放浪日 2021年11月14日
広島でまたひとつ、昭和が終わろうとしている
2021年10月に日本一短い定期航路【音戸渡船】が無くなろうとしているという噂を聞きつけ、最後に乗ろうと思い訪れましたが
もうすでに渡船は無くなってしまっていました
渡船場は閉鎖されており、中に入ることもできませんでした
それでは、倉橋島側の渡船場はどうなっているのだろう?と
倉橋島まで音戸大橋を渡ってやって来ました
呉では“呉氏”がまだまだ頑張っておりますw
昨今、呉市はちょっと元気がない感じです
元気が出る為には観光業が盛り上がらないといけません
是非とも、【音戸瀬戸】を利用して元気になってもらいたいモノです
良しも悪しも今、全国的に話題となっているので、このチャンスは逃すべからずですね~
赤い二つの大橋が一度に観られる贅沢な光景を持っていますから!
塗装の朱赤は、あの厳島神社の大鳥居の色に合わせているのです
島と橋と船と海
多くの魅力がキュッと詰まっている場所であります
“第二音戸大橋”です
“日招き大橋”の愛称で親しまれています
アーチ間の長さ280mの橋です
2013年からこの光景が観られる様になりました
“音戸の瀬戸”は平安時代の末に
日宋貿易の航路として平清盛が開削したという伝承があります
この海峡の潮流れは1日に8回方向を替え、干満の差は3.8mになります
潮が差し込む時に一時的に潮が高くなる時があり
この現象を“平清盛の白眼の潮”とか“清盛の睨み潮”と言われています
平清盛が睨んだら、高かった潮が引き、進まなかった船が進んだと言う伝説があるからです
音戸の瀬戸の開削は難工事だったらしく
平清盛は当時の願掛けだった人柱の代わりに
お経を綴った石を海底に沈めて工事を完成させたと言われています
その清盛の供養塔がここ音戸の瀬戸にもあるのです
さて、【音戸渡船】の倉橋島側の渡船場です
『撤去されていなくて良かった。。。』
実は密かに無くなっているとも思っていました
もちろん、この渡船場は現在使用されていません
当時の姿をそのまま残しつつ、使われることが終わった建物です
あもんの様に噂を聞きつけ訪れた人もおられました
時刻表は7:00~19:00の“随時”ですw
12:00~14:00は渡船できません
このアバウトさがとても良き時代でした
船がいない時にはここから手を振れば良かったそうです
船頭さんが気付くように大きく手を振りましょう
乗客がひとりであっても迎えに来てくれる
ポンポンポンという船のエンジン音が徐々に近づいてくる
ここまでしてくれたら、あの人との約束の時間は
アバウトで良いと思ってしまいます
そんなスローな島時間がとても良き時間でした
呉市側の渡船場を眺めます
あのおじさんは今でもあそこに座っているのでしょうか?
日本全国に海や川を渡る渡船は多くありました
市営、民営など様々な形態はあり、その需要は昔からありました
現在でも無料で生活航路として活躍している船もあれば
廃止後に有志により復活した船もあります
観光復興の為に活躍している船もあります
【音戸渡船】がこれからどうなっていくかは、誰も答えてくれません
ただ、ここ【音戸の瀬戸】で、ひとつの昭和が終わろうとしています
平清盛が伝説になった歴史がある海峡で
“日本一短い定期航路”というアピールポイントがありながら
クラウドファンディングで350万円以上も集まる魅力もありながら
【音戸渡船】は今ここで、あの頃と同じ姿でお休みしています
事業廃止となりながらも、ここにある3枚の座布団
これを撤去しないと言う誰かの訴えがここにあると思います
誰かが大声でこう言わなければいけないのでしょう!
あもんの声はとても小さいですが
みなさんの声はとっても大きな声になると思います!
ということで、続きます