大西洋クロマグロが食べられなくなる?
EUの欧州委員会は、大西洋産のクロマグロ(本マグロ)を野生
生物を保護するワシントン条約の対象に加えて、絶滅危惧種と
して扱うことを加盟国に提案したということです。
クロマグロはトロが多く取れる高級魚で、日本は世界で
採れるクロマグロの8割を消費しているため、もし
この保護政策が本格化すれば日本の食卓への影響は大きい
といえます。
この数字を見ただけでは、日本人が世界の貴重な海産資源を
買い占めていることは確かですが、それは主に大企業や商社が
大規模なビジネスを展開していることも原因しているのでしょう。
日本人の食欲や胃袋を満足させるために、このような大規模な
商取引がいつまでも許されていいのでしょうか。いまやお金を出
せば何でも食べられるという時代は、終わりを告げようとしていま
す。
やはり食料資源は無限にあるのではなく、有限だという意識を
強くもち、どのように保存や増産していくいかと方策が必要不可
欠となっています。
鳥、豚、牛の肉類なども、いつまでも潤沢にあるわけではあり
ません。このままでいけば家庭の食卓に危機的な状況をもたら
そうとしています。
しかも、近年新型ウイルスの感染によって、世界の各地で大量
の処分が行われ、尊い生き物の命が失われています。命の尊厳
は人間だけにあるのではなく、すべての生物にも向けられるべき
でしょう。
ところで、日本人の食生活は西洋化したとはいえ、まだまだ魚
は重要な蛋白源だといえます。マグロは特に寿司のネタとして、
長年日本人の味覚に親しまれてきたので、もし近い将来マグロが
食べられなくなるとすれば、いったいどうなるのでしょうか。
昔のように、日本の近海や南洋の遠洋操業で採ったマグロ
でまかなえる規模に縮小し、国内では養殖マグロで大規模
にまかなえる規模に縮小し、育成する方向に転じる必要が
あると思います。
このまま肥大化した日本人の胃袋を満足させようとすれば、必
ず経済の破綻を来たすことは間違いないでしょう。回転寿司のよう
な店は便利ですが、それがアダとなっていつでもマグロ食べられ
ると錯覚してしまうのが、そのいい例ではないでしょうか。
昨年のリーマン・ショック以来、日本人の経済観念に変化がみら
れ、これまでのように「食べたいものを食べる」という発想が見直
されつつあるようです。
ホンマグロは美味しいことは確かですが、欧州各国から名指し
で批難される前に、日本人が自らが方策を考える時期が来ていま
す。
真剣に考えなければ、鯨やイルカなどと同じような運命になって
しまうのは、そう遠くないのではないでしょうか。
