今回は「イメージの持つ力はバカにならない」というお話を私の体験に基づいてお伝えします。
今回それを実感したのは身体の使い方に関する出来事でした。
話の流れを分かりやすくするために前提条件をお話ししましょう。
そもそも私は、さして活発な方とは言い難いですが、その割には結構身体操作法の様な物には興味があり、日頃走ったりはあまりしないものの、毎日空手で学んだ動作を何かしら確認するといった事をするタイプです。
高い出力を出す的な意味でのハイパフォーマンスは目指していませんが、省エネで効率的な動きという方向性でパフォーマンスを上げたいという事ですね。
実を言うと過去の記事でも書いたコントラバスの弓の持ち替えなんかも、根本には「歳を重ねてもしっかり楽器を鳴らせるように」という願望があって、奏法を研究した結果だったりします。
そういった興味関心が前提にあり、空手に限らず色々な武術等を解剖学等で合理的に解説する、といった本などを読んで雑学を集めてたんですね。
その中でも過去の記事にも書いた、高岡英夫氏の身体操作論はいくつか著書も買って、知識だけは積んでいたんです。
この知識だけはというのが中々厄介で、頭ではなんとなく理解出来た気がするが、いまいち実感が湧かないというか、実践出来ない事がかなり多かったんです。
その中の一つに腸腰筋を使うという概念がありました。
腸腰筋というのは造語で、厳密には大腰筋と腸骨筋が連動して動くのが最適であるということからまとめて呼んでいるとの事です。
興味がございましたら著作を読んでみてください。
そして、この腸腰筋を上手く使うという話から発展して、正しい脚の使い方が出来ている時は、太ももの前面ではなく後ろ側の筋肉が働くという話があるのです。
どうでしょうかイメージ湧きますか?
私は湧いたような湧かないようななんとも言えない感覚で、とりあえず太ももの裏を使っている感覚を追おうとしたものの、いまいちな感じでした。
要するにイメージが明確に出来ていなかったんですね。
大腰筋?腸骨筋?今動かしている筋肉はあっているのか?というような感じです。
直接教わる事が出来れば結果は違うのでしょうが、やはり文章だけで身体の使い方を修得するには無理があり、気付けば腸腰筋がどうこうといった感覚を追うのもやめていたんです。
しかし、先日、突然その感覚が理解出来る瞬間がありました。
それは、このブログでも度々話題に挙がっている大学時代の先輩齋藤順さんのオンライン講座を受けてからの事です。
そもそも齋藤さんの講座を受ける経緯に関して、記事にするのを忘れていましたが(笑)それはまた後日記事に纏めます。
講座の中でちょうど同じように腸腰筋まわりの話も説明されていたのです。
その中で大腰筋に関して「ちょうど鳩尾くらいの高さの背骨から人の腕位の太さの筋肉が伸びている」という説明があり、それが非常にしっくり来たんですね。
いや、正直既に読んだ筈の本にも同じような事は書いてあったのかもしれませんが、自分の中に入っていなかったのです。
これもスコトーマですね。
いずれにせよ、自分の身体に位置関係やサイズ感が明確に出来た事で大腰筋の感覚が生まれたのです。
その上で起きた面白い変化なのですが、大腰筋のイメージが出来たと同時に、自然と歩く時に太ももの裏側を使う様になったのです。
何故実感が出来たかというと、大腰筋を意識して歩く事で太ももの裏が軽い筋肉痛になったんです。
今まで使っていなかった筋肉を使う様になったということですね。
結構不思議な話だとは思います。
私がイメージした大腰筋が、身体の実際に沿っているかは正直分かりませんが、太ももの裏という分かりやすい形で表れたのは事実です。
因みに齋藤さんの講座では、逆に太ももの裏側の働きについては述べてはいませんでしたが、私が事前知識を持っていた為に繋がったようです。
今まで出来なかった事が、明確なイメージ持つ事で突然出来る様になる。
人の可能性を感じますね。