本物の直木賞選考会(第149回)~結果・講評~ | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

テストは受けたら受けっぱなし、いわゆる同じミスを繰り返すタイプです。



2013年7月17日、直木賞が決定した。

芥川賞に藤野可織さん 直木賞は桜木紫乃さん (MSN産経ニュース)

第149回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、
東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、
芥川賞は藤野可織さん(33)の「爪と目」(「新潮」4月号)に、
直木賞は桜木紫乃さん(48)の「ホテルローヤル」(集英社)に決まった。

◇◆

桜木紫乃さん、おめでとうございます。
パチパチパチパチ。

バットを振り回し過ぎによる疲労困憊、虫の息のあもちゃんから出る祝辞はこれくらい。
早速答え合わせと参りましょう。
模範解答はいつもどおり、産経ニュースから。

阿刀田高さん「見事な文章とストーリー」第149回直木賞講評」(MSN産経ニュース)

この阿刀田高氏の講評に照らし合わせ、三振女王の解答↓

あもる一人直木賞(第149回)選考会ースタートー
あもる一人直木賞(第149回)選考会ー途中経過1ー
あもる一人直木賞(第149回)選考会ー途中経過2ー
あもる一人直木賞(第149回)選考会ー結果発表・統括ー

を採点していこう。


>世紀の大三振ショーは次回に持ち越しとなりますことを、ご了承ください。

きゃーーーー!!!
なに、この、のっけからこっぱずかしい、清々しいほど自信あふれる一文は。
できることならこの記事を闇に葬り去りたい。

>選考会スタート時に予言した、伊東潤氏vs原田マハ氏の一騎打ち、宣言。
>宣言どおりとなった。
>明日からノストラアモルと呼んでもらおうか。

もう、ほんと、やめてぇぇぇぇ!!!
なーにが、ノストラアモルだ。
2週間前の私を小一時間ほど問いつめたい。


>それではあもる一人直木賞選考会(第149回)の受賞作品の発表です!!!!!
>はい!ドラムロール、スタート!!!!!
>ドロドロドロドロドロ~~~~~~
>ジャン!!!!!

>伊東潤「巨鯨の海」(光文社)
>原田マハ「ジヴェルニーの食卓」(集英社)

>で~す!!!
>ダブル受賞、おめでとうございま~~~~す♪ ←私の中で。

あ~あ。
一番やっちゃいけないことをやってしまいました。
はい、ー100点。

今回は1作品だけを選ぶことができず、
ダブル受賞という、いわば卑怯と言われてもおかしくない結果を出した挙句、
どちらも本物の直木賞を受賞しなかった、という
一番恥ずかしい三振パターンを、とうとうやってしまいました。
しかも結構、かなり、本気で、自信があった2作品だっただけに、
(そら、毎回、自信はありますけども!!!!!)
このダメージはでかい。
あまりのダメージの大きさに、
本物の選考委員がちゃんと読んでないんじゃないの?!
と言いがかりもつけたくなるというもの。

しかも大して惜しくない、という、ダメ押し三振パターン。

「1回目の投票で
 桜木さんの『ホテルローヤル』、伊東潤さんの『巨鯨の海』、
 宮内悠介さんの『ヨハネスブルグの天使たち』の3作が2回目の投票に進み、
 最終的に『ホテルローヤル』の1作受賞となりました」

あもる一人直木賞選考会受賞作品かつ、現在イチオシ作家の伊東氏の作品が
かろうじて残っていた模様。
ヤレヤレ、ホッ。
しかし、原田氏の作品、どこ行った?

