日銀、利上げしませんでしたね。利上げするというのは、利上げが必要なほど景気がいいですよ、というメッセージでもあるわけです。
足元の円安(他の主要通貨に対する円の独歩安)の背景には、日銀が利上げしなかったこと、欧州が利上げしそうなこと、米国で利下げがなさそうなこと、があると思われます。
そもそも、A国で利上げするとA通貨の供給量が減り、B国が利上げしないとB通貨の供給量は以前のままなので、A通貨とB通貨の交換レートである為替レートはA通貨高になるわけです。他の要因を全く考えにいれず、非常に単純に考えると、供給の少ない通貨のほうが高くなるわけです。その考え方からも、足元の円安は理屈に合っています。
2月9-10日にドイツで行われるG7で「円安で日本企業が不当に安く海外で物を売って得してる!」と非難されるかもしれない(それをうけて、円安が反転するかもしれない)ので、円売り外国通貨買いポジション取っている人はちょっと注意したほうがいいかもしれません。
福井総裁はずっと利上げに前向きと報道されていましたので、利上げ見送りという結果について、政治の圧力に屈したのではないかと様々な憶測が飛んでいます。個人的には経済全体に過熱感があるような状態でもなく、成長率も前年より落ちそうななか、利上げしないという結論は妥当ではないかと思います。ただ、「金利据え置き」に至る経緯が良くないです。総裁が利上げに前向きな態度→日銀は利上げしそうだという報道→でも政府は利上げして欲しくないという報道→結局、利上げせず。それなら、人々に予断を与えるような態度を示さなければ良かったのに・・・。
日銀は日本の中央銀行で、金融政策を決める役割を担っています。中央銀行が政府から独立して金融政策を担うというのは、先進国の常識です。中央銀行は「通貨の番人」とも言われますが、中央銀行の独立性というのは、その国の通貨の価値に直結するといっても過言ではありません。今回の「利上げしない決断」に至る一連の流れは、外国人に「日本は中央銀行の独立性の低い、金融後進国だ」という印象を残す結果になったと思います。そのあたりも、円の独歩安につなかっているのかもしれません。
ただ、2月15日に発表される日本のGDP速報値(2006年10-12月期)が良ければ、2月20-21日の金融政策決定会合で利上げを決めるんじゃないかと個人的には思います。日銀も権威を失墜させたままで終わらないのでは?
(おしまい)