前回の記事抽象化して視点を変えるという考え方をお伝えしました。実は私自身この考え方そのものをはっきり知ったのは最近の事だったりします。しかし、その概念を知る前から自分の中にあった考え方がそれに近い物だったようで、抽象化の利点を聞いた時にすんなりと理解できましたし、元からあった考え方に対する理解も深まりました。

 

 今回はそんな抽象化にも役立つ私の考え方についてのお話です。

 

 1つ目の思考は争いたくないというものです。

 とはいってもこれは何も平和主義が大事だとか、私が慈悲深いというようなことを意味するのではありません。以前の記事にも書いたように私自身が怒りを感じると、力が出るというような効果が出るより先に体調を崩してしまうのです。ここで問題なのは、怒りという感情そのものが体調を崩しにかかるので表面上取り繕うことは全く無意味な点です。誰かと対立しても体調を崩さないためには怒りそのものを回避しないといけません。

 

 人と対立しないため、意見がぶつかり合わないために何をするのか…そのためにやることが争点の細かい分析です。争わない考え方で紹介したうちの3つ目の要素です。ここで大事なのが自分が大切にしている事を最も小さい一点で捉えるようにすること、同様に相手が何を重視しているかを最も小さい単位で理解しようとすることです。その最も小さな単位がいわば本質であり、意外とちょっとした油断で見落としてしまう事を認識しましょう。これが抽象化に役立つ側面です。

 そして自分と相手の大切にしていることの本質を理解するのと同時に、相手の立場ならどう見えるかまで思考を巡らせる事も大事です。それは客観的に自分の主張が通るように表現できているかという視点を持ったり、相手にとってその主張がどれほど眩しく見えているのか、または相手自身が主張の本質を理解できているのかといった視点を持つと言うことです。お互いの主張の要素を細かく分析した上で相互に正しく本質に向き合えば本当の問題点の発見にも繋がります。これが視点を変える事に役立つ視点です。

 

 主張の対立をざっくりとですが物に例えてイメージしてみましょう。何も分析しないままの互いの主張をバランスボールの様な大きなボール、細かく分析した結果出てきた互いに大切な主張をビー玉だと思ってください。バランスボール同士を投げ合えばぶつかり易いのは想像に難くないですね。ではビー玉を投げ合えばどうでしょう?むしろぶつけ合うほうが至難の業だと思います。さらにお互いを壊し合うほどの勢いと正確性を持って真正面からといったような条件をつければもっと難易度は跳ね上がります。要するに、お互いが本質を理解した上で冷静に意見を交換すれば激しいぶつかり合いそのものがまず有り得ないということです。

 

 前回の記事のおさらいというか言い換えになりますが、抽象化とは物事を構成する要素の分析と小さな要素を用いたカテゴライズであり、そのカテゴリの種類を多く引き出すのが視点を変える能力です。

 今回挙げたような争いたくないという思考を実現するためにはそれらの能力が役に立ち、また、それらの能力を理解することで争いを避ける精度も上がるということです。

 

 1つ目の要素の説明だけで思いの外ボリュームが出てしまったので、2つ目以降も要素一つにつき1記事に纏めていくことにします。次回の記事もお楽しみに!