このPart.15では、Part.7で解体したバンド切換え機構を復元します。
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シャーシの正面側です。
左側青円内の軸受けにバンド切換ツマミと選局ツマミのシャフトを取り付けて、
それに連結されている“平行クランク”の他端のクランク金具を、右側青円内の
バンド切換用ロータリースイッチのシャフトに取り付けます。
k02
“平行クランク”を構成する部品です。
これをシャーシ上の軸受けとバンド切換えスイッチのシャフトに取り付けます。
左端のバンド切換ツマミのシャフトと選局ツマミのシャフトは同軸構造になって
いて、外側のバンド切換ツマミのシャフトにはクランク金具が付いています。
右端はバンド切換スイッチを回転させるクランク金具です。
2つのクランク金具は連接棒で連結されていて、ツマミの回転運動が連接棒の
往復運動に変換されて、右側のクランクで再びスイッチの回転運動に変換される
“平行クランク”として機能します。
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連接棒の両端の直角に曲がった部分に挿し込まれていた割ピンを引き抜いて、
両端のクランク金具を取り外しました。
連結棒を挿し込むクランク金具の穴に填め込まれていたゴムブッシュが、両方とも
擦り切れて裏表二片に分断されてしまっていて、本来の機能を果たしていなかった
ように見えます。
新品に交換した方が良さそうです。
こんなレトロでレアそうな部品が手に入るものだろうか?と心配しながら、
某ネットオークションで捜してみたら、“真空管ラジオ用部品”として
「ケーブルブッシュ」という名前で、よく似た形の部品が出品されていました。
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写真を見て何となく使えそうな気がしたので、入札して落札しました!
本来は、金属製シャーシに丸穴を空けてケーブルを通す時、その丸穴に填めて
ケーブルの被覆を保護する目的で使用する部品かと思われます。
取付穴径10~11mmに対応する『大』、取付穴径8~9mmに対応する『中』、そして
取付穴径6~7mmに対応する『小』の3サイズが各3個ずつ入った合計9個のセット
が¥300-でした。
同じ出品の中に、真空管ラジオ用の「パイロットランプ」、「ダイヤル糸」、
「糸掛け用スプリング」も含まれていました。
入札、落札後に自由に各部品の購入数を決めて、出品者に連絡して入金すれば購入
できる取引形態になっていました。
4品目とも今後必要になりそうなので、適当な数を見繕って購入しました。
参考に、この出品者の全出品リストへのリンクを設定しておきます:
『 vintageshop1948さんの全出品リスト 』
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『小』が現用品とほぼ同じサイズのようです。
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両方のクランク金具にブッシュを取り付けました。
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バンド切換ツマミ側のクランク金具です。
ピッタリ適合しました。
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バンド切換スイッチ側です。
こちらもピッタリ適合しました。
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ツマミ側クランク金具のブッシュに連接棒を挿し込んで割ピンで留めました。
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スイッチ側クランク金具も同じように連接棒を挿し込んで割ピンで留めました。
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ゴムブッシュの交換完了です。
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左側青円内がツマミのシャフトを挿し込む軸受で、右側青円内がバンド切換え
スイッチのシャフトです。
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とりあえず仮付けしてみました。
特に問題はなさそうです。
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一旦取り外して、シャフトの軸受けとの接触面に潤滑剤をスプレーしました。
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改めて正式に取り付けました。
バンド切換ツマミとスイッチの間の“平行クランク”の完成です。
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ツマミ側です。
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バンド切換えスイッチ側です。
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バンド切換ツマミを“中波”の位置に合わせて電源を入れました。
“中波”を表示する左側の豆電球が点灯しています。
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バンド切換ツマミを“短波”の位置に切り換えました。
“中波”の豆電球が消灯して“短波”を表示する右側の豆電球が点灯しました。
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これは修復前のオリジナル状態の写真です。
バンド切換えの“中波”の表示には『透明ガラス』の豆電球が使用され、
“短波”の表示には『赤色ガラス』の豆電球が使用されていました。
しかし、いずれもフィラメントが断線していて、『透明ガラス』の新しい豆電球
は先に書いたネットオークションで入手できたけど『赤色ガラス』の豆電球は
入手できなかったので、やむなく『透明ガラス』の豆電球で代用しました。
結果として、バンドを切り換えても光源の位置が15mmほど移動するだけという、
冴えないディスプレーになってしまいました。
引き続き気長に『赤色ガラス』の豆電球を捜します。
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オリジナル状態の写真と見比べて、クランク金具の取り付け位置が微妙に違う
事に気が付きました。
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クランク金具の表面がシャフトの先端面に一致するように微調整しました。
これで完成です。
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この続きは“Part.16”(公開済み)へ・・・
《参考サイトへのリンク》
vintageshop1948さんの全出品リスト





















