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CADデータ作成の難しさの一つは

異型カットの宝石の石枠を描くことです


通常手作りの場合宝石に合わせて枠を巻きますので

綺麗にフィットします


しかしCADの場合はあくまでバーチャル上での作成ですので

造形したあとの微調整が必要です


しかし微調整どころか全く合わないなんてことも出て来ます

それは石の形状に対しての外形寸法(通称ガードル)だけを測ってのデータ作成だからです

重要なのはガードルとキューレットを結ぶ部分の形状(通称ファセット)が重要なのです

つまり宝石の座り位置の精度が重要なのです


異型カットだけでなく本当はラウンドカットでも重要なのですが

ラウンドカットの場合手作業による微調整が簡単なのであまり重要視しなくても大丈夫なのです

では異型カットの場合どのようにすればいいかというと

宝石寸法をしっかり測り石のデータを作成することです

そしてスキャンや写メで宝石の画像を取り込んで出来る限り1:1の3Dデータを作ることです


例えばこんな感じです



そしてその宝石のCADデータで石枠からブールマイナスをすれば完璧です

宝石を測る場合、通常のノギスではなく

宝石専用のノギスを使うことをお勧めします

これは石屋さんがよく使うノギスで、

私も5年くらいまえにリフォームやフルオーダーを多く受注するようになってから購入しました

CADデータを作成するということは1/100、1/1000までコントロールできるわけですから

最初の測定の精度も上げないと意味がないと思っています


さらに近年では異型カットの宝石の場合

3Dデザインはスキャンを取り入れています

3Dスキャナーはこんな感じです


今回の宝石の場合こんな感じでスキャンデータが取れました



これはCADデータではなくメッシュのSTLデータになりますので

ブール演算もメッシュのツールを使います


またデータ作成でも3Dスキャナースキャンでも忘れてはいけないのがキャストでの縮みです

形状によって倍率をかけて合わせる場合と寸法を加算して合わせる場合、

そしてその両方が必要な場合があります

これは経験値とノウハウが必要ですので数をこなすしか無いことでもあります


最後に石座のデータはストレート(寸胴)でななく下に向かって絞りを入れますが

まっすぐ絞らずに一旦ストレートな部分を作ってから絞ることも必要です。




ここまで書いてきましたが

結局一番いいのは

自分で安価で高精度な3Dスキャナープリンターを導入することです

そうすることにより何度もデータを微調整をしながら造形を繰り返すことで

ジャストフィットさせることができます


結局のところこれがベストという結論です


安価で高性能な3Dスキャナープリンターについて