氷艶 HYOEN 2017 破沙羅 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成29年5月20日(土)、『氷艶2017破沙羅』を観に行く。

 

 

去年から話題騒然(多分)の「歌舞伎とフィギュアスケート初の饗宴」。

そりゃ〜歌舞伎好き&大輔好き(但しにわか)の私としては、

当然気になるわけでありました。

が〜、歌舞伎とフィギュアのコラボ・・・なんかとんでもなく駄作になるんじゃ・・

とおそろしくてどうしても食指が伸びなかった私。

 

リオ五輪の閉会式みたいで、動画を見ればそりゃ〜かっこいいんですけども・・

実際は別って話はよくある話・・。

 

しかし、超濃厚髙橋大輔ファンである、元職場の先輩お姉様にその話をしましたらば

 →『プリンスアイスワールド2014東京公演

「1枚、友達がS席持ってるんだけど、行くなら頼んであげるよ!?」

と言うではありませんか。

 

大輔つながりのサークルがあるらしく、その中の1枚を譲ってくれるという。

(もちろんタダでくれるわけではなく買い取り。)

どうしようか、と悩んでいたところへ、この降って湧いたこの話。

これも何かの縁でありましょう、まさしく氷艶(ひょうえん)ならぬ氷縁。

これまた清水の舞台から飛び降りるつもりで行くことにしたのであった。

 

◇◆

 

当日〜。

お姉様はこの日は別の席だから、と、

 ←濃厚ファンたちは毎日違う席で見ている。(金&時間ともに)信じられん笑!

私は初対面のお方とアリーナ席入り口で待ち合わせ。

(チケットはその場でお金と交換することに〜)

 

開場までまだ時間もあるのに、すでに長蛇の列!!

スタンド席は炎天下の広場で待たされる〜。

 

一方、アリーナ席は日陰で待つ。

ホッ。

氷の塊が水路に溜まっていた。中はどんな感じで製氷されているのかしら・・。

 

と待っていると、初対面ながら初対面と思えない、愉快なお姉様がやってきた!

(待ち合わせ方法など事前にラインでやりとりはしていた)

 

やはり思うに、フィギュアの濃厚ファンはお金に余裕がないとやっていけない。

元職場のお姉様もしかり、本日初対面のお姉様もしかり、

バリバリ働いてチケット代くらい自分で稼ぐデキる女!というタイプであった。

なんか一人ヘラヘラしてる私が参戦して申し訳ない感じ〜。

 

チケットも無事いただき、いざ入場です!!!!

 

◇◆

 

今年一番の最高エンターテインメント!!!!!

 

(あらすじ)

この物語は、光に包まれて現れた女神(荒川静香)が少年に見せる夢物語である。

少年が見る夢の世界は、

神話の時代の日本を舞台に歌舞伎の善と悪のキャラクターが戦うという物語。

遥か遠く昔。神代の時代。

天からこの地に天下った瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)は

木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と恋に落ちる。

木花開耶姫の姉、岩長姫(イワナガヒメ)は二人を妬んで、

歌舞伎の世界の大敵役の仁木弾正(ニッキダンジョウ)を呼び出し、

瓊瓊杵尊と木花開耶姫を闇の国に閉じ込める。

瓊瓊杵尊の家来の猿田彦(サルタヒコ)は、悪を倒して二人を助ける為に、

歌舞伎の世界、そして日本史の英雄である源義経を呼び出だす。

源義経は想い人の静御前(シズカゴゼン)を歌舞伎の物語の世界に残して現れる。

神代の世界を舞台に、義経と仁木という歌舞伎の善と悪のキャラクターが対決する!

 

 

源義経と木花開耶姫とかどういう時代設定や・・と

チラシを見ながら不思議に思っていたのだが、要するに〜

日本開国の時代の善と悪が中世までやってきて、

悪が日本を滅ぼそうとするのを、善の義経が阻止するという物語を、

一つの夢物語(歌舞伎)として私たち観客に見せる、というものであった。

なのでまさかの一番やってはいけない(笑)夢オチ的な終わり方だったのだが、

演劇としてではなく氷上のエンターテインメントとしては

完全にわかりやすい終わり方で、逆によかったのではなかろうか。と思う。

 

大輔ファンとしては大ちゃんのスケーティングの魅力に改めて惚れたし、

(相変わらずエモーショナルたっぷりでありました(笑))

荒川静香の悪役ぶりにときめいた。

 

