マユにマサルとヨリを戻した方がいいんじゃないかと言われてから

私はマサルのことを頻繁に考えるようになっていた。






調子がいいと言われても仕方ない。

ヨシカズに相手にしてもらえないから、っていうのが一番の理由。

軽くて女好きでも、セフレ扱いされても

呆れはしたが嫌いにはなれなかった。




マユにヨシカズのどこが好きなのかと聞かれたとき

即答できなかった。





マサルのことを考える一方、ヨシカズのことも考えた。



ヨシカズの顔とか決して私好みじゃない。

性格だってさほどわかっていない。

女好きで軽い合コン王なヨシカズのことを考えても

ここが好き!ってのが見つからない。。。






マサルは…


私にとって心の拠り所といった感じ。


マンネリで勝るの大切さが薄れてしまったのだ。




付き合っていた期間が長かっただけあって


お互いのことを誰よりも理解しあっていたし


信頼できる関係だったのは紛れもない事実。


大嫌いになって別れを選んだじゃない。




最初はマサルの友達のトオルに引かれた。


これも事実。


でも、トオルとのことはマサルを含めた友人たちのことを考えると


付き合っていこうなんて前向きにはとても考えられなかった。






トオルのあとに出会ったヨシカズは


女好きで軽くて合コン王だけど・・・


私はヨシカズに惚れた。


きっと、今まで会った男と違って


安心感を感じるというんではないところに


強く引かれたんだと思う。


私の知らなかった世界にいる人。


そんな風にヨシカズのことを捉えている私がいた。






どこか危なっかしくて、


気を持たせるようなことを言ったり


かと思えば、歩み寄ろうとはしてくれない


勝手なヨシカズに翻弄されて


私が勝手に夢中になったのが


ヨシカズだった。










でも。


さすがに疲れてきている自分に気付いてきていた。


飲み会というキーワードなら即答でOKしてくれるけれど


2人で会いたいと言ってもはぐらかされて。。。




ヨシカズとの飲み会はヤリコンって感じで


そんな飲み会、軽々しく友達を誘えない。


って、気付くのが遅かったなぁ。




カヨにもシホにも、マユにも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


でもカヨとシホはそんな軽いノリが好きなタイプだったので


心配無用だったけど。




カヨとシホは私がいないところでもたくさんの飲み会をしていたし。


カヨから「昨日ナンパしてきた男がさぁ」とか


「この前の飲み会でシホがまた男にべったりで」なんて


聞くのはしょっちゅうだったから。












ヨシカズとの関係がセフレという感じで


固定されてきたこの頃。


マユにマサルとヨリ戻したら?なんて言われたこともあって


マサルにメールをするようになっていた。







7月も半ば過ぎ。


マサルももそろそろ夏休みで帰省すると返信が来てから


マサルに会いたくて仕方ない私がいた。


ヨシカズからの飲みのお誘いは、一緒に遊んでいたマユが


快諾してくれたことによって行くことになった。





私がヨシカズを好きだという気持ちを尊重してくれて


会いたい気持ちも分かってくれたマユ。



持つべきものは親友だなとしみじみ思った。










ヨシカズのマンションに到着した私とマユ。


ヨシカズの部屋へ向かう。





マユにもう1度


「ありがとね。」


お礼を言ってから部屋に入った。









「待ってたよ!!ユカお疲れ~♪


友達は何ちゃん??」



ヨシカズがノリノリで話し始める。



マユを紹介し、ヨシカズの友達たちと話し始めた。



ヨシカズも含めて3人男メンバーはいたが


私も初対面の人ばっかりだった。






ヨシカズはマユにいろいろ質問していた。



「マユちゃんは仕事何やってるの?」


「ユカとはいつからの友達なの?」



マユは気を使ってる様子などまったくなく、


ヨシカズの質問に淡々と答えていた。








マユは痩せ型ではなく、普通よりも


若干ポッチャリよりの子だった。


胸も大きかった。


服を着ていても分かるくらい。








ヨシカズはマユの胸を見て言った。


「マユちゃんって巨乳だよね^^」


ヨシカズのセクハラ発言に


マユはあからさまに不機嫌な顔をした。




ヨシカズも気付いていたと思うけど


そんなのはお構いナシに続けた。




「触ったら怒る?^^」






はっ?!


ヨシカズって・・・。




呆れたのは事実。


ヨシカズの軽さというか、アホさに


クラっときてしまった。。。





私がフォローしようとしたそのとき。



「なんなの?!


なれなれしいんだけど!!


ユカ!もう帰ろう!!」



ヨシカズにマユがきっぱり言い放った。





ヨシカズも慌てたのかマユに謝っていたが


マユは聞く耳持たず。




「ほら!ユカ行くよ!!」



私の手を引っ張るとそのまま部屋を出ようとしたとき。






ヨシカズが私たちを追いかけてきた。


「マユちゃん、ホントごめん。


もう変なこと言わないから。」


でもマユはお構いなし。




「お邪魔しましたぁ。」








2人で部屋を出てから、エレベーターの中。


私はマユに謝った。




「マユ、本当にごめん!!


