新感線☆RS『メタルマクベス』disc3(IHIステージアラウンド東京)を観に行く。

 

【作】宮藤官九郎 

【演出】いのうえひでのり
【音楽】岡崎 司 

【振付&ステージング】川崎悦子
(【原作】ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より)

 

【CAST】

浦井健治 長澤まさみ / 高杉真宙 柳下 大 / 峯村リエ 粟根まこと 右近健一
橋本じゅん / ラサール石井

礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 村木 仁 冠 徹弥 上川周作 小沢道成

伊藤結花 植竹奈津美 駒田圭佑 鈴木智久 鈴木奈苗 鈴木凌平
新納智子 早川紗代 本田裕子 山﨑翔太 米花剛史 渡辺翔史
川原正嗣 藤家 剛 工藤孝裕 菊地雄人 あきつ来野良 横田 遼 北川裕貴 翁長 卓

【MUSICIANS】

岡崎 司(guitars) 髙井 寿(guitars) 福井ビン(bass) 松田 翔(drums) 松﨑雄一(keyboards)

 

(あらすじ)※プログラムより

1981年。ジャパニーズヘヴィメタル、通称『ジャパメタ』ブームに沸く中、<メタルマクベス>というバンドが活動していた。

ボーカルでリーダーのマクベス橋本(浦井健治)、ギターとタンバリンのバンクォー橋本(橋本じゅん)、ベースのマクダフ山口(柳下大)、ドラムスのナンプラー(粟根まこと)。

マクベスの実家が営む喫茶店で知り合った4人は<メタルマクベス>を結成、「魔女」と呼ばれる女性ファンを集め人気を博していた。

ライブが終わったある夜。打ち上げ会場にローズ(長澤まさみ)という女が現れる。

彼女は辛辣かつ的確な批評をメンバーに浴びせた後、自分が新人バンドの発掘やマネージメントをやっていると告げ、「あの社長の下でやっててもロクな事ないわよ」と言って立ち去る。

あの社長とは、<メタルマクベス>が所属するダンカンミュージック社長、元(ラサール石井)。

そして打ち上げの最中、マクベスは元社長から、息子の元きよし(高杉真宙)がバンドの現場マネージャーになると知らされる。

売れるためにさまざまな提案を押し付けてくるきよし。

困惑するマクベスに追い打ちをかけるように、マクダフはそれをすべて受け入れてしまう。

身重のシマコ(峯村リエ)と結婚するため、売れるためになんでもやる覚悟を決めていたのだ。

「このままでは先がない・・・」

マクベスは今の事務所を辞め、ローズの言葉に従うことを決意する。

 

2218年。戦争のせいで世界はリセットされ、フェンダー国とギブソン国、新興勢力ESP国が火花を散らす戦国時代が到来していた。

フェンダー国とギブソン国の軍勢を撃破していく、ESP国が誇る無敵の将軍ランダムスター(浦井健治)。ESP国のレスポール(ラサール石井)とその息子レスポールJr.(高杉真宙)、側近のグレコ(柳下大)が待つ陣営には、ランダムスターと同僚エクスプローラー(橋本じゅん)の活躍が伝えられ、王は勝利の美酒に酔った。

陣営に帰還する道中、ランダムスターとエクスプローラーは右近(右近健一)を始めとする3人の魔女と出会う。

魔女たちはランダムスターを<マクベス>と呼び、「マホガニーの領主。いずれは王になるお方」と告げて1枚のCDを差し出した。

それは80年代に活躍したヘヴィ・メタル・バンド<メタルマクベス>のアルバム。

ジャケット写真には、ランダムスター、エクスプローラー、グレコにそっくりな男たちが写っていた。

戦勝の評議で、裏切り者のマホガニーの領主はランダムスターに与えられた。

予言の成就に驚くランダムスター。だがレスポールは自分の後継者としてJr.を指名。ランダムスターは複雑な思いを隠せない。

一方、伝令によって届けられたCDを聴いた夫人(長澤まさみ)は、宴に訪れるレスポールを殺せとランダムスターに迫る。

そして祝宴の夜。夫人はひるむマクベスを叱咤して、Jr.の短剣を握らせ、王の寝室へと送り出す・・。

翌朝。身重な夫人(峯村リエ)と祝宴に訪れていたグレコが、レスポールの死体を発見。

自分の短剣が犯行に使われたことを察して逃げ出そうとするJr.。

そんなJr.をグレコは、フェルナンデス国の将軍パール王(粟根まこと)を頼るように言って逃がすのだった。

 

念願かなって王となったランダムスターだが、罪の意識に苛まれ一切眠ることができず、夜な夜な地下室で<メタルマクベス>のアルバムを聴き続けている。その姿をため息まじりに見つめる夫人。お互いになにかが壊れ始めていた・・・。

 