大ちゃんは光速スケーティングで敵をバッタバッタとなぎたおし、

チャンバラ好きの私を大いに満足させてくれた。

そして見せ場は(・・たくさんあるんですけども〜)、

仮面をかぶって敵の宴会場に潜入し、その舞台で手踊り?的な踊りを踊るシーン。

氷の上でしか踊るのを見たことがなかったが、陸の上でもかっちょよかったです。

(その美しい義経の踊りを見た、地獄太夫演じる中村蝶紫さんの

 「きょえ〜〜〜〜〜♡」という、義経の姿に心射抜かれ一目惚れする嬌声が

 本当に歌舞伎っぽくて、おもしろくって、会場がドッと湧いた笑)

 

荒川静香は、

光り輝く女神とメデューサならぬ蛇神様という悪役、という1人二役だったのだが、

断然悪役がすばらしかった。

正直、女神として冒頭に登場したのを見て

「荒川静香もなんかパッとしないなあ。こんな役、ただのお人形じゃん」

と思っていた私だったが、ほんと頭こすりつけて謝りたい。

真っ黒い衣裳を身にまとって、魅惑的な仕草で巨大な蛇をあやつり、

瓊瓊杵尊と木花開耶姫を石に変えるシーンなんぞ、圧巻であった。

引退はしていても、さすが金メダリスト!な圧倒的な滑りに私は見惚れた。

とにかく情感あふれる滑りがすばらしい。

 

途中、大ちゃん演じる義経を守る四天王が出てきたとき、一人の男性に会場から

きゃ〜☆

きゃ〜☆

という嬌声が飛び、私はてっきりその他大勢の一人、だと思っていたので、

え?すっごく有名な人!?

と目を凝らしてよくよく見たら・・・・・

 

私「やっぱり誰かわからんわ・・・」

 

というわけで、隣のお姉様にヒソヒソと

 

「アノ方はどなた?」

 

と尋ねたのでありました。アリーナ席に座る資格もない素人が座ってすんません。

当然コアな大輔ファンでもありコアなフィギュアファンでもあるお姉様は即答。

彼は「ささきあきお」くんという方でファンの多いスケーター

だそうです。

 

とまあ、スケーターについてはこんなもんでしょうか。

 

スケーター陣以上に圧巻だったのは、歌舞伎陣営。

歌舞伎役者がとてつもない努力と演技をしていて、私は正直むせび泣きました。

 

仁木弾正を演じた染五郎も、岩長姫演じる笑也さんも、その他歌舞伎役者が皆、

スケート履いて滑っているのだ。

重い衣裳をつけて、演技しながら転ぶことなく普通にすべっているのだ。

私だったら間違いなくスケート靴を履いて台から降りる瞬間に滑って大転倒だね。

 

しかも氷の上なのに、本当に歌舞伎を見ているんじゃないかと錯覚するほどなのだ。

歌舞伎役者が演じればどんなものでも歌舞伎になる、とはどなたかの名言であるが、

本当だなあ・・と染五郎を見ながら思ったね。

染五郎と笑也さんのこと、本当に好きになるかもしれん〜。

あれは惚れる。

私の中の鉄則、悪役がすばらしければ成功!はまた鉄より固いものとなった。

 

この作品の演出をしたのが染五郎らしいが、もう間違いなく、

劇団☆新感線のいのうえひでのりの『阿弖流為』の影響を受けていると思う。

でっかい蛇が出てくるとことか、音楽との融合とか、

全体的に「劇団☆新感線」っぽいの!!

(中村亀鶴さん演じる猿田彦が、古田新太に見えたのもそのせいか笑?)

→参考記事

阿弖流為(1回目)〜松竹創業120周年 歌舞伎NEXT〜

阿弖流為(2回目)〜松竹創業120周年 歌舞伎NEXT〜

 

最後、善と悪の大決戦のチャンバラシーンがあるのだが、

最初に善と悪が決戦を前にお互いにらみ合うシーンがすごくいいの。

染五郎の、多分いのうえひでのりに倣った演出だと思うのだが、

お互いが1列に並んで左右の観客席を向いて(善と悪が背中合わせ)、

善と悪が

ほらほら、見てご覧よ、お揃いだよ

とか

さあ、いよいよ決戦だ

とか言っているのだ。

実際は背中合わせなのに本当はにらみ合ってる、という実に功名な演出手法。

私みたいな凡人が演出したら、ふっつーに善と悪を向き合わせちゃうだろうなあ。

 

音楽の話をチラッとしたが、音楽はドラムタオ、映像はチームラボ、という

こちらも日本が世界に誇る一流集団が担っていた。

これが成功しないわけがなかろうて・・・。

 

特にドラムタオの音楽はすばらしかった。

歌舞伎とスケートを見事につなぎあわせてくれるものとなった。

 

 

私は言いたい。

これは歌舞伎だったんだな、と。

ああ、でもスケート(特に大ちゃん&静香)もすばらしかったしな〜。

うん、やっぱりこれは見事な歌舞伎とスケートの融合!と言ってもよかろう!

