映画の脚本家だけに限らず、あらゆ創作活動にはお金、つまり制作費がかかります。
この制作費を意識して創作するか、しないかでプロかアマチュアかを判断している人もいるぐらい、プロになりたい人にとって、無視できないのが制作費なんです。
とくに、日本のプロデュサーや制作スタッフからよく言われるのが、「カーチェイスは書くな!」とか「夜のシーンは書くな!」と言った言葉。
これも、制作費の問題からくる一言なんですよ。
たぶん、「カーチェイスは書くな!」は、皆さんも想像出来ると思うんです。
ハリウッド映画並みの予算がなければ車がぶつかったり、走り回ったりする事なんてできません。
そもそも日本には、カーチェイスできる場所がない(笑)
そんな理由から、「カーチェイスは書くな!」は理解できますよね。
でも、「夜のシーンは書くな!」は、すぐに理解できないかもしれません。
理由は言われてみれば簡単。
答えは、照明器具を使わなければならないからなんです。
夜なので照明をセッティングしなければなりません。
照明器具を多く使えば、それだけ機材費が高くなり、予算がなくなるというのが制作スタッフの言い分なんですよ。
皆さんは、「日本映画界って、そんなに貧乏なの?」と思われたかもしれません
そうなんですよ、そんなに貧乏なんです(笑)
だから、ちょっと前に公開された「ミッショインポッシブル、ゴーストプロトコル」はショックでした。
「めちゃめちゃ面白かったけど、あそこまでやる金は我々にはありません!」というのが、日本映画関係者の本音だったような気がするんです。
でも、「金がないと面白い娯楽映画はできない」と認めてしまうのは、悔しい、悔しすぎる。
そこで、日本映画界には、つねに発想の転換が求められるんです。
「金はないから豪華なアクション映画は作れません。だからハリウッドには結局、勝てません」ではなくて、「金がなくても、良いアイディアがあります。だからハリウッド映画にだって負けないんです」という発想の転換が必要になって来るんです。
今、日本では意外にたくさんの自主映画、低予算映画が作られていますが、ほとんどはごく一部のミニシアター系ファンの人に向けてつくられているもので、娯楽性が薄いんです。
制作スタッフも「解ってくれる人にだけ解ってもらえば良い」と思って作られているところがあるように思うんですよ。
でも、そうではなくて、予算がなくても面白い娯楽映画が作れるというのを見せて行かないと、映画ファンの日本映画離れがますます進んでいくように思うんです。
そんな中、予算がない中でも、面白い映画にすることに成功した、日本映画があるんです。
この映画は、まさにアイディア勝ちという言葉がぴったりの傑作娯楽映画なんですよ。
今日もご紹介しましょう
内田けんじ監督作品、
運命じゃない人
つい最近まで、内田監督最新作の「鍵泥棒のメソッド」が公開されていましたが、映画ファンの中では、「運命じゃない人」を超える事が出来ないというコメントが多くあるようなんです。
それほど、良くできた映画です。
作風は、ガイリッチー監督作品に似ていて、コテコテの映画ファンから映画監督になった人の映画である事がよくわかるんです。
観終わってから、思わず、「その手があったか!お見事!」と言ってしまうほど、良くできた脚本でした。
ポイントは、携帯電話。
携帯電話の携帯する特性を余す事なく使って、一流の娯楽映画に仕上げています。
僕にとって、「金がないは、言い訳にしかならない」という事を身に染みて理解できた映画でもありました。
どんな仕事でも、つねにアイディアをみつける意識は大事という事なんですね。
ぜひご覧なってください。
