ちょうど対になるような書籍を持っていたので連続で苫米地式書籍レビュー第2弾を書いてしまいます。前回が「読む」に対して今回は「書く」です。

 

人を動かす「超」書き方トレーニング

 

・全体のテーマ

 

 今回は、文章の書き方というテーマを伝えることの難しさ論理の構築の仕方といった観点から切り開いて解説しています。

 

 この書籍実は前回紹介した速読トレーニング本よりも前の刊行なのですが圧倒的な知識が物を言う等結構中身に近いものがあって面白いです。

 

 やはり根底には苫米地式コーチングの紹介要素もあるのか、苫米地式コーチングの用語も説明とともによく出てきます。

 

・概要

 

 構成は序章から第八章までの全九章で構成されています。まず名文とは何かの種明かしから始まり状況によって求められる書き方・文体が違うことを示し、人の認識の落とし穴とその回避法、論理的な思考のとは何かと訓練法…という様な流れです。

 

 また、文芸作品とそれ以外の文章では何が違うのか、以前の記事に書いたような抽象化の手法が使って説明されています。意外と曖昧になりがちな線引きをしっかり理解できるのでここの理解だけでも文体選びには役立ちます。

 

 最終的には何を伝えるのか、その内容を充実させる為の感性を磨けという事にまで言及されています。小手先の技術ではなく、実があれば自ずと伝わると言うことです。

 

・私なりの要点

 

 今回も私なりの要点をまとめてみました。せっかくなので、前回紹介した速読本との繋がりを感じられる様な部分も紹介していきます。

 

①やっぱり物をいうのは情報量

 のっけから既に被っていると思われるかも知れませんが、確かにその通りです。しかし、裏を返せば前回紹介した速読本はこの大前提を盤石にするための物といっても過言では有りません。

 

 因みに第一章では「殆どの人が読書量が足りていないのでとにかく名文か悪文かの区別を考えるよりもたくさん本を読め」と述べています。

 

 ここで前回紹介した速読本の威力が発揮されるわけですね、この書籍では多く触れられていない本の読み方、選び方を利用することでさらなる相乗効果を望めます。

 

 ここで溜め込んだ情報が最終的に述べられる感性を磨くという話にも繋がります。とにかく文章を読むということで文体の良し悪しの判断基準が身につきますし、興味が湧く分野というものも明確化され、自分が語るべき論も充実するでしょう。

 

②読み手の世界を豊かにするか、書き手の世界を伝えるか

 

 文芸作品とそれ以外の文章の違いを指した表現です。自分では意図していませんでしたが、メディアミックスの記事で伝えた内容にも通ずる物があるかなと思います。

 

 自分の認識を相手に正確に伝えるにあたって、文章は中々に情報量が少ないためこの書籍にも有るようなテクニックを様々に駆使する必要があります。それでも伝わらない覚悟は必要です。

 

 しかし文芸作品となると今度はそれを逆手に取って相手の想像力を膨らませるという手段が功を奏する場面も多いわけです。

 

 理屈としてどうこうは本文に詳しい説明がありますが、想像力を膨らませるということと正確に伝えるということが感覚的にかなり隔たりが有ることが理解できると思います。

 

③チャート式トレーニング・論理の構築の仕方

 この書籍の具体的な役立ちポイントは特にここだと思います。特にチャート式トレーニングこれはかなり自分の考えの整理に役立つので是非実際に自分で手を動かしながらやってみてください。

 

 余談ですが、このチャート式トレーニング、最初は文章で説明されて、巻末に図が載っています。最初は文章のみで目的の状態で書き出せるか一種のビジュアライゼーションの訓練にもなるのでやってみてください。 

 

 そして、論理的な考え方とは何か、妥当性を生み出すポイントは何かを用語から関詳しく解説されています。正直読んですぐに実践出来るかは別問題となりますが、物に出来れば思考のレベルが上がることは読めばすぐに伝わると思います。

 

 

・終わりに

 上記に3つ挙げた要点は正直な所ほんの一部でしか有りません。かなり実践的な小論文の書き方もありますし、速読本と同じくすぐに効果を発揮する部分と後々大きく効いてくる部分が大量にあります。

 

 何よりのポイントは書き方を伝える本だけあって分かりやすいというところです。

 書く力は身につけて困ることの無い能力です。論理的な思考も身につけ人生を豊かにしましょう。