言い飽きた&聞き飽きた台詞だが、何度も言う。
こんだけ外せばむしろ清々しい。キリッ。

それにしても伊東氏はともかく、まさか宮内氏を交えての三つ巴だったとは!
にわかには信じがたい。
(下で詳細に述べるが私は宮内氏をわりと高く評価していたが・・・)
SFなんてちんぷんかんぷんな年寄りが多い中、宮内氏を強く推す人がいたんだな。

今更だが、今回の選考委員は、
浅田次郎・阿刀田高・伊集院静・北方謙三・桐野夏生・
林真理子・宮城谷昌光・宮部みゆき・渡辺淳一
の各氏。

まだエロ淳がいるんか。そら~ダメだわ~。
エロ淳がいる限り、私の三振記録は続くわ。こら、仕方ないわ~。
という言い訳の限りを尽くして、答え合わせを続けていこう。

「今回は難しい選考になるのかと思っていましたが、
 比較的早い段階で桜木さんの作品がいいんじゃないかという声が高かった。」

ああ、そうですか。
桜木氏の作品、これはないわ、というレベルの作品ではもちろんなかったが、
これで獲らせるなら、選考委員には、
第146回直木賞候補作「ラブレス」で獲らせる勇気を持っていただきたかった。
実際、私はあもる一人直木賞(第146回)選考会で、「ラブレス」を選んでたんだから!!
あもる、なけなしのプライド、そして自慢。
「ラブレス」で受賞して、
今回の「ホテルローヤル」を、直木賞受賞後初の作品としたほうがよかったと思うのに~。

それにしても、比較的早い段階で決まっただけあって、
選考委員の阿刀田氏、その他の作品についての様子を全くと言っていいほど語ってない。
唯一、

「(他の候補作は)それぞれみんなよい作品でした。」

そら、まあ、嘘でもほんとでもとりあえずそう言うわな。
よいしょ、よいしょ、のお神輿祭り。
わっしょーい!
しかし、実際、私もそう思っていた。

>以上、6作品。なんだか、最近、悪口が書けなくてつまらん。

今回ノミネートされた6作品、いずれも悪口を書くような作品がなかったのである。
そんな良作ぞろい(?)の第149回直木賞、各候補作品の講評を順に見ていこう。


・伊東潤「巨鯨の海」(光文社) →あもる委員の選考結果1位

「伊東さんの作品は、
 着実に(古式捕鯨で有名な和歌山県の)太地町のある時代の状況を描いて、
 間然するところのない作品なのですが、
 やはり何か人間についてもう一つ訴えるものがあった方がいい、
 というのがちょっとマイナス点になったのかなと。
 これが受賞してもちっともおかしくないという雰囲気ではありましたが、
 大盤振る舞いをするわけにはいきませんので、
 最後のところでもう一つ、という感じになったと思います」

こ・・・これだけ!?
一応最後に残った3作品の一つなのに、こんな扱い。
ひどすぎる・・・ヨヨヨ。

そして、いつものお約束が出ました!

「何か人間についてもう一つ訴えるものがあった方がいい」

これ、言ったの、どうせ、絶対エロ淳だろ!?
読んでもないくせに(→知らんけど)
「人間が書けてない」
とか、じゃあ、お前は人間の何が書けてるんだっつーの。
最近性的不能、とかプチ自慢(←最近までは不能じゃなかった、の裏返し)する暇あったら、
一人で勝手に鴨鍋にクレソンでも入れとけ。

本物の選考委員の皆様には、人間について訴えるものがいまひとつだったようですが、
もう、私は、人間についてだけでなく、全てにおいて訴えられまくりでした。

>今作品が最高傑作と言えよう。
>風景描写、人物描写、心理描写、いずれもすばらしい。
>伊東氏は、文字と言葉を紡ぎ、その紡いだ言葉をムクムクと隆起させ、
>「古式捕鯨」という一つの世界が作っていた。
>そこを自由に鯨を泳がせ、人間たちが命がけで鯨をおいかけ、獲る。
(略)
>私が伊東氏の作品が好きなのは、言葉と紡ぎ、文章を織り、作品世界を仕立てる。
>そんな、昔ながらの手作りの小説を、丁寧に仕上げてくるからだ。
>どこから読んでも完璧であった。
>あ~、待った甲斐があった。

うん、再度思い返してみても、このあもちゃんの選評、間違ってない!!
しかし、私が推す&直木賞候補歴が長い、この感じ・・・
道尾くんに似てる・・・
いやいや、私が推してた桜庭一樹さんは2度目で獲ったからね。
大丈夫、大丈夫。→誰に言ってんだ、私。

どうでもいいが、
「これが受賞してもちっともおかしくないという雰囲気」
だったなら、さっさと受賞させんかい。
伊東氏を受賞させるなら、今作品しかないって!!!
「大盤振る舞い」でもないし、一体いつになったら、受賞させる気!?

