真空管ラジオ『 コロムビア COLUMBIA 1510 』の修復 - Part.6 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
Part.5までの結果より、このラジオの問題点は次の通り:
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<現状の問題点まとめ> は解決済み。
①短波は受信できるが、中波が受信できない。
 ②受信中、VOLUMEツマミの位置に関係なく常に最大音量?で鳴る。
 ③VOLUMEツマミを動かすと、かなり頻繁に「ガリガリ」『バリバリ』と
  最大音量?の雑音が出る。
④局部発振回路の中波用バリコンの配線が取り外されている事が判明!
  これが①の原因になっている可能性が大である。
 ⑤コンデンサ、抵抗などの部品劣化の懸念有り。
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①と④は解決済み。
②と③はVOLUMEの可変抵抗器の故障が原因と思われるので、
 交換用の可変抵抗器を入手した。⇒後日交換する予定。 
⑤を調査した結果、複数のコンデンサに絶縁不良有り。
 ⇒コンデンサと抵抗をすべて新品に交換する。

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⑤の交換作業は、先ずシャーシ上の全てのコンデンサと抵抗を取り外して、
次に回路図に従って全てのコンデンサと抵抗を取り付ける手順で行う事とし、
このPart.6では、コンデンサと抵抗の取り外し作業を行います。

b01

b01

このラジオのキャビネットとシャーシ間は、電源ケーブル、アンテナ配線、
アース配線、ピックアップ配線、そして出力トランスへの配線で接続されていて
これらが繋がったままではシャーシの可動範囲が狭くて部品の取り外しが難しい
ので、各配線の一方を取り外してキャビネットとシャーシを切り離します。

電源ケーブルだけは電源部のコネクタからプラグを引き抜けばOKだけど、
他の配線はハンダゴテでハンダを溶かして取り外す必要があります。

b02

b02

先ずアンテナ配線(白色)を“A”端子から取り外します。

キャビネットの内側側面に取り付けられている端子板の端子は、上から順に
“A”:アンテナ接続端子
“E”:アース接続端子
“P”:ピックアップの+側接続端子
“U”:ピックアップの-側接続端子
の4個があって、1本の単線と1本のシールド線でシャーシ内の対応する回路
に接続されています。

“A”は単線でシャーシ上のロータリースイッチに接続されています。
“P”はシールド線の芯線でシャーシ上のロータリースイッチに接続され、
“E”と“U”は端子板の裏で接続されていて、“U”端子からシールド線の
シールド網線でシャーシ上のアース端子に接続されています。

b03

b03

“E”と“U”に対応するシールド線の網線と“P”に対応するシールド線の芯線
をシャーシ上のロータリースイッチ端子から取り外します(緑円内と黄円内)。

b04

b04

シャーシからキャビネット上の出力トランスへの配線は、4芯のシールド線で
接続されています。
画像の正面に写っているのが出力トランスで、その5端子の接続先は左から順に
①シールド線の青被覆芯線:シャーシ上の電力増幅管のプレートへ。
②シールド線の黒被覆芯線:シャーシ上の低周波増幅回路の負帰還入力へ。
③シールド線の赤被覆芯線:シャーシ上のB電源へ。
④ペア撚り線の白被覆単線:キャビネットのスピーカーへ。
⑤ペア撚り線の黄被覆単線:キャビネットのスピーカーへ。
⑥シールド線の黄チューブ被覆シールド網線:シャーシ上のアース端子へ。
となっていて、①②③⑥の4本がシャーシ上の回路にに接続されているので、
これらを取り外します。

b05

b05

シャーシはキャビネットから切り離されて、自由に動かせるようになりました。

b06

b06

コンデンサや抵抗を取り外す上でマジックアイが邪魔なので、取り外します。
その他の真空管は既に取り外し済み。

b07

b07

マジックアイのソケットが何故か非常に固くて手こずったけど、何とか外せました。
日本コロムビアのロゴが付いているけど、OEM品でしょうか?

b08

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先ず、電波の入口に近い局部発振/周波数変換用真空管『6BE6』と1段目の
中間周波トランス(IFT)周辺のコンデンサと抵抗を取り外します。

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取り外した後です。

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途中は省略して、シャーシ前面側の全てのコンデンサと抵抗の取り外しが
完了しました。

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左半分にズームイン。

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右半分にズームイン。

b13

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取り外したコンデンサと抵抗です。

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シャーシの裏面側のコンデンサ、抵抗も取り外します。

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操作パネル部のロータリースイッチと可変抵抗器に接続されたコンデンサと
抵抗を全て取り外します。

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2個のコンデンサを空中で接続した珍しい結線がされています。
先ずこれを取り外します。

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2個のコンデンサのリード線を絡めて、その上にチューブを被せてありました。
新しい部品を取り付ける時の参考にします。

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全てのコンデンサと抵抗を取り外しました。

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可変抵抗器の配線も可能な範囲で取り外しました。

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シャーシの両面から取り外した全てのコンデンサと抵抗です。

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