以前の記事で感情に振り回されて失敗した話をしました。そんな中、丁度今読み進めている書籍の中で感情に纏わる話があったので、それを元に失敗を分析しようと思います。
そもそもの大前提として人間は感情から強い支配を受けています。
その理由の一つは脳の成り立ちに由来するそうです。感情を司る偏桃体は大脳辺縁系と呼ばれる脳の奥の方にある部分に存在します。
脳の進化の流れをイメージしてみましょう。簡単に言えば雪だるまです。
生きるのに必要な、いわゆる本能のような物等を司る脳幹を中心に古い性質を持つ構造の上に新しい機能を持った構造が積み重なっているという状態です。
我々人間の脳は論理的思考を司る前頭前野を含めた新しい構造の部分が大きく発達しているのですが、生命の維持という生物の前提条件を司る古い脳の影響力はとても強いのです。
過去の記事でも少し触れていましたが、生命を守るための働きとして恐怖や嫌悪、悲しみ等の負の感情が有り、その優先度は何もしなければかなり高いということですね。
これを知って個人的な見解が一つ生まれました。
「余裕がある人は怒らない」という言葉を聞いたことは有りませんか?一言一句同じとは言わなくても近いニュアンスの事は聞いたことがあったり、そういった人を身近で知っていたりすると思います。
これは視点を変えて考えると「生命の危機を感じる程のストレスを受け取っていない」ということなのだと思います。
危機的なストレスが無いからこそ、そこは安全=余裕があるわけですね。負のストレスにさらされていなければ古い脳は新しい脳のすることに口出ししないのです。
話を書籍の内容に戻しましょう。脳の感情を司る部分は、古い脳の働きによるもの。言い換えるならば感情は周りの環境に左右される生体活動に過ぎないのです。
暑いから汗をかく、栄養が足りなくなったから腹が減る。疲れたから眠くなる。それらと同等の物なのです。
にわかには信じがたいかもしれませんね。というか、頭で理解していても実感が湧かないのでは無いでしょうか。正直私も実感が伴わなかったから失敗したんです。
本能や理性でコントロール出来ないものと、思考という高度な働きに絡む感情が同じただの生体反応だと言われると違和感が有りますが、分かりやすい例を挙げてみます。
とてつもなくお腹が減った状態を想像してみてください。もう仕事中であろうが遊びの最中であろうが、何か食べたいという欲求がどんどん頭の中を支配されていくでしょう。
何か腹の立つことや、悲しいことが有ったときはどうでしょう?やっぱりイライラや悲しみが、ずっと気になって仕事にせよ趣味にせよパフォーマンスが落ちた経験がある人は多いのではないでしょうか。
パフォーマンスが落ちている時の集中できないモヤモヤした感覚は、空腹もイライラも意外と似ている気がしませんか?
この様に感情とは思考に影響力が強い割に本能に近い厄介なものだったりします。
しかし逆にいうとこの現代社会において空腹もそうであるように、本能に近いレベルで強烈な感情が必要な場面などほぼ無いのです。
まずここを理解してください。まだこの先に話は続いて居るのですが、まだ書籍を読み終えていないので、また読み終わったらこの感情との向き合い方についてお伝えします。