伊東氏にはめげずに次回作品も頑張ってもらいたい!
直木賞自体どうでもいいが(こらっ)、ここまで来たら、絶対獲ってほしい。
これ、主婦の意地!


・原田マハ「ジヴェルニーの食卓」(集英社)→あもる委員の選考結果1位

「原田マハさんは、前回の『楽園のカンヴァス』が非常に面白い作品だったし、
 欧米美術に対し非常に知識の深い方です。
 いま、身辺のつらい生活をごちょごちょ書く小説が多いので、
 こういう美術を書く小説が評価されてもいいかなという思いはありました。
 だが、小説としてはもう少し足りないところがある。
 原田さんの持っている知識・教養・センスは
 これからもっと花開くことがあるんじゃないかということで、今回は見送られた次第です」

うん、全然違う。
なんだ、これ。
そうじゃないのよーーーー!!!
キー、なんだかイライラしてきた!!!
原田氏のこの作品の評価されるべき点はあくまでも「小説」技法であって、
「美術を書いている」ところじゃないんだって!!!
確かに美術について書いてますけどね、そこじゃないんだなあ。
あ~、もう、全然分かってないわ。
どこ、目、つけてんだ。
あの文字だけで織りなす空気感と淡いパステル調の世界観。
これを小説と言わずして、なんという!?

私はこの作品についてこう述べている。

>今回は全く文句の言いようがない。
>特に、表題と同名の「ジヴェルニーの食卓」は、本当に幸せであった。
>根が食いしん坊であるため、モネのダイニングテーブルに並べられたおいしそうな食事に、
>お腹がぐう、と鳴ってしまったほど。
>幸せなのはおいしい食事だけではない。
>丁寧に作られていく庭。家に飾られる小物。ガラス。きらきら。
>短編4作品にあちこちに、幸せな情景、あふれるほどの光がちりばめられていた。
>美しく棚に並べられていく言葉を読者はじっくりと見ていく。
>美術館で絵画を鑑賞するように。
>こちらの原田氏も、言葉から世界を織り上げる。
>言葉という絵の具で絵を描くのだ。
>まるで画集のような小説。

ううーん、素晴らしい。じーん。
誰、この美しい選評書いたの。あ、私だ。あら、うっとり。→自画自賛。

この小説の良さが分からないなんて、きっと余裕がない人なんだわ~。
あ~、あのコンプレックスまみれの林のオバハン(林真理子)が文句言ってそう。
知らんけど。
原田氏がどんな容姿をしているのか全く知らんが、美人そうじゃん?
知らんけど。
林のオバハン、知的で美人っぽくて余裕たっぷりの原田氏に
ものすごくコンプレックス抱いてそうじゃん?
知らんけど。
 →私は、こんな書評、選評、選考会を開いているが、
  作家本人について興味無しで、
  他人の評論などもほとんど読まないから(それでいいのか?)、な~んも知らない。
  この選考会も、ほんとに、タイトルどおり、一人でモクモクやっている・・・
  他人の選評を読んだら、絶対それに引きずられて自分の意見が出なくなる、
  というのが大きい理由なので、ご了承ください~。

原田氏はもう直木賞なんてほっといて、独自の世界を切り開いていってほしい。
でも次回も直木賞にノミネートされたら、全力で応援しちゃうけどね!
(良作だったら、の場合。あもちゃん、そのヘンは厳しいの!)