いやな思いさせちゃって。。。」





私が申し訳なさそうに声をかけると


あっけらかんとマユは言った。



「全然大丈夫だよ^^気にしないでよ。


予想はしてたし。


でもヨシカズって本当に女好きって感じ。


ユカの話どおりで驚いたよ。


改めて聞くけど・・・


ヨシカズのどこが好きなわけ??」




うーん。


ごもっともなマユの意見。


改めて聞かれると、どこが好きなんだろ。


自分自身でもよく分からないような。。。








マユと目を見合わせて思わず2人で笑ってしまった。










「もし、ヨシカズのことがそれほど好きじゃないなら


ユカ、マサルに戻るべきだよ。


まだ今なら間に合うんじゃない?」




冷静にマユに言われる。







ヨシカズのことを想っていてもセフレにしか見られていない現実。


この想いが報われる日なんて来るようにはとても思えない。


そう考えると寂しくなってくる。。。



マサルとはマンネリから私の気持ちがヨシカズに向いたことで


別れを決断した私。


そんなに都合よく行かない、とは思っても


マユに「戻るべき」だなんて言われると


急にマサルが恋しくなってくる。






「う・・・ん。


マサルとヨシカズじゃ、比べようもないよね。


自分でも分かってる。


・・・ちょっと考えてみようかな。。。」





マユの一言でマサルとの復縁を


考えてみようと思った。




ヨシカズに会いたくて、ヒロに電話をして数日後。




高校時代の友人マユと遊んだ。


マユは高校1年のときにサチも含めて同じクラスになったのが縁で


私、サチ、マユの3人でよくつるんでいた。




マユと私は短大進学のために地元を離れたこともあって


短大時代は帰省したときくらいしか会えなかったけど、


お互い就職は地元に戻って、というところも同じだったので


高校時代と変わらず、都合が合えばお茶したりと会っていた。







マユはサチとは違ってナンパには興味なしってタイプ。


この時点でマユには短大時代から付き合っている彼がいたし。


サチが奔放に遊んでいるのを聞いて


よく私にマユは言った。


「サチって男遍歴で年表とか作れちゃうんじゃん??」


悪意というより、ちょっとしたネタ的な感じで。




そんなマユだが、まったく理解がなかったわけではない。





私がマサルと別れて今はヨシカズが好きだ、という話も


親身になって聞いてくれた。


ヨシカズの態度に不信感は募らせていたけれど。


再三、「マサルのほうが良いって!!」とも言われたが


無理強いするんではなくて、ガールズトークで


恋愛話をマユとはよくしていた。








ヨシカズにメールも電話も無視されたこと、


ヒロの言葉、そしてこの間の電話。




この日もいつものようにマユに話していた。













と、そのとき。




私の携帯が鳴った。





画面を見ると表示されていた名前は


「ヨシカズ」。







私に会いたいというより、飲み会でもしようという話だろうな。


寂しいけれど、ヨシカズを好きな反面そういう人なんだと


頭ではバッチリ理解していた。






「ユカ、久しぶり^^


今何してんの?」



「今、友達と遊んでるんだ。」




ヨシカズ声の後ろは友達がいるだろう雰囲気で


話し声が聞こえる。




「マジ?!


俺も今、友達といてさぁ。


ユカたち、一緒に飲まない??!!」




嬉しいお誘いだけど。。。


マユは軽いタイプじゃない。


それが普通なんだけどね。


ヨシカズ達と飲むと、合コンというより


ヤリコンって感じだし。。。




「・・・うーん。」




困った表情をしていたんだろう。


マユが口パクで何?と聞いてきた。



「ちょっと待って。」




ヨシカズに言って、マユに話す。




マユは即答だった。



「いいよ^^」




驚いた。




ヨシカズからのお誘い(というか、ヨシカズに会いたくて)は


嬉しかったが、マユが嫌いそうなノリになるのは予想できたから


断るつもりだったし、マユも嫌がるだろうなぁと思ったから。










ヨシカズにこれから向かうことを告げ、電話を切る。







「マユ、いいの??


ホントは嫌なんじゃない?」





私の問いかけにマユは言った。



「嫌じゃないよ^^


ユカ、会いたいんでしょ?!」




マユの思いやりに涙が出そうだった。





「ありがとう。。。


・・・ごめんね。」




やっと出た言葉。


マユに感謝。





「いいって!!


気にしないでよ^^


でも、ユカが言うみたいに変な雰囲気になりそうになったら


帰るからね。


もちろんユカも一緒に。」






マユと顔を見合わせて笑った。




ヒロが言ってくれた言葉。




「ヨシカズに会いたくなったら


会わせてあげるから。」





とても嬉しい言葉だった。






ヒロとは飲み会の日に連絡先を交換してあった。


最初はもちろん社交辞令だと思ったが


この言葉を聞けたせいか、ヒロの連絡先を知ることができて


良かったなぁとしみじみ考えた。









飲み会から数日後。



ヨシカズにメールをしても電話をしても音信不通だった。






私はヒロの言葉を思い出し、ドキドキしながら


ヒロに電話をかけた。




「もしもし?ユカちゃん?」


すぐにヒロが出る。




「このあいだは送ってくれてありがとね。


・・・このまえさぁ、


ヨシカズに会わせてくれる、なんて


優しいこと言ってくれたから


思わず電話しちゃったよ。


・・・ヨシカズに連絡しても会えなくてさ。。。」




それほど親しいわけじゃないのに


期待しながら電話してしまった。




「えっ?そうなの??


