寒い冬は暖房器機を使用して室温を管理するため、室内の空気が乾燥しがちになりますね。お肌がカサカサになったり、唇が荒れたりするので加湿器が活躍する季節ですが、意外にも人の身体は温度には敏感ですが、湿度にはそれほど敏感ではないのだそうです。
しかし、犬の身体は温度だけでなく湿度にも敏感に反応するといわれています。今回はシニア犬に最適な室温と、冬に見過ごしがちな湿度の管理についてご紹介します。
シニア犬に最適な室温と目安とは?
一般的に犬に適した室温は20~24度といわれていますが、厳密にいうと犬の種類や大きさによって微妙に違いがあります。
目安としては以下を参考にしてください。
- チワワやトイプードルなどの小型犬は22~24度
- 柴犬やコーギーなどの中型犬は20~23度
- レトリーバーなどの大型犬は18~22度
- ピレネーやセントバーナードなどの超大型犬では16~20度
犬種や原産国によっても違いがあり、例えば寒い国で寒さに対応できるよう作出された犬は、密集したアンダーコートと水を弾く油分を含んだトップコートで体が覆われていて保温効果も抜群です。
一方、チワワやマルチーズなどの愛玩犬は、艶があるシルキーコートで見た目は美しいですが、水に濡れやすく保温効果はほとんどありません。また、体が小さくなるほど寒さに弱い傾向があります。
目視で確認できる目安としては、鼻を隠すように丸くなって眠る、または四肢や肉球が冷たい時は寒いというサインです。
室温が低いまま放置すると、血圧上昇からの不調や発症、血行不良からの不調や発症、低体温症などのリスクが高まります。
逆に、ハァハァと荒い息(パンディング)や、お腹を床につけて放熱する時は暑いというサインです。
室温が高いまま放置すると、冬でも熱中症、脱水症状などのリスクが高まります。
シニア犬は体温調節の機能が衰えていますので、こまめに愛犬の様子を見ながら最適な室温に管理しましょう。
シニア犬に最適な湿度とは?
エアコンやストーブで室温を管理するとき、室内の空気は乾燥しがちになります。もともと犬の身体は乾燥に強い傾向がありますが、シニア犬には弊害が出やすいようなので注意が必要です。
一般的に犬に適した湿度は40~50パーセントといわれており、シニア犬にもそのくらいが適しています。
目視で確認できる目安としては、活動中も鼻が乾いていたり、大量にフケが出る場合は湿度が不足して乾燥しているサインです。
乾燥が続くと鼻腔の不調、鼻や肉球のひび割れ、ウィルスや細菌に感染しやすくなるなどのリスクが高まります。加湿器で上手に調節しましょう。
逆に、耳の中が汚れやすかったり、肉球の間が湿っている場合は湿度が高いサインなので調節が必要です。
高湿度が続くと皮膚カビ、皮膚疾患発症、耳の中の炎症などのリスクが高まります。加湿器の水分は床付近に溜まりやすいので、循環させる工夫をするなどして注意してください。
温度と湿度の管理のコツ
どこのご家庭でも温度計が壁に掛けてあるのをよく見かけます。
犬よりはるかに身長が高い人間の適温を計るにはそれで良いのですが、体高が低い犬のための最適な温度と湿度を計るときは「床付近で計る」のが重要なポイントです。実際に温度を比べてみると、床付近と床から150センチ上部の温度では5~8度、湿度は5~10パーセントの差があることがあります。床付近は上部より温度が低く湿度は高めです。そのため、犬の活動空間の床付近で計測して調節してあげるのがコツになります。
しかし、床付近で調節すると飼い主さんの適温適湿に合わない場合もあります。飼い主さんと愛犬の双方で適温適湿に合わせるためにおすすめの方法としては、
- 床付近が寒くならないようサーキュレーターなどで上部の暖かい空気を循環させ、ともに加湿器からの湿度も循環させる。
- 床にカーペットやラグマットなどを敷いて床からの冷気を遮断する。
- 犬用の腹巻やお腹を覆うことができるタイプの洋服を着用させる。
など、上記のような工夫をしてみてください。
寝たきりのシニア犬には暖房やサーキュレーターの風の当たりすぎに注意して、毛布や湯たんぽなどでの調節をおすすめします。
まとめ
愛犬の室温と湿度の管理において、日本の気候の特徴である夏の高気温高湿度には充分に注意を払っていると思いますが、冬は寒さに対する室温管理が主になり、湿度は見逃しがちになってしまいますね。人より湿度に敏感な犬にとっては体調を崩す要因になることもあります。特にシニア犬は身体の循環機能や体温調節機能が衰え、免疫機能も低下しているため、気付かないうちに大きなダメージを負ってしまうことも心配です。季節ごとの気候の特徴に合わせて1年を通して室温と湿度の管理をしていきましょう。
寒い冬も適温適湿で飼い主さんも愛犬も元気にほっこり過ごせますように。
プロフィール
佐藤香織
2004年~2017年8月までミニチュアダックスフント専門のブリーダーとして貴重な血統を繋ぐための最低限のブリーディングを担い、公的な資格はありませんが、多数の犬の飼育に必要な生態学や心理学を書籍やベテランのブリーダー、実際の犬たちと共に学んできました。現在は10頭のミニチュアダックスフントと保護猫6匹を飼育しながらペットに関する記事を主とするライター業と、ペット飼育に関するペットライフアドバイザーとして活動しています。JKC認定資格 愛犬飼育管理士 保有
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