「姿勢・構造・生体力学」は「痛み」と関係ない説 12 | はり灸ガルボのアメブロ

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歩けないほどのギックリ腰も歩けるように
加古川市 鍼灸院 トリガーポイント アクティベータ・カイロプラクティック

元ネタ

 

 

 
 
 
 

 

生物学的予備力と耐性  (筋力)

人体を解剖学的に、機械的にロボットのように見ると、体に対してユートピア的な発想が生まれます

体は完璧な精度/同期で動作しなければならないという期待です

しかし、これまで書いてきた研究から明らかなように

脊椎は重大な物理的変化を受けても

症状のない状態でよく耐えられます

 

生物学的システムは予備能力を持っており

機能が失われることなく損失を受け入れる能力を持っていることが観察されます

 

  • 例えば慢性腰痛患者がL4-L5で多裂筋の局所的な萎縮があってもそれは重要ではありません(Hides et al., 2008)
  • 立位や歩行中、腹筋はほとんど活動していません。(Andersson, 1996)
  • 立位では、深部の脊柱起立筋、腰椎筋、大腰筋はほとんど活動していません。これらの筋肉では、いくつかの被験者では検出可能な筋電図(EMG)活動がありません。歩行中、腹直筋の平均活動度は最大自発収縮(MVC)の2%、外斜筋は5%です。(White & McNair, 2002)
  • 立位時の「能動的」安定化は、腹筋および背筋の極めて低い共同収縮レベルによって達成され、胴体に32 kgの重さが加わると、0.1%MVCから3%MVCに上昇します。(Cholewicki et al., 1997)
  • 腰の屈曲や重量物持ち上げの際には、15 kg程度の重量に対する共同収縮はわずかに1.5%MVCしか増加しません。(van Dieen et al., 2003)
  • つまり、日常の活動が影響を受ける前に、個人はかなりの筋肉量と力の生産能力を失わなければなりません。ただし、生物学的な予備能力により、このような損失が脊椎の機能や状態に対して否定的な影響を与えることなく受け入れられます。実際、男性は50歳から75歳までの間に筋肉量の25%を自然に失う傾向がありますが、それによる悪影響はありません。この筋肉予備の損失が30%に達すると、年配の個人の正常な機能が制限されると推定されています。(Marcell, 2003)
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生物学的予備能力のところは長いので一旦区切って次回に持ち越します
 
今回の内容だけでも割とよく勘違いされる部分ですが
ぎっくり腰や慢性的な腰痛をなんとかしようとして筋トレだ!っていうのは
これらの予備能力の事を考えると
あまり意味がないんじゃないのかな~と思っています
 
筋トレが悪いとは言いません
メンタルにも影響しますしどんどんすれば良いと思います
 
痛みがあるのに、痛い筋肉をあえて追い込むのは
やめたほうが良いかもしれない、ということです
 
筋力を増やすのは悪いことじゃないです
けど痛みがある場合は悪い筋肉を追い込んで痛めつけて鍛えるより
全身運動(体重移動を伴う運動)としてウォーキングやスイミングがおすすめです
 
 
今回は筋力の予備力についてのお話でした