彼の視線を感じていたのは私だけじゃなくて
ガーナ人のシーアもだった。
シーアに
”彼、あきの事見てるよ。”
と言われて
”そんな事ないって。”
とは言ってみたけど、見られてるのは自分でも分かってた。
他に視線を外す事なく、ジーット見られるなんて今までなかったから
踊ってても緊張した。
緊張したけど、意識してると思われるのは嫌だったので
見られてる事を気が付いていないふりして踊ってた。
踊りつかれてバーにドリンクを取りに行くのなら
その彼の前を通る事になる。
知らんぷりして通ろうと思ったのだけれど
あまりにも視線を感じる。
なんでここまで来て
人の視線にビクビクしてないといけないのよ、と急に思って
私もジーット見返してやった。
そして、”チャオ!”
と言うと
その人も”チャオ!”って言った。
こういう時に不親切に出来ないのが私で
面倒だなって思っても愛想よくしてしまうのだ。
心の中じゃ面倒臭いのに。
でも、シーアが私のそばに来てくれたのでそれ以上の会話にはならず
私とシーアはキャビンに戻った。
シーアが
”ねえ、あの制服の彼と何か話したの?”と聞いてきたけど
”チャオだけね。別に興味ないし。”
と答えた。
イタリアのベネチアからスタートする地中海クルーズで
初日だった事もあって疲れていたし
その制服の彼にはそれ以上の挨拶もせずに部屋に私達はキャビンに戻ったのだ。
キャビンに戻るとベットメイキングされていた。
あー、だからクルーズって好き。
特に私はイタリアンシップが好きで
この時が32回目のイタリアンクルーズ。
でも、ディスコに行ったのは初めて。
夜寝るときに、あの制服の彼の視線を思い出した。
あんなにジーット見つめるってやっぱり私の事
気になっていたのかな。。。。。
悪い気はしなかった。