・恩田陸「夜の底は柔らかな幻(上・下)」(文芸春秋) →あもる委員の選考結果3位

「恩田陸さんの『夜の底は柔らかな幻』は、本当に恩田さんの力業でね。
 これが恩田さんの世界なんだな、というのは分かるんですが、
 やはり少し特殊な小説かなと。
 直木賞として、これを大人の普通の読者に訴えるものとして、
 もう一つかなというところに落ち着いたのかな」

落ち着いたのかな、って問われても、わたしゃ、知らんわ。

「特殊」という言葉が出て来たが、まあ、確かに特殊なんですよ、恩田氏の作品は。
それを知ってて、毎回、毎回、候補作に挙げてくるヤツがいるんだ、これが。
熱烈な恩田ファンが文藝春秋社員にいるんだろうか。
いい加減、恩田氏も断ってくれていいんですよ~。

特筆すべきこともないが、一応、私の選評は・・・

>やっぱり恩田陸をノミネートに挙げるのはもう終わりにしようぜ~。
>毎回毎回、これをどうすりゃいいのさ、と悩む私の身にもなってくれい。

ほんと、特筆すべきことがなかった模様・・・


そしてここでようやく真打ち(ある意味)登場!

・宮内悠介「ヨハネスブルグの天使たち」(早川書房) ←あもる委員の選考結果4位

「宮内さんの作品も評価が高かった。
 ただ私にとっては非常に読みにくい小説でした。
 ロボットという半分人間であり半分人間でないようなものが、
 世界の今まさに私たちが真剣に考えねばならない地域に登場して、
 単なる機械でもない存在が何を感じ、
 そしてそれが人間をどう批評するか、という所に挑戦している作品として、
 非常に見るべきものがあるんじゃないかということを強く訴える選考委員がいました。
 そこまでこの小説を読み込んでみると、非常に鋭いものがある。
 ただ、読みにくい。
 直木賞ということを考えると、多くの読者に対して、
 これが今読むべき小説だと提示するには少しきついかな、と。
 普遍性に少し欠けるところがあるんじゃないか、
 テーマの真実性はあっても、小説として訴えるものが少し足りないということが言われ、
 残念ながら受賞は見送られました。
 この方はたいへんエネルギッシュで勤勉家で、いま人気を得ている作家なので、
 これからのことを大いに期待、というところに落ち着いたのではないかなと」


あれこれ言っててわかりづらいが、要約すると、
ワシ、ジジイじゃけぇ、ようわからん、
という意味です。

>お年寄りにはか~な~り、難しい話ではあるが。

あもちゃん、ほんと、いいトコ突いてるわ~。
じじいには難しい、って先に忠告してるやん。

「非常に見るべきものがあるんじゃないかということを強く訴える選考委員がいました。」

誰が訴えたのか。
実に興味深い。
桐野氏あたりだろうか。
いやいや、まさか前回、前々回と、朝井氏を推していた北方のオジサマじゃないでしょうね。
あのオジサマ、若いもんが好きじゃけえなあ。

それにしても、

「それが人間をどう批評するか、という所に挑戦している作品として、
 非常に見るべきものがあるんじゃないか(略)
 そこまでこの小説を読み込んでみると、非常に鋭いものがある。」

って、「そこ」までこの小説を読み込みましょうよ。
誰だ、「そこ」まで読みこめないのに、選考委員を引き受けたやつは。
ああ、そうね、お年寄りには難しいからね、仕方ないわなあ。

まだピチピチギャルのあもちゃんの選評は、

>前回よりも、描写も複雑かつ丁寧になり、構成も文章も大変すばらしかった。
>SFが直木賞を獲りづらいのはそういう理由もあると思う。
>ただ、そういう難しい話や無機質な話に、
>人間の交流、愛情、虚無、好奇心などを盛り込んでくるあたり、
>小説を書こうとしてるんだな、と好意的に読めた。
>心理描写=小説
>というわけではないが、ロボット戦争とかカッサカサの舞台には、潤いが欲しくなる。
>そういう潤いをちゃんと足しながらも、SFジャンルを書き続ける挑戦が私は好き。
>今回よりもさらにいい作品がきっと書けるであろう。
>次回も期待。

