平成30年4月21日、『中野区民交響楽団 第64回定期演奏会』(なかのZERO大ホール)を聴きに行く。

 

『あもる一人直木賞選考会』に比肩する恒例行事がやってきた。
半年に一度のチケット強奪演奏会。またの名を中野区民交響楽団定期演奏会である。

 

いつものように中野さんに食事会に声をかけてもらい、そしてチケットを強奪。

いやはや毎度毎度ありがとうございます〜(・∀・)

 


会 場:なかのZERO大ホール
曲 目:ドボルザーク 序曲「オセロ」作品93
    ドボルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
    グラズノフ  交響曲第5番 変ロ長調 作品55
指 揮:松岡 究

独 奏:中木 健二

 

◇◆

 

私、ドボルザークのチェロ協奏曲が大好きで。

どの楽章も甘くて切なくて、牧歌的であるのにどこかモダンな匂いも感じることのできる不思議な曲。

中野交響楽団がどんな世界を私に見せてくれるのか、この日が来るのを楽しみに待っていた。

 

その前に同じくドボルザークの「オセロ」である。

ドボルザークが「オセロ」に曲をつけてただなんて知らなかったなあ。

シェイクスピアの「オセロ」の内容については省略するが、誤解が誤解を生み、嫉妬に苦しんだ挙句愛する人を殺しちゃう、おそろしい(=とりあえず落ち着けという)話である。

そんなおそろしい話に曲をつけてただなんてねえ・・・

と思っていたが、プログラムによると・・・

 

「ドヴォルザークは渡米する直前に、「自然の中で」「謝肉祭」「オセロ」の3曲をかき揚げ、これらはまとめて序曲三部作「自然と人生と愛」と呼ばれる。このうち「オセロ」は「愛」に相当する作品であり、シェイクスピアの戯曲「オセロ」をモチーフにしたとも、タイトルは後付けであったとも言われる。」

 

だそうです。

この曲を初めて聞いたのだが、やっぱりドボルザークっていい作曲家だなあ。と思えた気がする〜。

気がする〜というのは、いきなりしょっぱなだったせいか、全体的に音が散らばり過ぎてよくわからなかったため(笑)

 

しかしそれもこれも次のチェロ協奏曲のためであった、とわかったのであります。

 

チェリストの中木さんが登場すると、ステージ上の空気がキュッと締まった。

そしてクラリネットが切なくも不穏なメロディを奏でる。そしてホルンがそのメロディを引き継ぐ。

 

私(ホルンが素晴らし過ぎる。このオケにこんないい音が出せるホルンがいたなんて知らなかった!!あ、きっと賛助(外部の助っ人)のホルンに違いない。)←失礼極まりない。

 

と楽団員のメンバー表を見ますれば、ホルンに賛助出演の人が1人もいないではないか。

中野オケのホルンだったのだ!

 

私(いやいや信じられないほどいい音だすなああ。

  しかもほかの楽器もみんな、さっきの「オセロ」と大違い〜。)

 

以前、中野さんと食事をしたときの会話。

 

私「昔、アルゲリッチのピアノコンサートを聴きに行った時、ショパンのピアノ協奏曲だったんだけど、オケが新日本フィルで、こんなにうまかったっけ?とびっくりしたんですよね〜。」

中野「ソリスト次第でオケも変わるんだよね〜。」

 

→その様子はこちら『マルタ・アルゲリッチセレブレーション2010

 

この日の中野オケは、まさにそんなソリストによって変わったオケという感じであった。

チェリストを迎えた以上、恥ずかしい演奏はしてはならん!

という気合いが1000倍感じられたすばらしい演奏で、特に1楽章は本当にすばらしく、チェリストの中木さんの音がつまらなく感じられちゃうほどの熱いオケであった。

正直、プロの楽団かと見まごうばかりの完成度。あもちゃん驚いたね〜。

意識を高く持つだけで、こんなにもほとばしるエネルギーを放出する演奏になるのか、と大変勉強になった。もちろんたくさんの練習をしていたであろうことは言うまでもない。

ボヘミアの民俗的な土壌に新世界アメリカの新しい風が吹き込んだ独特のドヴォルザークの世界を感じることができた。

(第二、三楽章は息切れしたのか(笑)、チェリストの中木さんが率先してオケを引っ張っておりました!二楽章のチェロはほんとに聞かせるよね〜。

 でもやっぱり第一楽章のきらめきは記憶に残るいい演奏であった。)

 

ところでこちらのチェロ協奏曲に関するプログラムに興味深い記述があった。

 

「若き日のドヴォルザークが最初に恋心を抱いたのは、後に妻となるアンナではなく、実は姉のジョセフィーナだった。一方的な恋は実を結ぶことなく、辛い失恋を経験する。妹アンナとの結婚以降もジョセフィーナへの秘めた想いは、その作品に見え隠れする。53歳になったドヴォルザークは既にこのチェロ協奏曲を完成させつつあったが、ジョセフィーナの危篤の知らせ、訃報を受けて、大幅に書き換えた。ドヴォルザークにとってこの曲は、ジョセフィーナとの苦しくも甘美な想い出の記録、そして何より彼女の安らかな眠りを祈るレクイエムであったのだろう。」

 

男ってやつは。

思い出は名前をつけて保存なんだなあ・・。

 

メインのグラズノフの交響曲第5番も初めて聞く曲だったのだが、そもそもグラズノフという作曲家自体、あまり馴染みのない作曲家である。

第一楽章、第二楽章がわりと地味目でしつこめのしぶ〜い曲なのだが、第四楽章は突然その鬱憤を晴らすかのごとく、ズンドコズンドコめいっぱい派手な花火を大量に打ち上げてのフィナーレでびびった(笑)

演奏するほうも大変だと思うが、聞く方もなかなか体力のいる曲というのも珍しい。

何度か聞けば好きになれるのかもしれないが、この日は大量の音に圧倒されて終わってしまった〜。

 

チェロといったら、ヨーヨーマ。

小さい頃、初めて聞いたドヴォルザークのチェロ協奏曲のチェリストがヨーヨーマであった。

 

 

そしてドボちゃん(クラシカロイド風)を思い切り堪能した後は、中野から東西線で1本でいけるし、ということで、神楽坂探訪に出かけた。

 

善國寺。

 

ドボちゃんの話に花を咲かせながら、お鍋をつつきました〜。