【旧志免鉱業所竪坑櫓】は世界に3つしか現存しない産業遺産だった! | あもん ザ・ワールド

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福岡県糟屋郡志免町を歩く2

放浪日2019年8月12日

 

福岡市の東側に糟屋郡志免町があります

そのほぼ中央にシンボルタワーである

【旧志免鉱業所竪坑櫓】が建っています

このタワーは昭和18年に

艦船用石炭及び海軍工廠等で使用する工場用石炭採掘施設として生まれました


当時は日本の鉄筋コンクリート造の中でも有数な高さを誇っていました

石炭櫓の中でも最も発達していたらしく

“ワインディングタワー”と称されていました

終戦後は海軍の消滅により大蔵省が一時所有し

その後、蒸気機関車運転用の石炭が不足していた運輸省に移管となり

国鉄所有の櫓となっていきます

地上9階地下1階の内、地上1~5階までは柱と梁のみで造られ

6階以上に壁が作られています

この中にはケージと呼ばれるエレベーターが配置されており

炭鉱夫の昇降や石炭の搬出として動いていました

8階部分には吹き抜けの大空間があり、巻き上げ機が設置されていました

そして9階には天井移動クレーンが設置されています

東西に突起部があるのが特徴的で

東側は運転席があったそうです

西側の突起部は機械室で底には穴があり

天井移動クレーンで部品などを揚げていたそうです

この頭でっかちな姿が特徴的ですよね

ドイツ語で“ハンマーコップフタイプ”と呼ばれています

【旧志免鉱業所竪坑櫓】を設計したのは

海軍技術大佐であった“猪俣昇”さん

ヨーロッパ視察において、ドイツの最先端技術の竪坑櫓を目の当たりにし

やがて世界で“大竪坑時代”がやってくると提唱し

ドイツや中国の技術を参考にして設計したそうです

建設にはイギリスで製鋼された上等のスウェーデン鋼や

戦時と言う状況下で日本軍の名のもとに没収されたお寺の鐘を使ったそうです

予算は当時の価格で200万円

現在の価値で約6億6千万もの予算をかけて建設されました

この初期型ワインディングタワーは当時

“三井三池炭鉱”と荒尾市の“四山第一竪坑”とここ志免町にあったそうです

学会がこの竪坑の貴重性に気が付き調べ始めた時は“三井三池炭鉱”の竪坑は撤去されており、志免町の竪坑は何故か知られていませんでした

荒尾市の竪坑が撤去された時に貴重な他に類を見ない竪坑が撤去されてしまって、大騒ぎになってしまいました

そこで、見つけられたのが、この志免町の竪坑なのです

この第二次世界大戦前に建設された同型が現存しているのは

中国、ベルギー、志免町の3つだけになっています


平成19年度に近代産業遺産となっています

ちょっと、みんな、気づくの遅くない?と思いましたw

いやいや、まだ遅くない!と

【旧志免鉱業所竪坑櫓】の保存修理工事が行われています

おお!あもん的には興味深い工事状況の写真が掲示されています

鉄筋の錆と劣化は治すことができないので

新たに溶接して付け替えています

これ以上錆びないように、防錆材を塗っています

全部の鉄筋を修理しているのですね

この様な骨状態の柱を観られるのは、珍しいです

そしてもう一度、鉄筋をモルタルで覆います

すると!なんということでしょう~!

柱がピカピカで復活しているではありませんか~

その他、コンクリートだけが剥落したところは

モルタルを塗って補修しています

早く元気に復活して欲しいですよね!

なにせ、世界に3つしかない遺産でありますから!

そうです!ここで働く人々の安全と健康が最優先です!

安全設備は必ず装備しましょう

最近ではこの4S運動に、しつけが加わり5S運動が流行っています

はい!ぜひ無事故で工事を終わらせてくださいね!!

 

ということで、続きます