ピチギャルあもちゃん、ちゃんと「そこ」まで読めてます。
私が選考委員になって、正しい選考結果を発表してやりたい。
あ、いつも、やってるんだった。

宮内氏、選考委員の年齢の前に惜しくも敗退。
しかし年寄りが多い中、最後の3作品の1つに名を連ねた、という結果は、
次回に向けて、収穫のある結果だったのではないだろうか。
あとは年寄りの誰かが死んでくれれば・・・(笑)


ここまで一気に書き上げた。
気~~~持ちい~い~~~~~!!!!

そしてお待たせしました、真打ち登場です!

・桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社) ←あもる委員の選考結果5位

直木賞受賞作品に、5位って!!!!
あもちゃん、やるぅぅぅ~。
あ、ようやく、元気になってきた。
小姑あもちゃん、悪口書いてると、元気になるね。

「まず文章が非常によい。そして、ところどころに素晴らしい表現がある。
 『ホテルローヤル』という、どこがローヤルだと言いたくなるような(笑)
 ラブホテルを舞台にしながら、
 決して豊かではない、だが日本人の中にたくさんいるに違いない人たちの、
 色々な喜びや悲しみ、どうしようもない生きざまみたいなものが表現された作品です。
 私も短編連作をよく書いているから非常によく分かるのですが、
 ラブホテルを舞台として、いくつかの短編を全部趣向を変えながら、
 しかしホテルというものに集約されるようなストーリーを作っている。
 これは本当に見事なことです。
 連作短編集は中心となるアイデアからあまり離れてもいけないし、
 みんな同じ小説になってもつまらない。
 その辺のあんばいを非常にうまく計算して作られた小説かなと思いました。
 つらい小説で、読んでいても明日が明るくなる感じではありませんが、
 これだけきちんとした文章でこれだけのストーリーを作り、
 連作短編集として仕上げた以上、直木賞は当然だろうなというのは
 選考委員会の基本的な考えでした」


何が言いたいのかさっぱりわからんが、とにかくよかったらしい。

しかし、まず文句を言わせてくれい。
桜木氏は悪い作家じゃないし、不満はないが、直木賞受賞作がこの作品でいいのか?
上記でも述べたが、桜木氏に受賞させるなら、絶対前作の「ラブレス」だったはず。

こういう話、エロ淳とか好きそうだよな~。
なんてったって、ラブホテルが舞台だもの(笑)
自然と、あちこちが屹立してくるわなあ。
あ、でも、不能なんでしたっけ?
・・・うーむ、くだらん。

ラブホテルが舞台だから、というのはさておき、
エロ淳、こういうわかりやすい話で、人間が書けてそうに見える作品が好きなんだよな。
読んでもないくせに。
知らんけど。
そして講評を読む限り、阿刀田氏もこういうのが好きっぽい。
おじいちゃん・・・

さて、「文章がいい」というのは、私も認めている。
いや、正確には、前作より文章が正しくなった、であるが。

>前回ノミネート時の欠点であった、
>俳句でいう切れ字、的な、話の変換点がないうえ、文法もおかしいため、
>表現が理解しづらく、時系列が把握しにくい、という点を
>宮内氏同様、完璧に修正してきていた。
>大変読みやすい作品になった。

と読みやすさと文章のわかりやすさを指摘した私。
続いてこうも言っている。

>文章もうまくなったし、きっちり時間軸を定め、読者が迷子になることもない。
>しかし、惜しいかな、
>こちらが呼吸のタイミングを逸し、呼吸困難に陥ってしまうほどの激しい筆致が一切なし。

>文章も構成もうまくなったのに、作られた世界がイマイチ、で大変惜しい。
>文法も日本語もおかしかった、前回ノミネート作品「ラブレス」のほうが、
>ずっとよかった。