◇◆

 

こちらの作品、お初はWOWOWで観た劇団☆新感線の『メタルマクベス』であった。

テレビの前でクドカンの脚本の質の高さと松たか子と森山未來の怪演に感動した私、キャストは違うがこの作品が再演されることを聞きつけ観に行ったのが数ヶ月前のことであった。→『新感線☆RS『メタルマクベス』disc1

てなわけで、このたび3度目の観劇である。

 ちなみに原作のシェイクスピアの『マクベス』は私も過去にも数回見ている。

  →あらすじ等はこちら『マクベス (シェイクスピア)』(wikiより)

 あのマクベスの器の小ささっぷりがたまらない。自分の小さな器におさまりきらない野心に翻弄され、犯した罪に自身が食われていく人間くささがたまらない。

 『マクベス』(マクベス役:野村萬斎さん)←狂言のようなシンプルなマクベス像。

 『マクベス』(マクベス役:堤真一さん)←長塚圭史版マクベス、んもう、最高!

 

いのうえひでのり氏は再演するにしても何かしら変えてくることが多いのだが、今回は基本的な部分は変えていないとのこと。

ストーリーに対する新鮮さはないがそこを変えていない分、キャストの違いから作品の仕上がりや差を実感できる貴重な機会ともいえる。

 

うらけんこと浦井健治は相変わらず最高であった。五右衛門シリーズ(特に『新感線☆RX 薔薇とサムライ』)でバカ王子ことシャルル王子を演じて、そのバカなのにかわいらしいというものすごく強いインパクトを残した浦井健治ではあったが、このたびのマクベスを演じ、単なるバカ王子じゃなかったことを改めて理解した私であった。

単純にかっこよかったです笑

やはり見た目って大事ね〜。華やかで美しいマクベスであった。苦悩する姿も美しい。

そんな美しい夫にふさわしいマクベス夫人は長澤まさみ。いや〜相変わらずかわいいわ〜。

長身ではあるが浦井健治も長身なのでまさにお似合い夫婦という感じ。

序盤のマクベス夫人っぷりに多少停滞感はあったが、後半の狂気に満ち満ちていく演技はさすがであった。

 

しかし最終的に、私が3回見たメタルマクベスでナンバーワン・マクベス夫人は松たか子嬢でありました。さすがお松。

 

3回見てもやっぱりためいきが出てしまうこの作品。本当に完成度の高いよくできたお芝居。

時代が交錯しても全く混乱させないようクドカンが上手に描き分けており、それをまたいのうえひでのりがうまく演出してるんだ、これが。

1981年のバンコーと2218年のエクスプローラーが襲撃されるシーンが重なっているシーンがあるのだが、360度回る舞台をうまく活用し、1人しかいない(橋本じゅん)のにバンコーとエクスプローラーが時代を超えて二人ちゃんと存在するような演出をしているのだ。

(映像であれば人物や背景を重ねたりすることで時代を超えていることを表現できると思うが、

舞台のような生じゃ重ねるとかムリ。そういうハンデ?を逆手にとったステキな演出。)

 

そして舞台じゃ相変わらずバイクが走り回っていて、ほんとかっこよかった。

今回お初の演出だと思うのだが、赤く怪しく光るバトンをバトンをあやつる人(バトラー?っていうの?)が敵となり味方となって舞台を縦横無尽に駆け回る殺陣がすばらしかった。

 

disc1の時も思ったが、レスポール役のおじいさんたちはいずれも声をもう少し出さないと・・というか全体的にいがらっぽくて、聞くのがつらい〜エヘン虫が〜。

ラサール石井にしてもdisc1の西岡徳馬にしても・・えへん虫が〜。

そう考えると『薔薇とサムライ』の藤木孝さんはすばらしかったんだわ〜。

 

ロック最高!!

というわけで、今回も冠徹弥さんがやはりすばらしかった。

あの声で4時間ずっと歌ってられるなあ・・まあ4時間歌い続けてるわけじゃないけども。

岡崎さんもいつもながらすばらしかった。

 

なにげに3人の魔女役の歌が耳から離れない。

バ〜ンザ〜イ〜、マクベス〜、王になるお〜と〜こ〜♪

 

休憩時間で珈琲タイム。

ホール内もメタルマクベス一色。

平日の昼間に観に行ったせいかいつもより観客は少なめで、満員御礼というわけではなかった(左右、後ろ側奥の席は空席。わざと空けてるのかもしれん。場所的に見にくいので。)

 

ティーブーエスたちと一緒に。

 

今年の観劇はこれで見納めじゃ!

 ※ただし、記事を書いていない演劇「民衆の敵」があるので後日アップ!

  つっつんこと私の一夜の脳内恋人・堤真一がすばらしかったです!

  そして段田安則も相変わらずよかった。あの人、ほんと天才。