前回の記事からの続きです。前回は大きな目標に関しての話をコントラバスとの出会いから綴り、道中を楽しむ事に関しては目標の本質を考えながら色々と寄り道しているというところまで書きました。。 

 

 道中を楽しむ要素の一つが以前の空手の身体意識を演奏に活かす記事にも書いた二種類の弓の両方を使える様にすることです。 

 

 私の様に弓を持ち替えて弾く人はそんなにいないというか、アマチュアではオーケストラではフレンチ一択で吹奏楽の時に使うかどうかという方の一例を除いて見たことがありません。 

 

 日本の場合は過去の記事にもあった通り、ジャーマン式が優勢なのでそこから始めてフレンチに転向する人は多少いるのですがそういう方々もフレンチ式を習得して以降はそちらのみという方がほとんどです。 

 

 これもある種本質をどこに置いているのかだと思います。どちらのタイプの弓も言ってしまえばどちらでも成立するから現在も両方残っているのであって、多少の得手不得手はあっても同じ表現は出来るはずなのです。 

 

 単純に音楽の中の一つの楽器としての能力を伸ばしたいのであれば無理に両方習得する必要はありません。しかし、コントラバスそのものにフォーカスしてコントラバスで出来る事は全て出来る様になると言うのであれば、どちらの弓も扱えるというのはその範疇に入るのです。 

 

まあ追い求めたきっかけはかっこいいからでしたが(笑) 

 

 とはいえここら辺のモチベーションがあると行動力は変わるものです。身近にフレンチ式を教えて下さる方がいなかったため、ネット上に落ちている情報を漁り、弓を買い、実際の演奏会に短い曲はフレンチ式を使うという所から始めました。 

 

 衝動的に弓を買ってから先に始めていたジャーマン式と感覚としては遜色なく、かつ状況に応じて使い分けられるようになるまで5年ほどかかりました。 

 

 その間にも両方の弓の扱いに関する目標は精査され細々と変わっていきました。 

 

 最初はジャーマン式と同じ様な音が出せるようにという所から始まり、フレンチの方は様々な曲をまず弾ききる事が目標になったり、現在は作曲家やほしい表現によって弓の持ち方関連の身体の使い方だけではなく、どこの楽団を参考にした鳴らし方にするかという所まで工夫するようになったのです。 

 

 時間はかなりかかりましたし遠回りはしましたが、あきらめずに練習を続けた結果最初は無理じゃないかと思う0からフレンチ弓を扱えるようになるという事が達成できたのです。 

 

 大きな目標であるコントラバスで出来る事は全て出来る様になるに関しての弓の扱いという事に関しては一定の成果を得る事が出来ました。 

 

 課題はまだまだあります。ソロの音域の習得、これは曲によってはソロ用にチューニングを変える必要のある作品もあるので、頭の中の運指表の書き換えも必要になります。 

 

 リズムや和声等の音楽理論的な部分を学ぶ、これは正直今まで及び腰だった部分で、これらを習得することで私の楽器人生のきっかけになったジャズへの対応も見えてくる部分です。 

 

 歴史的なチューニングへの対応、コントラバスの全てとなるとその成立過程での他のチューニングとそれに合わせた曲の習得も視野に入れる必要があるでしょう。 

 

 これらの目標が絡み合い最終的に大きな目標の質を上げていくのです。そしてこれらの目標を精査し、道筋を試行錯誤していくうちに大きな目標が別の物に変わる可能性も充分にあり得ます。 

 

 これが今の私の音楽に関しての目標と道中を楽しんでいる現状です。単純な感想としてこの道すがらにとても満足しています。 

 

 皆さんも音楽や趣味だ仕事だ拘らずにこの目標設定をして、そこへ楽しみながら向かう様にしてみてください。焦らず、のんびり行きましょうずっと続けていれば大概の事は叶います。