ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャパン2017 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成29年5月6日(土)、
『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017』を聴きに行く。

 

一昨年から様変わりをし、
 →『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2015

 →『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2016

なんだかんだで行けば楽しむのだが、とうとう今年は『熱狂の日』もとれちゃったし、

グッズもつまんなくなったし、でもGWだからといってどこに行くわけでもない私にとって

もはや惰性でしかないこの行事。

(汗かき夫は去年から脱落しております・・・気持ちはわかる。)

 

どうせGWまっただ中に有楽町に行くのだから、と銀座に行く用事を入れてみた。

2時間ほどで用事は終了。

しばし時間があったので、一人で銀ブラをすることに。

 

以前後輩ともとも(岡山在住)に

「ホットケーキが有名でおいしいらしい!」と教えられて行った

東急プラザに入っている喫茶店の珈琲が美味しかったので(ホットケーキは普通だったが)、

あのクッソ濃い(でも美味しい)珈琲が飲みたいなあ、と再び訪問。

丸福珈琲店 銀座喫茶室

カレーは辛いが、やはり珈琲はクッソ濃くて美味しい!!

 

プリン、サイコー!!

(奥のアイスはカレーのセット・・・アイスばっか食べてたらお腹冷えちゃう。)

丸福珈琲店はプリンがオススメですじゃ。

 

ここの喫茶店は食器が「大倉陶園」で統一していて、見るだけでも幸せ。

(カップには「福」の文字が。)

プレートだけじゃなくカレー皿(?)もあることを今回初めて知る。

一式そろえたーい!

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・キリがない。

 

それにしても、後輩ともともには東京のおいしいお店を教えてもらってばかり。

岡山在住ともともに東京在住の私が教えてもらう、この不思議。

 

◇◆

 

時間が近づいてきたので有楽町に向かって歩く。

 

早歩きあもちゃん、10分もしないうちに到着〜。

 

今回のテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」である。

去年の「ナチュールー自然と音楽」よりはマシなテーマである。

 

最終日の夕方だから(なのに?)、あまりにぎわっていない・・・。

全体的にしんみりとした感じであった。

 

飾り付けもなんだか云いようのない中途半端感。

来年もやれるのだろうか?

 

イベント広場(チケットを持っている人だけ入れる場所)のスポンサーも代り映えしないし、

楽器の試弾も同じような感じだし、そろそろ飽きてきたなあ。

初めてきた人には楽しめているといいのだが。

 

あちこちで音楽が奏でられてる!すんごく楽しい!!

って感じがどこからもしない・・・淋しい。

きっと最終日だからですかね!!!

 

グッズ売り場は当然ながら閑古鳥が鳴いていた。

ああ〜あのキモカワイイキャラクターよ、カムバーック!!

 

唯一活気があって、私もワクワクしたのは「オランジーナ」の売り場であった(笑)

買ってしまったよ〜。

オランジーナのCMの女性がかわいいよね〜。こまんたれぶ〜。

 

ニブイヒト!!

く〜かわえええ〜。水着もかわえええええええ。

 

結婚しようよ 結婚しようよ
 
Amazon

 

◇◆

 

オランジーナを飲み終え会場に向かう。

今年は2公演をはしごして聴くことにした。

まずは・・・

 

公演番号:335

曲目

ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57
ショスタコーヴィチ:「弦楽四重奏のための2つの小品」から ポルカ

 

出演者:マタン・ポラト (ピアノ)

    アルデオ弦楽四重奏団

 

敬愛する我がショスタコーヴィチの小品を生で聴く機会がなかなかないため、

鼻息荒くこの公演を選択した。

 

女性4人の弦楽四重奏団だったのだが、

ショスタコーヴィチのちょっとロマンチックで、そんな中でも実験的な音楽世界を

性を意識させない演奏で見せてくれた。

 

ポルカが最初に演奏されたのだが、プログラムに記載された

「現代音楽の演奏にも情熱を注ぎ、

 サーリアホやデュサパンら現代作曲家達と密な関係を築いている。」

の説明どおり、すばらしい演奏であった。

 

ショスタコーヴィチは交響曲も小曲もどれを聴いてもステキ。

その才能にあもちゃんウットリ。

 

演奏は申し分なかったのだが、とにかくメリハリを大事にしての演奏だとは思うのだが、

特に第2バイオリンのヤンさんのキメ顔が(←コラッ)気になって気になって。

(私は最前列のド真ん中に座っていたため、演奏者と1mも離れていない。)

 

そして最後にジャン!で終わるとき、

ヤンさんだけじゃなく4人全員が観客席を向いてキリッ!とポーズ。

 

私(4人が4人、みんなブルゾンちえみや・・・)

 

いつ「35億」と言い出すかと思うと笑いそうになってしまった。

 

しかし最後に揃って顔をこちらに向ける、というのはショスターコヴィチの指示なのか。

 

こんなマークでも入っていたり?