 

最初このコラボ話を聞いた時は、一体どうなることか・・・と怖かったのだが、

あの頃の私を叱ってやりたい。

すばらしい作品であったよ!と。

 

あとはお金の問題だが・・

一流の役者と一流のスケーター、一流の映像集団と一流の音楽集団。

そしてワイヤーアクション満載で、それらを支える裏方軍団。

これがたったの3日しかやらない、とか、お金はちゃんとペイできるのだろうか。

と心配に。

まあ、チケット代にもろに反映されてはいるが・・・。

 

◇◆

 

終演後、大輔ファンの集いなるものに(ひっそりと)参加した笑。

アリーナ席に座る資格のない、大ちゃんにわかファンの私にも、

濃厚ファンのお姉様方は優しくしてくれた笑

 

私「私は岡山出身です〜」

皆「えーーーーー!!!!!いいな〜大ちゃんと一緒かあ・・・うっとり」

私「・・・」

 

濃厚大ちゃんファンを確実に射止める言葉、それが「岡山出身」笑。

今まで岡山がこんなに持ち上げられたことがあるだろうか。いやない。

 

元会社先輩お姉様が

「ほら、大ちゃん引退の時に引退映像とか色々くれた子だよ〜」

というと皆が

 

「ああ!!!!あのときの!!!ほんとありがとう〜。」

 

とのことだった。

 →参考記事『DISK狂騒曲。

 

あのときは有能ユキリンにお願いして本当によかったです。

あやうくテレビデオでの録画orうちの母親録画のろくでもない映像で

皆から殺されるところであった笑

 

ああ、ユキリンありがとう☆

何度も言うよ〜残さず言うよ〜ユキリンありが〜とう〜、say thanks〜

 

かっこいい店員さんが、ガパオ?を混ぜ混ぜしてくれて、♡型にしてくれた。

まさに今の私の気・持・ち♡♡

 

大ちゃんラブ♡

染ちゃんラブ♡

 

ところで、歌舞伎をまったく知らない大ちゃんファンも当然いるわけで、

その方々の感想がちょっと笑えた。

 

「あのハリボテの蛇、なに笑?」

「3時間とかちょっと長い・・」

 

確かに!

CGやプロジェクションマッピングを駆使した氷上に、

突然ハリボテの蛇が出てきたらビビるであろう。

その感想を聞いて思わず噴き出した私。

 

一方、歌舞伎にも通じている方々もいるわけで

 

「あのハリボテの蛇こそが歌舞伎っぽいんだよー」

「歌舞伎の醍醐味はそこじゃないんだよー」

 

こちらの意見にもウンウンと頷く一応歌舞伎通サイドの私なのであった。

(そこ!風見鶏とか言わない笑!!)

 

大いに歌舞伎熱とスケート熱がぶつかりあった終演後の集いであった。

こちらも歌舞伎とスケートが見事にコラボしておりました☆

 

 

ニュースでも取り上げられていた。

ハリボテの蛇がちょっと出てます笑

 

全体的に大きく取り上げられております〜。

 

染五郎の果敢な挑戦、際立つ「氷艶」のかぶきぶり」(日刊スポーツ)

何もかもが世界初のショー、「氷艶 hyoen 2017 - 破沙羅」の舞台裏を公開!」(VOGUE)

 

会場では大ちゃんと染五郎のポストカードが売られており、

当然二人のポストカードを2組買いました。

 

大ちゃんについては

開封して愛でる用+保存用 ←こんなことしてるから部屋が片付かないのだ。

 

染五郎については

あもちゃん用+ブログ友兼リアル友の染五郎ファンsaryaにプレゼント用

であります。

saryaにその話をしましたらば、喜んでおりました!

 

いざ、プレゼントォォォ!

イヨッ!あもる屋!