神話の法則とは簡単に言うと売れる物語を書くために必要な要素の事です。指輪物語、ハリーポッター、マトリックス etc.ジョージ・ルーカスはスターウォーズの制作に際してこの法則を適用したことを公言しています。
しかし、前回の私の自己紹介のようにこの法則というものは何もファンタジーに限った話ではなく、現実の世界にも当てはめる事が出来ます。また、意外なことにこの法則はビジネス系にも応用されています。具体的にはセールス向けのコピーライティング等で役立ちます。
ビジネス関連の応用は他でも学ぶ事が出来ますが今回の記事では、この法則を用いることで得られる自分との向き合い方の視点についてご紹介いたします。
まずはじめに、この法則を自分に当てはめて物語を作ることで一種のなりたい自分のような目的が生まれます。最終段階で何かを得ている自分を描くことになるので、そこで何を得たいのか、どんな状態が自分の望む理想なのかを問いかける事になるからです。ここで大事なのはこれを行う時には何か新しい挑戦をする決意をした時にすること、そして現在の自分が一つの理想の姿を体現している、というスタンスで書くことです。
大きな目標を達成していないのに今が理想では成長を見込めないのではないか?と思われるかもしれません。しかしそこに関しては心配いりません。例で挙げた物語の様に、神話の法則は一種の入れ子構造になっています。
始まりの冒険の達成の後、次の冒険、また次の冒険と続きがありそれを大きくまとめることで一つの神話となるということです。新しい挑戦をしようと心に決めたということは、今までの日常をそのまま続けて行くという現状維持の思考から脱却という一つの成果を挙げています。まずはそこに至るまでの変化に目を向けて達成した事を認識することで、自分に対しての肯定感が生まれると同時に次の冒険に対しても充分に挑戦できる姿に臨場感を持つことが出来るのです。
次に得られるメリットとしては自分の過去を整理し、意味を持たせることが出来るという事が挙げられます。先程の話の続きにもなりますが、それまでの自分はどういった存在だったのか、何故変わろうとしたのかを見つめ直すことで自ら対する理解が深まります。
人は意外と自分自身の事が分かっていない事が多いです。しかし神話のプロットに沿うために自分の行動に向き合えば「あの時の自分は周囲に流されて居たのではないか」「思考が停止していたのではないか」ということや、「ここで決断を下したのは何を大切にしたからだ」「自分の本当にしたいことは何なのか」といった自分自身の行動に意味を見出す事が出来るのです。
自己理解が進む、そして自分の行動の意味を理解しようとする癖が付けば周囲の意見に何もなく流される事も無くなりますし、決断をする時に判断がブレにくくなります。
そして、自分の神話を作るということは視点が変わる、つまりは俯瞰的に物事を見る能力をつけることにも役立ちます。
生きていく上で自分の「情動」=「何かに心を動かされる事」は大切な事でそれが行動の原動力や生きる喜びに繋がります。しかし、その情動しか見えなくなってしまうと判断を見誤ったり、他に割くべきリソースを無駄にしてしまう事にも繋がりかねません。
しかし、自分を一つのキャラクターに見立て、高い視点から見つめ直す事が出来れば一定以上何かに入れ込み過ぎそうなったとしても情動と行動を切り離して考える余裕が生まれます。
さらに言えば、これまでの人生で主観的に見ていては見落としたり、過小評価で流してしまっていた出来事に関しても客観的な評価を下す事が出来ます。大概の場合において、自分の人生が思っている以上に劇的で目を向けるべき物であることに気付くでしょう。
以上が私自身で自らの神話を作ってみて得られた新たな視点です。神話に自分を落とし込むことは自分を見つめ直すことと、己の望む自分を作る事に役立ちます。
皆さんも自分を変えたいと強く願うことがあればこの神話の法則を利用してみることをオススメします。