前回の記事では臨場感を感じることの大切さを書きました。元々の引用は苫米地博士の書籍、つまり苫米地式コーチングの理論なのですが、面白いことに苫米地式コーチングと繋がりのない分野にも似たような教えがあったりします。

 

 これは持論なのですが、関わりのないはずの分野で最終的に近い結論に至るいわば収斂進化に近い現象が起こるのはその観点が本質に近い故だと考えています。

 

 因みに収斂進化とは系統が離れているにも関わらず、生態や姿形が似る現象だと思ってください。例えばオーストラリア大陸は有袋類という古い段階で人間を含む有胎盤類と分化した哺乳類がいます。

 

 その有袋類の中にはフクロオオカミ(絶滅)やフクロネコというように有胎盤類でいう狼や猫に近い生態を持っています。

 

 形態でわかり易い例と言えば、サメとイルカやシャチも挙げられます。片や魚類の中でも原始的な軟骨魚類、片や一度地上に進出した後に海に生活の場を移した哺乳類。種の隔たりはかなり大きいですが、フォルムが近いというのは中々面白いです。

 

 この様な収斂進化は、生態系における種々の関わりにおいて必要な役割が共通していたり、形態に合理性が有るために起こるのだと私は考えています。

 

 話を戻します。臨場感を強く持つ事の大切さを説く苫米地式コーチングは認知科学に基づいた研究によるコーチングの理論体系です。

 

 ここでいうコーチングとは仕事や趣味、生活全般等のあらゆるジャンルの目標設定とそこに至るまでのマインドに関する指導を指します。

 

 認知科学はいわば脳の働きから入るジャンルですが、同じ様に指導するという事に関して体の働きからイメージ=臨場感を大切にするという結論に至った方が居ます。

 

 それは以前の記事で少しだけ触れた高岡英夫氏です。骨格や筋肉の働き、呼吸等、身体の構造からより良いパフォーマンスを出すために必要な要素を研究した結果イメージの力を重要視しています。

 

 現在私が読んでいる、高岡英夫氏の著作には高いパフォーマンスを生み出す為には身体の使い方と共に重力に対する感覚を磨く事が大切だと書かれています。

 

 重力に対する感覚を意識するために、地球の中心をイメージしてさらに自分がその約6000km(地球の半径)上空に立っているイメージするのだそうです。

 

 さらにその中心は美しいシルバーだと思うと良いそうです。実際に高岡英夫氏がこの理論を元に指導を行った所、イメージさせる色によってパフォーマンスが変わったそうです。

 

 因みに前回の記事で気功等に強い期待を抱きすぎると上手く行かないという話もしましたが、高岡英夫氏も軽くイメージをするのが大事との事でした。

 

 このように脳からアプローチにおいても、身体操作からのアプローチにおいても、イメージ=臨場感が大事だという点においては一致するのです。

 

 今回は私が読んだ書籍からの例を挙げましたが、次回は私の実体験に基づいた、臨場感の効果についてお伝えします。