(弦楽器の楽譜を知らないのでピアノの楽譜でザックリ表現してみた。)

かわいいじゃないか。

 

ピアノ五重奏曲もすばらしかったが、ピアノのマタン・ポラトさんの演奏が特異であった。

今までにないピアノの音を出していて、ものすごくドキドキした。

好みではないのだが、こういうピアノを弾く人がいるんだな〜と時代を感じましたなあ。

 

 

あの斬新な音でスカルラッティを弾くのか・・

どんな演奏なのか聴いてみたいような聴きたくないような。

 

◇◆

 

早歩きで次の公演に向かう。

次は安定の小山実稚恵のピアノを聴くことにした。

(前のショスタコーヴィチが失敗だった場合に備え、

 小山実稚恵のピアノで安心したかった保険的存在・・笑)

 

公演番号:315

曲目

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11

 

出演者:

小山実稚恵 (ピアノ)

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ドミトリー・リス (指揮)

 

いつも正確で安心する演奏をする小山さんにしては珍しくミスタッチが多かったが、

あくまでも小山さんにしては、であるので、全く気にならない。

いやはや小山さんは相変わらず正確なピアノをお弾きになる。

いつ聴いても感心&安心するわ〜。

ピアノを習う全人類がお手本にすべき運指。

(大ホールなのでピアニストの手元が舞台横の大画面に映し出される)

 

私の運指なんて、別名「あもちゃんバタバタ奏法」とも呼ばれるくらいだもんね〜。

あんなに滑らかな運指、うらやましいよ。

黒鍵が邪魔になったりしないんだろうなあ。

(あもちゃんバタバタ奏法ですと、アレグロ/プレストの速さになってくると、

 中指薬指が黒鍵にひっかかるのであります。邪魔や邪魔!と黒鍵に怒り狂う(笑))

 

「ベテラン」を絵に描いたような堂々たる演奏でありました。

(しかし髪型(今でいうハーフアップ)はもっと工夫したほうがよいかと思う・・・

 なぜ女性ピアニストは皆、ロングヘアをダラッとおろしたままのか。

 もっとおされにしてもいいと思うの。)

 

小山さんのピアノはともかく、私が感心したのはオケの演奏&リスさんの指揮。

小山さんのピアノを引き立たせるように、目立たぬようにはしゃがぬように、

そんなまるでポーランド人のような演奏であった。

 

ポーランド人と話したことはないが、この本にはそう書いてあった!

(惜しくも直木賞を逃したが、ぜひ皆さんに読んでもらいたい。

 ショパンがポーランド人にとってどんな存在だったのか、もわかる。)

 

めだた〜ぬよ〜うに〜、はしゃがぬよ〜うに〜・・♪

 

 

そして「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22」を演奏したのだが、

オーケストラバージョンを初めて聞いた。

(当初はピアノとオケのためのポロネーズとして作曲され、その後ピアノ独奏の部分が追加。

 そして現在ではピアノ独奏版で演奏されることが多い。)

こんな構成になっていたのね〜、と得した気分であった。

 

 

終わってみれば今年も音楽の祭典を大いに楽しんだ私だったのだが、

来年もやっぱりダラダラ歩いて、ブーブー言いながら来るのであろう。

 

ただ、クラシックの演奏の質は上がっていると思う。

2015年に聴いたピアノ五重奏曲(シューマン)が最悪だったが、

ここ最近は、どんなに無名でも(私が知らないだけ)素晴らしい演奏を聴かせてくれる。

 

誰にでもお手軽に楽しめる音楽祭、というものから少しずつ離れていて、

クラシックが好きな人が大いに楽しめる音楽祭、に移行しつつあるのかもしれない。

それならそれで結構。

大いに聴いて行こうじゃありませんか。