さて、前回の記事で私が最近終えたゲームと始めたゲーム、隻狼とGhost of Tsushimaのざっくり紹介と相違点について書きましたが、今回はいよいよ二次創作的な観点から抽象化して「こう見るとエモい!」という所を分析していきたいと思います。
今までの抽象化のコツの記事では、設定をすり合わせて同じ世界観の作品として見るという形式を取っていましたが、今回並べる二作品は世界観を揃えたとて関りが生まれない可能性が高そうなので、これまでとは違ったテイストになるかもしれません。
因みに私がこの二つの作品を並べてみた時に感じるのが、制作会社もシステムも違うのに、不思議とその差が普通に「侍」と「忍び」を比べているだけのような塩梅に見える面白さだったりします。
どちらも時代物の鉄板キャラという点は共通しているが、明確に違うというような…
流石に言葉だけではピンと来ないと思いますので具体例を挙げていきますね。
まず最初に両作品の特徴として、主人公に親はおらず、別の存在が親代わりになるという所があります。
狼に関しては、OPムービーの段階で既に一人であり、戦で親を失ったのか、既に捨て子だったのかは分かりませんが、本編から2~30年前と推測される葦名一心の国盗りの戦の終結時に大忍「梟」に拾われ、以後梟を父と仰ぎ、忍びとして生きていくことになります。
対する仁は過去の記事にも書いた通り、對馬における反乱の戦の時に目の前で父を喪い、以後對馬の地頭である志村が親代わりになって侍としての生き方を叩き込まれます。
狼の方は幼少期の描写はほぼ無いものの境遇が近い事もあってか、昨年Ghost of Tsushimaが発売されてからは、幼少期の狼と仁を並べる二次創作のファンアートがよく作られていた様です。
狼は義父に、仁は伯父に手を引かれすれ違い一瞬お互いの視線が交錯する。
本来世界観を揃えても時代的に会う事は無い二人なので、IF設定でしか拝めない構図ですが、私自身そういった絵を見かけた時はいわゆる「エモさ」を感じました。
育ての親に対する絶対的な信頼も近しい要素には感じます。
主人公の二人には大切にするを通り越して決して失ってはいけない心情があるという所も似通っています。
仁は侍としての「誉れ」、狼は忍びの「掟」
最早人格の一部と化しつつあるそれらを守り抜くのか捨てるのか、その葛藤に苛まれる所も共通と言えるでしょう(狼は表面上の葛藤はあまり見えませんが)
プレイヤーのロールプレイ次第な所もあるので一概には言い切れない所もありますが、利他的で本質は心優しい性格である所も似通っていると私は考えています。
NPCを助けたり倒したりするのはプレイヤーの裁量になるので、時に見捨てたり攻撃したりする事はあるかもしれませんが、少なからずゲーム側が用意した動きを必ずする事になる会話シーン等では、相手への配慮が二人とも見えるのです。
あと、私が感じた二作品を並べた面白さとして、どちらも飛んだり駆けたり縦横無尽に動き回るアクションがあるのですが、いい感じに侍と忍びって感じのプレイ感になっている所があります。
これは本当にプレイしてみて感じてもらいたいのですが、どちらのゲームにもワイヤーアクションの要素があるんですが、スピード感がかなり違うんですよね。
スピードを比べれば圧倒的に狼の方が速いわけですが、イメージ的なものが強いとはいえ普通に考えてそりゃ忍びはそういった移動が得意だよなという所があるじゃないですか。
絶対的なプレイ感の差があって、普通に考えればゲームのシステムや表現の問題なわけですが、全く意図した所では無いものの、それぞれの主人公のジョブの違いにフォーカスすると妙にしっくりくるのが個人的に何かツボなんですよね。
むしろ、「子供の頃から身軽」というだけであれほどの八面六臂の活躍をする仁のポテンシャルの高さすら感じます(笑)
相違点にするか共通点にするかで迷った要素では作中の超常的存在という観点もあります。
Ghost of Tsushimaの本編では、妖怪が出たという噂は悉く野党等の人的な原因があり、超常的存在は無いものとして扱われますが、隻狼には首なしの武者が出たり竜が出たりとバンバン超常的存在が出てきます。
しかしGhost of Tsushimaにも、過去の記事にも書いたマルチプレイ要素の冥人奇譚の方にはバリバリ怪異が現れるので色々と話が変わってくるんですね。
本編の方も狐が明らかに意志を持って仁を案内するシーンや、鳥や風が仁を導く描写もあるので、一概に超常的な物を否定している訳ではなさそうですしね。
そういった要因でGhost of Tsushimaの本編と奇譚の境目を曖昧に捉えると、隻狼の雰囲気との相性は結構良いものになると思っています。
こう考えると、表向きの雰囲気の違いも、外道に身を堕としているとしても本質としては「侍」という表舞台の存在である仁を描くGhost of Tsushimaと、「忍び」として一国の存亡を争う戦の裏で跋扈する狼を描く隻狼というように意味のある対比であるように見えてきてエモいんです。
この様に二つの作品を「侍」と「忍び」という観点から捉えていくと芯は近いものがあり、しかし、それぞれの個性も活きているという事が分かります。
それぞれをそうやってゆるく比べながらプレイして見ると二つの作品で二倍以上の効果が見込めるので是非お勧めです。
あ、忘れてました、両者に絶対的に共通するポイント、それは
絶景
です。
この視覚的な感動に関しては本当にプレイしないと分からないので是非プレイしてみてください!