正しく書けばいいってもんじゃない、という典型的な例。

>くらくても、湿っぽくても、どろどろでもいいのだが、
>とにかくこの作品、おもしろくなかったの。
>そこから心動く何かが少しでもあればよかったのだが、私の感情が一糸乱れなかった。
>次回、また頑張ってほしい。

私、おもしろくないって言っちゃってる!!
でも、ほんとに面白くなかったんだもん。。。
うまかったんだけどさ。

これで直木賞候補作に挙がることはなくなったので、次回、ではなく、
直木賞受賞後の作品に期待したいと思う。

それはともかくとして、受賞、おめでとうございます!!


・湊かなえ「望郷」(文芸春秋) ←あもる委員の選考結果6位

「湊かなえさんの作品はいま非常に若い人に好まれている。
 普通に、ああ面白い小説を読んだなあというところでは、納得ができる作品でした。
 ただ、ある意味では軽く読める小説で、
 犯罪を起こす人間、切実な思いを抱く人間について、
 もう一息深いところをえぐってくれないと、小説として物足りないんじゃないか
 というところがマイナスになったんじゃないかと思います。
 十分にエンターテインメントとして楽しめるものでありながら、
 その辺りの評価が直木賞としてはちょっと、という印象です」

本物の直木賞でも6位だった模様。
まあ、これは仕方ない結果ではあります。
読むのは楽しいけど、だから?で終わっちゃうのよね。どれもこれも。

>最終的な順位を考える際、再度咀嚼した結果、
>スキッ歯みたいな作品、という感想をもってしまった。
>おもしろかったんですけどね!
>おそらく単純明快な表現、と突き詰めた結果だと思われる。

前回の有川氏の作品もそうだったが、
湊氏の作品なども、文学賞としては不向き。
候補作として挙げない方がいいと思うのだ。
湊氏の今回の作品の場合、文藝春秋から出てるから挙げざるを得なかったのだろうが。

それにしても6位だけは、本物の選考委員と同じ感想、というのが、なんかヤダ。
全く違えば、ほんと、わかってねええなあ、って言えるのに!!!!

以上、ひさっしぶりに選考委員を罵倒し尽くした講評を終えたいと思う。
なんか途中から舌が滑らかになっちゃってさ~。
三振女王、敗戦の弁だけはどんどん上手くなっちゃうな。あはー。



もう、おわかりかと思いますが、当てる気ないみたい、私。
でもさ~、今回だけは、絶対当たると思ったのに。
だって、2作品ともにいい作品だったんだもの。
それがまさか、「ホテルローヤル」みたいな地味な作品が来るとはね。
そりゃ、別に悪い作品じゃないんだけども!!!

こんなに見事な大三振ショーを見せてしまって、もう、恥ずかしくて生きてられない。
もう辞めたい。
・・・って毎回、毎回、辞める辞める詐欺で信じてもらえないだろうが、
今回は本当に打ちのめされた。
真剣、辞めたいって思った。
辞めたい、っていうか、辞めた方がいいんじゃ?に近い気持ち。
いい加減にしないと、ほんと、書評ブロガー(い・・一応)として、信用なくすで、私。

次回こそは!!!
そして次回も!!!
あもちゃんの好きな作品を選んじゃうんだもんね!!!

てなわけで、とりあえず、直木賞選考会を続けて行く予定。
だって、これをやらないと、
全国に数名いると言われるコアなあもるファンのもとに、冬と夏が訪れないじゃん?
それじゃさすがに悪いなあ、と思うの、私も。

あ~あ、本物の選考委員が変わらないかな~(笑)

選考委員の変更を祈る中、あもる一人直木賞(第149回)選考会が無事終了した。
満身創痍の三振女王を、引き続き、ご愛顧のほど宜しくお願いいたします。

次回お会いするのは、半年後の冬。
あけましておめでとう。
そして、私の初の場外ホームランをお楽しみに!
ええ、言うだけですぞ!!!