重ねて仕上がりを待ちます。

 

 

メッキを待つ間に木部のオイル磨きなどトリートメントを行い新品とは言えない物のかなり綺麗な状態に戻します。

そして戻って来たキーは指定のピンクゴールドで新品同様。

 

綺麗に仕上がった木部とキーに傷など付けない様に丁寧に組上げを行って無事お客さまの元へ。

 

 

後日ご丁寧はお手紙を頂き、非常にお喜びのご様子。

古い楽器ですが完全に戻ったコンディションで新しい音楽生活をお楽しみ下さい。

 

長年楽器を離れていた方で、また再開をされる方も多いかと思います。

是非再開される機会に楽器のお手入れをされ、気持ち良い再スタートをお切り下さる事を願います。