クルーズ3日目。
午後になっていきなり
シーアが私に言った。
”あき。 昨日の制服の彼に電話しなよ。
私達お金を持ってないんだから
彼にワインバーでおごってもらおう。
あきの事、気に入ってるみたいだったしさ。”
”嫌だよ。私がまるで彼に興味があるみたいじゃん。
じゃあシーアがかけたらいいじゃん。”
”あきじゃないとダメに決まってるでしょ。
彼はあきに興味があるんだから。”
そう言われて悪い気はしなかったけど
もらった内線番号にかけたら
男に飢えてるみたいで嫌だった。
”あき。彼、船で何してるんだろうね。”とシーアが聞くので
”ネームタグにはxxxのファーストオフィサーって書いてあったよ。”と
私が言うと、
”え~、それって凄いじゃない。彼、偉いんだよ。”
とシーアが驚いた。
私は、ふ~んそっか。偉いんだ。。。
と思ったが、彼の役職はさほど興味がなかった。
余りにもシーアがシツコク頼むので
仕方なしにニコに電話をする事になってしまった。
こう言うおごってもらう、って事になるとシーアはシツコイ。
実際、ガーナ人のシーアはモテモテで
アフリカ人の男性にモテる。
シーアが電話をかけたら、すぐに駆けつけてくれる男性は
ざっと10人いると思う。
分かった、わかった。
ワインの為に電話をするわよ、と思いながら
シーアと一緒に
エレベーターホールにある電話から彼の内線番号に電話してみた。
”チャオ” と、私が言うと
”チャオ~、あき。
ごめんね。今、すごく忙しいから後でかけ直す。”
と、言われた。
すぐに私だって分かってくれた。
それは嬉しかったけど。。。
だから、かけるの嫌だって言ったのに。
忙しいかどうかなんて分からないから嫌なのよ。
それに、かけ直すって言ってたけど
私達のキャビン番号、やっぱりチェックしてたのかな。。。
そんな事を思いながら私達はキャビンに戻った。
すると直ぐに電話がなった。
”チャオ、あき。 さっきはごめんね。
電話嬉しいよ。
今夜、一緒にワインバーに行こうね。
ディナーが終わる頃、夜の9時にワインバーで待ってるから。”
と、言われた。
その事をシーアに言うと
”やった---。今夜はタダ飲みだ~~~、”と彼女は呑気に喜んだ。
その時は、
まだ私達が今後どうなって行くのかなんて
考えてもみなかったのだから。