今、俺ヨシカズと一緒にいるんだよ。


ファミレスで飯食ってるとこ。


ヨシカズに変わるね!」





!!!


驚いた。


でもヨシカズと話せるなんてグッドタイミング!




と思ったのは一瞬で、すぐに不安に襲われる。



ヨシカズはでんわに出なかったし、メールなら見てるはずだけど


それに対しても返信はなかったから。




どうしよう、なんて話せばいいんだろう。。。


ほんの数秒のあいだに頭をかけめぐっても


ベストだと思われる言葉は見つからない。






「もしもし?」




私の耳にヨシカズの声が届く。




「あっ・・・


もしもし?ヨシカズ、元気?」




何言ってんだろ、私。





結局なかなか素直になれない私。


でも、唐突に「なんで無視するの?」なんて言えない。




「電話ごめんな!


最近忙しくてさ。」




ヨシカズはまったく悪びれた様子などなくて


あっけらかんと私に言った。




少し調子が狂った感じの私。


拍子抜けして、いい意味で緊張がほぐれたみたい。




考える前に私の口から言葉が流れ出た。





「ヨシカズに会いたいよ。」




「うん?


また連絡するから^^


じゃな!」






すぐ切れる電話。






ヒロと一緒ならファミレスに私を誘ってくれるかも、なんて


少し期待した自分が情けなくなった。









これが現実なんだなぁ。


思い知らされた。




ヒロが私に優しい言葉を掛けてくれたことはありがたかったけど


ヒロはあくまでヨシカズの友人の1人にしか過ぎないし。


私に会うかどうかの最終判断を下すヨシカズが


会おうとしないのならどうせ会えないんだ。。。




私はヨシカズの彼女でもなんでもない。


セフレ。。。


ヨシカズに会いたいがために開いた飲み会は


合コンというより、ヤリコンだし。







ヨシカズとの飲みに誘ったカヨにもシホにも


本当に申し訳なく思った。










次はいつ、ヨシカズに会えるんだろ。。。




ヨシカズと束の間の甘いひと時が過ごせて大満足の私。




出会いがナンパだから、ヨシカズの今までとか


考えてることなんてほとんど知らなかった私は


ヨシカズのしてくれる思い出話が心地よくて


本当に幸せだった。







カヨはタツの部屋へ行ったので


心配はしていなかったが


ヒロの部屋へ行ったシホのことが気になった。





ヨシカズにそれを言うと


「俺はシホってよりも


ヒロのが心配だよ。」


なんて言っていたが


ともかく電話してみることに。




ヨシカズからヒロにかけてもらう。







「もしもしぃ?」



出たのはシホだった。



ヨシカズのすぐ隣で携帯からもれる声を聞く。






「うん。


・・・うん。


とりあえずヒロに変わってよ。」


シホにヨシカズが言う。





ものの2分ほどで電話が終了。





「シホって・・・


変わってるな。


体で愛を語ってた、とか言っちゃってたけど


大丈夫なの?あの子w」



ヨシカズに電話でそう言ったらしいシホ。


私もビックリというか


表現がくさくて苦笑い、そして大爆笑してしまった。






「今日ユカ仕事休みだよな?


昼前くらいにヒロがここに来てくれるっていうから


送ってくよ。」




ヨシカズたちは講義が午後かららしく


その前に私を家まで送ってくれるということだった。








その電話のあと、ヨシカズとヨシカズのベッドで


ヨシカズにくっついて眠った。








10時半。



携帯のアラームで起きた私は


身支度を整えていた。




ヨシカズもすぐ起き出してきて


11時少しまわったころ。


ヒロがヨシカズの部屋に来た。









私の家まで送ってくれるというので


ヒロの車の後部座席に私は乗り込む。


助手席にはヨシカズ。




車内ではシホの話になった。




「ヒロがシホとは驚いたよ!


お前面食いなのに。


しかも体で愛を語ってたとか言ってたけど。」



ヨシカズの言葉にヒロは苦笑い。




「俺も驚いた。


シホって変わってるよな。


しかも平安美人系じゃね?」



ヒロの言葉に思わず笑ってしまった。





シホはちょっとした伝説になったようだった。







程なくして私の家の前に到着。


ヨシカズにバイバイしなきゃか・・・。


寂しさが襲う。





そのときだった。


運転席のヒロが私に言った。





「ヨシカズに会いたかったら


俺にいつでも連絡しなよ!


会わせてあげるから^^」






ヒロの言葉が本当に嬉しかった。